黒夜行

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「THE UPSIDE 最強のふたり」を観に行ってきました

超良い映画だった!
誰が観ても楽しめて、それでいて、単純なエンタメ作品じゃないって、メチャクチャ良いバランスの取れた映画だったなぁ。
凄く良かった!

自分が大富豪だったら、と考えると、嫌だな、と思う。
大富豪じゃなくてもいい。人気俳優でも、オリンピック選手でも、なんでもいい。とにかく、「肩書きが最優先で相手の視界に入る」ような立場に自分がいたら、と思うと、しんどいなぁ、と思う。

この映画のある場面。大富豪の指示で、部屋にある色んなものをぶっ壊すシーンがあるんだけど、分かるなぁ、と思う。そうだよなぁ、ただでさえ窮屈なのに、そんな窮屈さ、勘弁してほしいよなぁ、と。

肩書きが強すぎる人が目の前にいる場合、その肩書きを無視して接することは、確かに難しいだろう。
ただ。
僕自身、そういう経験がないから、あくまでも予想でしか答えられないのだけど、僕は、そういう時、デルのように振る舞いたい。
肩書きではなく、一人の個人として相手を見て、接したい。
ある場面でデルが、「本人に聞けよ」と言う場面がある。これも良かった。そうだよなぁ、本人に聞けよなぁ、と。そしてそれをちゃんと口に出して伝えられるデルも良かった。

冒頭の場面。フィリップの介助人を決める面接が行われている中、フィリップがずっと厳しい顔つきをしていたのは、分かるような気がする。
それは、みんながフィリップを「障害者」として見ていたからだ。フィリップという個人を、誰も見ていない。

そういう意味でフィリップには、二重の難しさがあったと言える。大金持ちで、障害者。肩書きのオンパレードだ。

そんなことお構いなしに飛び込んできたデルが採用されるのは、まあ、当たり前と言えば当たり前だろう。

何より素晴らしいのは、この映画が、実話に基づいて作られている、ということだ。映画の最後には、【フィリップとデルの友情は今も続いている】と出た。素晴らしい。なんというか、色んな意味で希望のある映画だなと思う。

内容に入ろうと思います。
一代で巨万の富を築いた、実業家のフィリップ・ラカッセは、とある事故で首から下が一切動かせない身体になってしまった。彼の側近であるイヴォンヌは、フィリップの介助をしてくれる人を随時募集するが、フィリップがすぐに辞めさせてしまい長続きしない。そこで、何度も面接を行うことになる。そこに、元犯罪者であるデル・スコットが飛び込んできた。
彼は保護観察官から、「職探しをしていることを証明するサインをもらってくること」と命じられていた。とりあえず彼は、働く意思があることを示すために適当に労働し、責任者にサインをもらっていた。「清掃人募集」ということで行われていた面接会場にも、サインがもらえればいいと思って行ったにすぎない。
面接希望者が多く、子供のお迎えの時間が迫っていた彼は、順番をすっ飛ばして部屋に入り、まずは車椅子のオッサン(フィリップ)にサインを頼んだ。どうやら身体が動かないと分かると、その妻(だとデルが思っていた若い女性、イヴォンヌ)に頼むが、真面目な彼女はデルを追い出そうとする。
しかし、これまでの面接希望者にはなかったその傍若無人さが気に入ったフィリップは、デルを雇うことに決める。デルは、仕事じゃなくてサインが欲しいんだと断ろうとしたが、フィリップから、一晩考えてくれないかと言われて引き下がる。
その夜。妻と子供が住む自宅に戻ると、仕事もしないでフラフラしている夫に愛想をつかした妻から、出ていけと言われてしまう。そこで仕方なくデルは、フィリップの介助人の仕事を引き受けることにするのだ。
介助なんて当然したことがないデルは、最初こそトラブルを引き起こしてばかりだったが、これまでの介助人とはまったく違う振る舞いにフィリップはウキウキするようになっていく…。
というような話です。

ホントに面白かったなぁ。映画館内では、あちこちの場面で笑い声が溢れていました。ホント、ちょっと笑っちゃうような場面が結構あります。「傍若無人なデル」と「真面目なイヴォンヌ」と「面白がってるフィリップ」という三人の関係が、絶妙なんですよね。特に最初の内は、デルとイヴォンヌの噛み合わなさが面白い。

事故に遭う前のフィリップがどういう人物だったのか、ほとんど描かれないから分からない。事故を機に色々変わったかもしれない。とにかく、身体が不自由になってからは、堅苦しいことを嫌っているんだろうな、という描写が多い。しかし、彼を「大富豪」と捉えている人は、そんな人物を雑に扱うわけにはいかないと、(たぶん)あくまでも善意で、フィリップをきちんと扱おうとする。その最たる場面が、フィリップの誕生日だ。詳しくは書かないけど、まあ確かに鬱陶しいだろうな、という感じがする。

デルは、「フィリップの価値観においてどうしてほしいか」という発想をほとんどしない。そうではなく、「デル自身の価値観において正しいと思うこと」をフィリップに対して行う。これまで二人は恐らく、住む世界が一瞬たりとも交わらなかっただろう。だからこそフィリップは、デルが繰り出してくる様々な提案が新鮮で斬新で面白く感じられて仕方ない。次に何をしでかすのか分からないし、なんなら、身体が不自由でなくても、デルがいなかったら出来なかったかもしれないことすらある。ホント、映画の副題通り、「最強のふたり」という感じがして実にいい。

もちろん、良いことばっかりではない。具体的には書かないけど、ある出来事をきっかけに、デルとフィリップの関係は悪化してしまう。この点について、フィリップの気持ちも分かるし、デルの気持ちも分かる。デルは確かに勇み足だったかもしれないけど、とはいえまあ、最終的にはデルがしたことは正解だったと言えるんじゃないか、という物語の閉じ方だったのでよかった。

あと、デルが大金を手にする場面があるんだけど、これも笑ったなぁ。映画館中で爆笑でした。

あととにかく、ニコール・キッドマンが良かった。顔が(演技もだけど)。僕は、特に外国人の俳優の名前を知らないから、エンドロールが出てくるまで、彼女がニコール・キッドマンだって分からなかったけど、好きな顔だなぁ。っていうか、眼鏡が良かったのかも。まあ、ンな話はどうでもいいんですけど。

メチャクチャいい映画でした。途中で、はっきり言及はされないけど、コカインを吸ってるんだろうな、っていう場面があって、こういう部分だけを取り上げて、教育的に云々かんぬん言う人はいるかもしれないから、まあそれが気になるなら子供には見せない方がいいかもだけど、僕は、子供も見た方がいいんじゃないかなと思える、全年齢的にオススメできる良い映画だったと思います。

「THE UPSIDE 最強のふたり」を観に行ってきました
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3位 浅野いにお「うみべの女の子
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感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

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