14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために(丸山俊一)
内容に入ろうと思います。
が、ちょっと僕には難しかったなぁ。
「14歳からの」とついてますけど、易しい本ではないなぁ、という感じです。
もちろん、かなり噛み砕いて書いてくれていると思いますし、なるほどと思う部分もありましたけど、全体的には「上手く捉えられなかったなぁ」という感じが強いですね。
本書はとにかく、「資本主義って何?」と「今、資本主義ってどうなってるの?」という、超基本的なことについて書いていきます。確かに、読んでいれば、その箇所に書かれていることは分かるんだけど、どうも全体の中の繋がりみたいなものをうまく捉えるのが難しかったなぁ、と。
本書は、著者自身の意見がふんだんに盛り込まれた本、というわけではありません。本書は、「欲望の資本主義」というNHKの番組の制作統括の方が著者で、番組に出演してもらった経済学者や哲学者、あるいは過去の経済学者の著書などから様々な引用をし、また、資本主義というものの一般的な理解のために様々な例を挙げながら進めていく作品です。
で、とにかく本書では、「資本主義は“健全”に運営されているならいい仕組みのはず」「でも今ちょっと調子悪いみたい」「今は、どうして資本主義がとりあえず回っているのか誰にも説明できない」「資本主義って、そもそも本質的に壊れるように出来てるんじゃない?」みたいな感じの話が展開されていきます。
とはいえ、「現状」を捉えることがそもそも難しいんだから、どうにもしようがないですよね。今、資本主義がどういう状態であるのか、みたいなことについても、色んな人の意見が分かれているし、であれば当然、これからどうなるかという意見も分かれます。そういう色んな考えが紹介されるんですけど、正直、著名な経済学者に分からないんだから、誰にもわかんねえよなぁ、という感じがしました。
個人的に本書で面白いなと思ったのが、チェコのエコノミストであるセドラチェクです。この人は、社会主義と資本主義を両方経験している人です。子供の頃、チェコは社会主義であり、今は資本主義だそう。そういう経験があるからでしょうか、経済というものを見る視点みたいなものが面白いなぁ、と感じました。
あと、シュンペーターという経済学者が主張している、「資本主義はそもそも壊れる運命にあるんじゃね?」という話もなかなかおもしろいと思いました。どういうことか。資本主義というのは、作っては壊して、常に新しいものを生み出し続ける必要があります。しかし、その繰り返しに疲れる(飽きる)と、安定したいなぁ、という気持ちになるだろう。そういう中で、競争で勝者となったものは、自分が得た地位を維持するためにルールを変えようと望むようになり、そういう動きが、社会階級を硬直化させ、資本主義を崩壊に追いやるのではないか。そんな風に主張しているそうです。これも、なるほどなぁ、と感じました。
正直、良い感じに読めたわけではないんですけど、もうちょっと経済について理解できるようになりたいなぁ、という感じはしました。
丸山俊一「14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために」
が、ちょっと僕には難しかったなぁ。
「14歳からの」とついてますけど、易しい本ではないなぁ、という感じです。
もちろん、かなり噛み砕いて書いてくれていると思いますし、なるほどと思う部分もありましたけど、全体的には「上手く捉えられなかったなぁ」という感じが強いですね。
本書はとにかく、「資本主義って何?」と「今、資本主義ってどうなってるの?」という、超基本的なことについて書いていきます。確かに、読んでいれば、その箇所に書かれていることは分かるんだけど、どうも全体の中の繋がりみたいなものをうまく捉えるのが難しかったなぁ、と。
本書は、著者自身の意見がふんだんに盛り込まれた本、というわけではありません。本書は、「欲望の資本主義」というNHKの番組の制作統括の方が著者で、番組に出演してもらった経済学者や哲学者、あるいは過去の経済学者の著書などから様々な引用をし、また、資本主義というものの一般的な理解のために様々な例を挙げながら進めていく作品です。
で、とにかく本書では、「資本主義は“健全”に運営されているならいい仕組みのはず」「でも今ちょっと調子悪いみたい」「今は、どうして資本主義がとりあえず回っているのか誰にも説明できない」「資本主義って、そもそも本質的に壊れるように出来てるんじゃない?」みたいな感じの話が展開されていきます。
とはいえ、「現状」を捉えることがそもそも難しいんだから、どうにもしようがないですよね。今、資本主義がどういう状態であるのか、みたいなことについても、色んな人の意見が分かれているし、であれば当然、これからどうなるかという意見も分かれます。そういう色んな考えが紹介されるんですけど、正直、著名な経済学者に分からないんだから、誰にもわかんねえよなぁ、という感じがしました。
個人的に本書で面白いなと思ったのが、チェコのエコノミストであるセドラチェクです。この人は、社会主義と資本主義を両方経験している人です。子供の頃、チェコは社会主義であり、今は資本主義だそう。そういう経験があるからでしょうか、経済というものを見る視点みたいなものが面白いなぁ、と感じました。
あと、シュンペーターという経済学者が主張している、「資本主義はそもそも壊れる運命にあるんじゃね?」という話もなかなかおもしろいと思いました。どういうことか。資本主義というのは、作っては壊して、常に新しいものを生み出し続ける必要があります。しかし、その繰り返しに疲れる(飽きる)と、安定したいなぁ、という気持ちになるだろう。そういう中で、競争で勝者となったものは、自分が得た地位を維持するためにルールを変えようと望むようになり、そういう動きが、社会階級を硬直化させ、資本主義を崩壊に追いやるのではないか。そんな風に主張しているそうです。これも、なるほどなぁ、と感じました。
正直、良い感じに読めたわけではないんですけど、もうちょっと経済について理解できるようになりたいなぁ、という感じはしました。
丸山俊一「14歳からの資本主義 君たちが大人になるころの未来を変えるために」
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