「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」を観に行ってきました
注目を浴びる存在になるということへの違和感みたいなものは、なんとなくずっと持っていた。
別に僕は注目を浴びるような存在ではないし、そういう経験があるわけではないのだけど、もし自分がそうなったら、と思うと、しんどいだろうなぁ、としか思えない。
モデルや芸能界などは、ある意味で「注目を浴びる存在になること」が一つの目的だったりもするだろうから、それを目指す以上、注目を浴びることは受け入れざるを得ない。でも、例えばスポーツ選手などは、注目を浴びることが主目的ではない(そういう人ももちろんいるだろうが)。そういう中で、不本意に注目を集めてしまう存在になることの大変さみたいなものは、なんとなく昔から想像していた。
一度そうなってしまうと、そこからちゃんとした形で抜け出すことはかなり困難だ。そしてそれは、自然と重圧へと変わっていく。
失いたくない、と思えてしまうものを持ってしまうことの怖さを、じっくりと描き出しているように、僕には感じられた。
内容に入ろうと思います。
この映画は、1980年のウィンブルドン決勝で歴史的な死闘を演じたボルグとマッケンローの話です。
ボルグは、数々の最年少優勝記録を塗り替え、現時点でウィンブルドン4連覇中、次勝てば歴史的な快挙である5連覇となる、テニス界の不動のヒーローだ。「完璧」「冷静沈着」「マシンのよう」と評されるこの男は、感情の起伏をさせずに淡々とプレーする氷のような男だった。
一方のマッケンローは、世界ランク2位の新星で、ウィンブルドンの初タイトルを狙う男だ。実力は申し分ないのだが、彼には悪癖があった。紳士のスポーツと言われるテニスで、暴言を連発するのだ。アメリカのテレビ番組では、「アル・カポネ以来の最悪のアメリカの顔」などと紹介されもした。試合中に審判に悪態をつき、ペナルティを課されることもある。
北欧とアメリカ、陰と陽、ヒーローとヒール、あらゆる点で対照的なこの二人が、順当に勝ち進み、決勝でぶつかり合う。
今では「マシンのよう」などと評されるボルグも、子どもの頃は短気で抑えの利かない、誰もが手を焼く選手だった。信頼できるコーチとの出会いで、破竹の快進撃を続けることになるのだが、5連覇の重圧は想像以上であり、子どもの頃の自分が出てきそうになるのを、必死で抑え込む。
一方でマッケンローは、相変わらずの態度を続けながら、打倒ボルグに闘志を燃やす。しかし、やはりその態度は、マスコミは対戦相手の不興を買うが…。
というような話です。
なかなか面白い映画でした。構成は実にシンプルで、お互いの過去を振り返りつつウィンブルドンの決勝までを描き出し、最後に決勝での死闘を描き出す、という感じです。予想外のことは特に起こりませんが、僕はドキドキしながら見れました。というのは、僕はこの一戦のことを知らなかったので、最後まで「どっちが勝つか」が分からないまま見ることが出来たからです。決勝戦は、まさに「死闘」と呼ぶにふさわしい戦いで、ダイジェストで見ているわけですけど、手に汗握る感じでした。
ボルグとマッケンローが本当に水と油みたいな二人で、表面上まったく違うんだけど、でも実はどちらも短気でキレやすい感じだった、というのは面白かったです。ボルグがいかに自分を抑えながらテニスのスター選手へと上り詰め、しかしそのことでいかにして自分を追い詰めて行ったのか。そしてボルグと対戦したマッケンローがどんな変化を見せるに至ったのか。この辺りが見どころだと思います。
スポーツにはさほど興味が持てませんが、面白く見れた映画でした。
「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」を観に行ってきました
別に僕は注目を浴びるような存在ではないし、そういう経験があるわけではないのだけど、もし自分がそうなったら、と思うと、しんどいだろうなぁ、としか思えない。
モデルや芸能界などは、ある意味で「注目を浴びる存在になること」が一つの目的だったりもするだろうから、それを目指す以上、注目を浴びることは受け入れざるを得ない。でも、例えばスポーツ選手などは、注目を浴びることが主目的ではない(そういう人ももちろんいるだろうが)。そういう中で、不本意に注目を集めてしまう存在になることの大変さみたいなものは、なんとなく昔から想像していた。
一度そうなってしまうと、そこからちゃんとした形で抜け出すことはかなり困難だ。そしてそれは、自然と重圧へと変わっていく。
失いたくない、と思えてしまうものを持ってしまうことの怖さを、じっくりと描き出しているように、僕には感じられた。
内容に入ろうと思います。
この映画は、1980年のウィンブルドン決勝で歴史的な死闘を演じたボルグとマッケンローの話です。
ボルグは、数々の最年少優勝記録を塗り替え、現時点でウィンブルドン4連覇中、次勝てば歴史的な快挙である5連覇となる、テニス界の不動のヒーローだ。「完璧」「冷静沈着」「マシンのよう」と評されるこの男は、感情の起伏をさせずに淡々とプレーする氷のような男だった。
一方のマッケンローは、世界ランク2位の新星で、ウィンブルドンの初タイトルを狙う男だ。実力は申し分ないのだが、彼には悪癖があった。紳士のスポーツと言われるテニスで、暴言を連発するのだ。アメリカのテレビ番組では、「アル・カポネ以来の最悪のアメリカの顔」などと紹介されもした。試合中に審判に悪態をつき、ペナルティを課されることもある。
北欧とアメリカ、陰と陽、ヒーローとヒール、あらゆる点で対照的なこの二人が、順当に勝ち進み、決勝でぶつかり合う。
今では「マシンのよう」などと評されるボルグも、子どもの頃は短気で抑えの利かない、誰もが手を焼く選手だった。信頼できるコーチとの出会いで、破竹の快進撃を続けることになるのだが、5連覇の重圧は想像以上であり、子どもの頃の自分が出てきそうになるのを、必死で抑え込む。
一方でマッケンローは、相変わらずの態度を続けながら、打倒ボルグに闘志を燃やす。しかし、やはりその態度は、マスコミは対戦相手の不興を買うが…。
というような話です。
なかなか面白い映画でした。構成は実にシンプルで、お互いの過去を振り返りつつウィンブルドンの決勝までを描き出し、最後に決勝での死闘を描き出す、という感じです。予想外のことは特に起こりませんが、僕はドキドキしながら見れました。というのは、僕はこの一戦のことを知らなかったので、最後まで「どっちが勝つか」が分からないまま見ることが出来たからです。決勝戦は、まさに「死闘」と呼ぶにふさわしい戦いで、ダイジェストで見ているわけですけど、手に汗握る感じでした。
ボルグとマッケンローが本当に水と油みたいな二人で、表面上まったく違うんだけど、でも実はどちらも短気でキレやすい感じだった、というのは面白かったです。ボルグがいかに自分を抑えながらテニスのスター選手へと上り詰め、しかしそのことでいかにして自分を追い詰めて行ったのか。そしてボルグと対戦したマッケンローがどんな変化を見せるに至ったのか。この辺りが見どころだと思います。
スポーツにはさほど興味が持てませんが、面白く見れた映画でした。
「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」を観に行ってきました
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