時空を超えて面白い!戦国武将の超絶カッコいい話(房野史典)
内容に入ろうと思います。
本書は、「ブロードキャスト!!」というお笑い芸人(知りませんでした)のツッコミの方が書いている本です。とにかく歴史が大好きみたいで、歴史好きのお笑い芸人で「六文ジャー」っていうユニットも作るし、トークライブとか歴史ガイドツアーなんかもしてるんだそうですよ。
そんな著者が、「歴史が超苦手な人に向けて書いた歴史の本」が本書です。
どれぐらい歴史が苦手な人を想定しているか。
例えば本書には、こんな文章があります。
【“武田信玄”っていう有名な大名がいるんですが、名前は聞いたことあるんじゃないでしょうか。】
僕は元々理系で、歴史とか大嫌いな人間ですが、しかしそれでも、さすがに「武田信玄」の名前ぐらいは知ってます(何した人なのか、ちゃんとは知らないけど)。本書で著者は、これぐらいの知識レベルを想定して色んな武将を紹介していきます。
その目的な、「人間的な凄さを伝える」こと。
【すべてブチ込んでみました。
「戦国武将」と呼ばれる人達の、“カッコよすぎるエピソード”を。
読めば“心が動く話”を、すべてこの一冊に詰め込んでみました】
年号とか小難しい名前とかはどうでもいいから、彼らの人間としての凄さを実感してよ!と著者は言います。
【でもね、冷静になって考えてみてください。教科書によって植え付けられた苦手意識と、それにより「歴史は面白くないもの」とコーティングしてしまった先入観を一度取っ払って冷静に。
戦国武将も僕らと同じ人間です。
同じ人間が、命をかけて、あれだけ激しい時代を駆け抜けていった…。
そこには、ドラマしかありません】
僕自身も、試験のために覚える歴史はまったく好きになれませんでしたが、こういう凄い人達のエピソードは大好きです。本書を読み終わった今でさえ、それぞれの武将たちの関係性とか、武将たちの正式な名前とか、ちゃんと覚えてませんが、「すげぇ奴らがいるもんだなぁ」という感覚は強く残りました。そういう意味では、こういう本はなかなか良いんじゃないかなぁ、と思います。
それに、描写もなかなか面白いです。例えば、北条早雲という人を紹介する文章を引用してみましょう。
【…ちょっとおカタく書きましたが、これ現代でいうと、
「どこぞのフリーターが、“社長のオフィシャルな愛人”になった妹を頼って、静岡に言ったのね。で、その会社の跡継ぎ問題を解決したら、幹部クラスの社員になっちゃったわけ…それが、北条早雲だよ」
て感じです】
(まあこの文章については後で、「これ、ほぼウソです」と全否定するんですけど 笑)
【秀吉はつまり、柳沢慎吾さんと叶姉妹と松岡修造さんと徳光和夫さんと足したような人間ということ(いや、違うか)。魅力的に決まってます(いや、変か)。】
どうでしょうか?こんな風に書いてもらえると、メッチャ読みやすいですよね。もちろん、歴史が好きな人的には嫌かもしれませんけど、「歴史」という、興味がない人を振り向かせるにはなかなか難しいジャンルにおいては、初心者向けにこういう提示の仕方をするのは、僕はアリだろうなと思っています。
また著者は、「世間でこう言われてるけど、実はこう」とか、「真偽の怪しいエピソードも織り交ぜてるよ」など、「おもしろさ」と「正確さ」を出来る範囲で融合させようと頑張っているので、そういう意味でもかなり誠実に書いてるんじゃないかなと思います。
恐らく歴史好きの人には常識的なエピソードなんだろうけど、「官兵衛の息子、実は生きてた!」とか「光秀は秀吉以上に最速の出世をした」とか、「伊達政宗、実は眼帯してない」など、「へぇ、そうなんだ!」という話が色々出てきて面白いなと思いました。
個人的に気になった人物としては、「榊原康政」と「鳥居強右衛門」です。
「榊原康政」は、「徳川四天王」の一人で、恐らく一番知名度が低いんじゃないか、と本書では書かれています。実際僕も、本書で初めてその名前を知ったと思います。この榊原康政、実はなかなか凄い男だったようで、同じく徳川四天王である本多忠勝と井伊直政は、「関ヶ原の戦いで一番手柄を立てた人物」として榊原康政を挙げているそうです。自分よりも上の立場の人間にも臆せず意見を言える人物だったようで、そういうのはなかなかいいじゃない、と思ったりします。
鳥居強右衛門は、足軽という一番身分の低い立場だったにも関わらず、歴史にその名が刻まれています。教科書で名前を見たことがある「長篠の戦い」っていうなかなか有名な戦いの時に、ありえないミッションインポッシブルを成し遂げて、しかも最後の最後まで「誰かのために生きる」ということを貫いたその姿は、なかなかカッコいいじゃないの、と思ったりします。
歴史好きの人は読まない方がいいと思いますが、「中学の教科書レベルの歴史もさっぱり分かりません!」という人は、読んでみたら歴史に興味を持てるようになるかもです。僕もなぁ、同じ人物の名前がコロコロ変わったりしなければ、もうちょい歴史に興味持てるかもなぁ、と思ったりしました(昔の人、名前変わりすぎじゃないですか?)
房野史典「時空を超えて面白い!戦国武将の超絶カッコいい話」
本書は、「ブロードキャスト!!」というお笑い芸人(知りませんでした)のツッコミの方が書いている本です。とにかく歴史が大好きみたいで、歴史好きのお笑い芸人で「六文ジャー」っていうユニットも作るし、トークライブとか歴史ガイドツアーなんかもしてるんだそうですよ。
そんな著者が、「歴史が超苦手な人に向けて書いた歴史の本」が本書です。
どれぐらい歴史が苦手な人を想定しているか。
例えば本書には、こんな文章があります。
【“武田信玄”っていう有名な大名がいるんですが、名前は聞いたことあるんじゃないでしょうか。】
僕は元々理系で、歴史とか大嫌いな人間ですが、しかしそれでも、さすがに「武田信玄」の名前ぐらいは知ってます(何した人なのか、ちゃんとは知らないけど)。本書で著者は、これぐらいの知識レベルを想定して色んな武将を紹介していきます。
その目的な、「人間的な凄さを伝える」こと。
【すべてブチ込んでみました。
「戦国武将」と呼ばれる人達の、“カッコよすぎるエピソード”を。
読めば“心が動く話”を、すべてこの一冊に詰め込んでみました】
年号とか小難しい名前とかはどうでもいいから、彼らの人間としての凄さを実感してよ!と著者は言います。
【でもね、冷静になって考えてみてください。教科書によって植え付けられた苦手意識と、それにより「歴史は面白くないもの」とコーティングしてしまった先入観を一度取っ払って冷静に。
戦国武将も僕らと同じ人間です。
同じ人間が、命をかけて、あれだけ激しい時代を駆け抜けていった…。
そこには、ドラマしかありません】
僕自身も、試験のために覚える歴史はまったく好きになれませんでしたが、こういう凄い人達のエピソードは大好きです。本書を読み終わった今でさえ、それぞれの武将たちの関係性とか、武将たちの正式な名前とか、ちゃんと覚えてませんが、「すげぇ奴らがいるもんだなぁ」という感覚は強く残りました。そういう意味では、こういう本はなかなか良いんじゃないかなぁ、と思います。
それに、描写もなかなか面白いです。例えば、北条早雲という人を紹介する文章を引用してみましょう。
【…ちょっとおカタく書きましたが、これ現代でいうと、
「どこぞのフリーターが、“社長のオフィシャルな愛人”になった妹を頼って、静岡に言ったのね。で、その会社の跡継ぎ問題を解決したら、幹部クラスの社員になっちゃったわけ…それが、北条早雲だよ」
て感じです】
(まあこの文章については後で、「これ、ほぼウソです」と全否定するんですけど 笑)
【秀吉はつまり、柳沢慎吾さんと叶姉妹と松岡修造さんと徳光和夫さんと足したような人間ということ(いや、違うか)。魅力的に決まってます(いや、変か)。】
どうでしょうか?こんな風に書いてもらえると、メッチャ読みやすいですよね。もちろん、歴史が好きな人的には嫌かもしれませんけど、「歴史」という、興味がない人を振り向かせるにはなかなか難しいジャンルにおいては、初心者向けにこういう提示の仕方をするのは、僕はアリだろうなと思っています。
また著者は、「世間でこう言われてるけど、実はこう」とか、「真偽の怪しいエピソードも織り交ぜてるよ」など、「おもしろさ」と「正確さ」を出来る範囲で融合させようと頑張っているので、そういう意味でもかなり誠実に書いてるんじゃないかなと思います。
恐らく歴史好きの人には常識的なエピソードなんだろうけど、「官兵衛の息子、実は生きてた!」とか「光秀は秀吉以上に最速の出世をした」とか、「伊達政宗、実は眼帯してない」など、「へぇ、そうなんだ!」という話が色々出てきて面白いなと思いました。
個人的に気になった人物としては、「榊原康政」と「鳥居強右衛門」です。
「榊原康政」は、「徳川四天王」の一人で、恐らく一番知名度が低いんじゃないか、と本書では書かれています。実際僕も、本書で初めてその名前を知ったと思います。この榊原康政、実はなかなか凄い男だったようで、同じく徳川四天王である本多忠勝と井伊直政は、「関ヶ原の戦いで一番手柄を立てた人物」として榊原康政を挙げているそうです。自分よりも上の立場の人間にも臆せず意見を言える人物だったようで、そういうのはなかなかいいじゃない、と思ったりします。
鳥居強右衛門は、足軽という一番身分の低い立場だったにも関わらず、歴史にその名が刻まれています。教科書で名前を見たことがある「長篠の戦い」っていうなかなか有名な戦いの時に、ありえないミッションインポッシブルを成し遂げて、しかも最後の最後まで「誰かのために生きる」ということを貫いたその姿は、なかなかカッコいいじゃないの、と思ったりします。
歴史好きの人は読まない方がいいと思いますが、「中学の教科書レベルの歴史もさっぱり分かりません!」という人は、読んでみたら歴史に興味を持てるようになるかもです。僕もなぁ、同じ人物の名前がコロコロ変わったりしなければ、もうちょい歴史に興味持てるかもなぁ、と思ったりしました(昔の人、名前変わりすぎじゃないですか?)
房野史典「時空を超えて面白い!戦国武将の超絶カッコいい話」
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