黒夜行

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「新感染半島 ファイナルステージ」を観に行ってきました

超絶面白かった。
で、超絶良い映画だった。


しかし、凄いタイミングでの公開になったものだなと思う。
まさか、コロナウイルスが未だ猛威を奮っている中での公開とは。

映画は、前作「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後という設定になっている。まず、舞台設定から先に書いておこう。韓国で謎のウイルスが蔓延し、感染した人間はゾンビになってしまう。そして、ゾンビに噛まれると感染してしまう。4年前、その謎のウイルスが蔓延した翌日、韓国という国は国家の機能を停止した。命からがら、韓国から脱出する船に乗ることが出来た人もいたが、その中の一隻から感染者が出てしまい、周辺各国は難民の受け入れを拒絶した。そこで、彼ら難民の多くは、香港に向かうこととなった。しかし彼らは、4年経ってもまだ、難民認定を得られないでいる(この辺りの理由は明確に描かれないが、国際情勢と何か関係があるようだ)。だから難民たちは香港で、最下層の存在として細々と暮らしている。
というのが映画の冒頭で明かされる、主人公たちを取り巻く状況である。

主人公たちは、ある事情から、未だゾンビが蔓延っているだろう半島へと戻ることになるのだが、主人公の一人がそう決心する場面が冒頭で描かれる。

実は、感染者が出てしまった脱出船にまさに乗っていて、姉と甥っ子を喪ったジョンソクは、義理の兄と貧民街の屋台のようなところで飯を食っていた。そこで、客の一人から、「半島のやつらじゃないか」と指を差される。さらに、「ウイルスを持ち込むな」と非難されるのだ。恐らくこの、韓国から命からがら逃れてきた者たちに対する偏見も、難民認定が難航している理由だろうと思う。

そして、このセリフは、まさにコロナの時代を生きている僕らには無視できないものだろうと思う。

今となっては大昔のように思えるが、コロナウイルスに関して世界中で話題になったのは、武漢に次いで恐らく日本だっただろう。ダイヤモンド・プリンセス号での感染が、世界中に報じられたのだ。そのことで、日本人を含むアジア人が差別を受けた、という報道が、コロナが世界中でパンデミックとなる前に起こった。もちろん僕は何も、同じ日本人として、被害者の立ち位置にいようと思っているわけではない。今回はたまたま、欧米人からアジア人が差別されたが、少し状況が違っていれば、アジア人が欧米人を差別するという状況になっていた可能性は十分ある。また

また、この差別の問題は、何もコロナ時代だからというわけでもない。例えば、まだ記憶に新しい、「BLACK LIVES MATTER」をスローガンにした、黒人差別への反対を訴える運動があった。あるいは、少しずつ改善されてはいるだろうけど、まだまだLGBTへの差別は多く存在するだろう。

船で感染が発覚したという部分も含めて、コロナ時代とリンクする部分を多く感じてしまう映画だが(もちろん撮影はコロナ前に終わっていただろう)、そういう時代背景にあるからこそ余計に、見ていて感じるものも深くなるだろう。映画全体としては、パニックムービーというようなテイストで、楽しく観ればいいのだけど、今この環境下だからこそ観るべきだとも思える映画だ。

内容に入ろうと思います。舞台設定は、先程書いた通り。
香港で最底辺の生活をしていたジョンソクは、ある日「会長」と呼ばれる人から仕事の依頼を受ける。それはなんと、半島に潜入するというものだった。実は、ゾンビだらけになった半島には、ゾンビには不要はドルや金が山のようにあり、それを持ち帰って大金持ちになった人がいる、という噂を耳にしたのだという。そこで同じように人を送り込み、大金の回収を目論んだのだが、オモク橋の周辺で連絡が途絶えてしまった。だから、オモク橋の近くにあるはずのトラックを見つけ出して、その荷台にある大金を持って帰って来いというのがそのミッションだった。分け前は半分。4人のチームで行くから、一人250万ドルの報酬だ。香港で最低の暮らしをしているくらいなら、危険を冒してでもやってみる価値はあるかもしれない。
メンバーは半島に上陸し、首尾よくトラックを発見した。これでお役御免となるかと思いきや、予想外の展開から、ジョンソクはチームの他のメンバーとはぐれてしまう。さらに、大量のゾンビに襲いかかられ、もうダメだと思った時、あるはずのない救いの手が現れた。
香港にいたジョンソクたちは知らなかったが、ゾンビの蔓延する半島には、そこでたくましくも生き延び続けている生存者たちがいたのだ…。
というような話です。

前作を観終わった後、僕もそうでしたが、やはり世間的にも、「この続きの物語が知りたい」という声が多かったそうです。前作は、謎のウイルスに感染しゾンビが大量発生したまさにその瞬間からのドタバタが描かれていましたが、どう考えても、あんな状態になってたら、韓国という国は終了だよな、と思ってました、そして予想通り、本作では、韓国は棄てられた国として登場します。

しかし、続編のことなんかたぶん想定してなかっただろうに、先に続編のことまで考えていたかのように、見事な物語だと感じました。最初から最後まで、本当によく出来てる。とにかくまず、ストーリーが超良かったです。

主人公たちが”わざわざ”韓国に戻る理由も自然だし、実は生存者がいたという設定もリアリティがあります。さらに、2つ存在する生存者集団の一方については、背景の物語もきちんとしてるし、最後の最後までその設定が上手く生かされている。もう一方の生存者集団については、背景こそ深く描かれないものの、「こういう世界の中では、こういう状況は起こりそう」と感じるような妙なリアリティがあって、見事だと思いました。

映画の展開としては、ある種の三つ巴状態のまま、「大金を載せたトラックを港まで運べば脱出出来る」という状況下で壮絶な争いを繰り広げることになります。その過程で、様々な人間ドラマが展開される。韓国の役者に詳しい人なら、物語的に誰が重要人物なのかということは、配役である程度分かってしまうかもだけど、僕は基本的にそういうことも全然知らないので、「誰が途中で死んでしまうのか」とか「誰が誰と手を組むのか」みたいなことも予想できないまま観れて、そういう意味でも面白いと思いました。

最後の最後の展開まで含めて、設定・物語・展開は本当に素晴らしかったです。特にラストは、「おぉ、なるほど、そう来るか!」という状況になっていきます。途中で、「うそ、こっからどうなるわけ?」と、もう絶望しかないじゃんという状況になるんですけど、お見事という感じでした。

あと、カーチェイスが素晴らしかった。何が素晴らしいって、もちろん「カーチェイスそのもの」も素晴らしいわけですけど、観た人なら分かるでしょうけど、ただカーチェイスが凄いだけじゃない「まさか!」な設定があります。これも、「国としての機能が停止した環境」だからこそ成立しうるというか、普通だったら納得感のある形で設定できないような状況で、上手いなぁ、と思いました。あと単純に、ゾンビたちが車にバンバン轢かれまくるのが爽快でした(「爽快」なんて書くと、人格疑われそうですけど 笑)

役的には、ジュニとユジンが本当に良かった。特に、ユジンは見事だったなぁ。普通なら、どう考えたって「殺伐」とするしかない映画を、ジュニとユジンの存在感が打ち消してくれている。しかもこの二人、ただ「癒やし」の存在として配置されているわけじゃない、というのも良い。こういう物語の設定だとどうしても、ジュニやユジンの存在は、「ただ守られるだけの存在」として描かれがちだけど、そうはなっていない。というか、かなり重要な役割を担っていると言っていい。この2人を、このゾンビだらけの死の世界で、「役に立つ存在」として見事に描き出す、というのも、凄いストーリーテリングだなぁ、と思いました。

なるべく具体的なことは書かないようにしようと思ったので、フワフワしたよく分からない感想になってしまったけど、観て良かった。1作目ももちろん面白かったけど、1作目は、設定とパニック的な展開の妙が見事だったという感じ。だけど本作は、重厚な人間ドラマが大前提にあるような感じがして、そこが良かった。

救われてほしいと観客が感じるだろうすべての人が生き残れるわけではないのだけど(これぐらいの表現は、ネタバレじゃないと思ってもらえるだろう)、ほとんど死しか想像出来ないような状況の中にあって、生きることを最後の最後まで諦めない者たちの姿に、心を打たれる。

「新感染半島 ファイナルステージ」を観に行ってきました
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感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

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