ウィトゲンシュタインはこう考えた 哲学的至高の全軌跡 1912-1951(鬼界彰夫)
とにかく、死ぬほど難しかった。とてもじゃないけど、凡人に理解できるような本じゃない。
本書に書かれていることの1割も理解できなかったので、書けることはほとんどないが、ウィトゲンシュタインも凄いし、著者の鬼界彰夫氏も凄い、ということはとりあえず分かった。
ウィトゲンシュタインの本というのは、様々な「断片」の「寄せ集め」で成り立っているそうだ。ウィトゲンシュタインは、常にノートを持ち歩いていたようで、日々の思考をすべてそこに書いていた。それは、その時その時に思いついたことを脈絡なく書き連ねていくようなものだそうで、それだけ読んでも分からない(このノートに書かれた思考の断片を、本書では「一次手稿」と呼んでいる)
そして、その「一次手稿」の中から、まとまりの強いテーマを選んで書き下ろされたテキストを、「最終手稿」と呼ぶ。また、「一次タイプ原稿」というものもある。これは、「最終手稿」をまとめるほど思考が煮詰まっていない状態で、将来的に「最終手稿」を書くための資料的な意味合いがある。秘書に口述タイプさせていたという。そして、それらを経て、ウィトゲンシュタインは「最終タイプ原稿」という、自身が決定的で最終的と見なした原稿を作り上げる。
だから、「最終タイプ原稿」だけを読んでいるとよく分からなくなる。その中で使われている思考が、いつどの時点の「一次手稿」に記載されているのか、ということが、ウィトゲンシュタインの思考を読み解く上で重要になっていくのだ。
ということを冒頭で紹介した上で、ウィトゲンシュタインの哲学を追う流れになっていく。凡人の感想としては、よくもまあこんなに詳細に原典を当たったものだ、ということ。2000年に2万ページにも及ぶウィトゲンシュタインの遺稿がCD-ROMで発売されたようで、それらを元に詳細な分析を施している。気の遠くなるような作業だ。
ホントに、こういう本を理解できるような頭の良い人になりたいものだ、と思う。
鬼界彰夫「ウィトゲンシュタインはこう考えた 哲学的至高の全軌跡 1912-1951」
本書に書かれていることの1割も理解できなかったので、書けることはほとんどないが、ウィトゲンシュタインも凄いし、著者の鬼界彰夫氏も凄い、ということはとりあえず分かった。
ウィトゲンシュタインの本というのは、様々な「断片」の「寄せ集め」で成り立っているそうだ。ウィトゲンシュタインは、常にノートを持ち歩いていたようで、日々の思考をすべてそこに書いていた。それは、その時その時に思いついたことを脈絡なく書き連ねていくようなものだそうで、それだけ読んでも分からない(このノートに書かれた思考の断片を、本書では「一次手稿」と呼んでいる)
そして、その「一次手稿」の中から、まとまりの強いテーマを選んで書き下ろされたテキストを、「最終手稿」と呼ぶ。また、「一次タイプ原稿」というものもある。これは、「最終手稿」をまとめるほど思考が煮詰まっていない状態で、将来的に「最終手稿」を書くための資料的な意味合いがある。秘書に口述タイプさせていたという。そして、それらを経て、ウィトゲンシュタインは「最終タイプ原稿」という、自身が決定的で最終的と見なした原稿を作り上げる。
だから、「最終タイプ原稿」だけを読んでいるとよく分からなくなる。その中で使われている思考が、いつどの時点の「一次手稿」に記載されているのか、ということが、ウィトゲンシュタインの思考を読み解く上で重要になっていくのだ。
ということを冒頭で紹介した上で、ウィトゲンシュタインの哲学を追う流れになっていく。凡人の感想としては、よくもまあこんなに詳細に原典を当たったものだ、ということ。2000年に2万ページにも及ぶウィトゲンシュタインの遺稿がCD-ROMで発売されたようで、それらを元に詳細な分析を施している。気の遠くなるような作業だ。
ホントに、こういう本を理解できるような頭の良い人になりたいものだ、と思う。
鬼界彰夫「ウィトゲンシュタインはこう考えた 哲学的至高の全軌跡 1912-1951」
- 関連記事
-
- 蕎麦湯が来ない(せきしろ×又吉直樹) (2020/03/11)
- 読みたいことを、書けばいい。(田中泰延) (2020/02/17)
- 数学する身体(森田真生) (2020/02/07)
- Mr.トルネード 藤田哲也 世界の空を救った男(佐々木健一) (2020/01/16)
- アインシュタインの影 ブラックホール撮影成功までの記録(セス・フレッチャー) (2020/05/28)
- アストロボール 世界一を成し遂げた新たな戦術(ベン・ライター) (2020/02/26)
- 人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても(戸田真琴) (2020/04/01)
- ピアニッシシモ(梨屋アリエ) (2020/01/21)
- 2020年6月30日にまたここで会おう(瀧本哲史) (2020/05/07)
- ペニスカッター 性同一性障害を救った医師の物語(和田耕治+深町公美子) (2020/05/18)
Comment
コメントの投稿
Trackback
http://blacknightgo.blog.fc2.com/tb.php/3988-0955d20d