破天荒フェニックス オンデーズ再生物語(田中修治)
いや、凄かった!
ハイパーメチャクチャウルトラ破天荒に面白かった!!!
なんだこれ、マジで!
いや、もちろん、面白いだろうなぁ、とは思ってたんですよ。
面白そうな匂いは、プンプンしてましたからね。
でも、まさかここまでとは思わないじゃないですか!
ちょっと衝撃的な面白さでした。
久しぶりでしたよ。
「ページをめくる手が止まらない」っていう感覚は。
もう寝ようとか、もう風呂に入ろう、とか思っても、あとちょっと、あとちょっと読みたい、みたいな感じでずっと止められない。
ホントそれぐらい、最初から最後まで、途中もすべてどこもかしこも面白すぎる!
途中ちょっとダレるなぁとか、ここは微妙だなぁ、みたいな箇所がホントにない!
もう、全部面白いのだよ。
しかも驚くべきは、これが実話をベースにしてるってことですよ。
一応“小説”と銘打ってあるし、一部実際の企業名が出てくるけど、本書の中では「穂積銀行」とか、あるいはメガネショップの「ZAPP」「ジェイムズ」「眼鏡一座」みたいな、どこだかははっきり分かるけど微妙に変えた名前で登場させてるんですよね。
一応“小説”ですよー、というテイストを保っている。
でも、基本的に本書は、「オンデーズ」という会社がどのように再生を果たしたのか、その道筋をリアルに描き出したものなのだろう。
現実とどの程度違いがあるのか、それは読者には分からないけど、こうやって本として出すからには、「人間同士のやり取り」はともかくとして、「会社の動きや資金繰り」なんかは実際の通りなんだと思う。
で、それがちょっと凄まじいのだよ!
これが実際にあったことだとは、とてもじゃないけど信じがたい!
この「オンデーズ」という会社は、まさに「不死鳥(フェニックス)」のように、幾度も死線をくぐり抜けてきたわけです。
ホントに本書には、「10日後に1千万円がショートします」「月末までに3億円足りません」みたいな話が、次から次へと現れる。しかもそれらは、経営側の問題というよりは、前経営者の負の遺産だったり、あるいは銀行の不理解だったりによるものばかりだ。
そんな、地獄の淵を目隠しで歩くような経験を、彼らは何度も潜り抜けて、しかもそんなウルトラ級の資金繰りをしながら、彼らは超絶的に攻めるのだ。その攻め方がまさに「破天荒」で素敵なのだ。「オンデーズ」のモットーは、「倒れる時は前向きに」だそうだ。まさにそれを、10年間やり続けた、と言っていいのだ。
でなおかつこの本は、ちゃんと“小説”的にも面白いのだ。
正直僕は何度か、泣きそうになりました。
特に、「被災地で眼鏡を配った時のお婆ちゃん」とか、「社長、最後のタバコ」とか、「沖縄の店舗での実験的な大セール後のスタッフの言葉」とか、涙腺を刺激してきますね。
何故本書が、そんな涙腺を刺激する作品になっているのかというのは、ある一つの大きな前提があると僕は思っています。
それは、田中修治が「人」を大事にする経営者だからだ。
その話は後々触れるつもりだが、その大前提があるからこそ、一つ一つのエピソードが染みるのだ。これが、またちょっと違った、「成長!」「野心!」みたいな部分が強く出るような経営者だったら、同じエピソードが描かれていても、違う受け取り方をしたかもしれないなと思います。
とにかく本書は、「人」を大事にすることの大事さ、みたいなものを痛切に感じさせてくれる作品でもあります。
さてそんなわけで、このハイパーメチャクチャウルトラ破天荒に面白い作品の内容を紹介しようと思います。
物語は、六本木の交差点にある有名な喫茶店「アマンド」の2階の窓際席で始まる。話をしているのは、本書の著者であり、「オンデーズ」の社長(しかし、「アマンド」の2階で話している時はまだ「オンデーズ」の社長ではない)である田中修治と、「穂積銀行」に入社しながら業界に嫌気がさし、投資コンサルティングの小さなベンチャー企業に転職したばかりの奥野良孝の二人。
当時田中修治は、30歳、茶髪、破れたジーパンという出で立ちで、早稲田の住宅街の片隅で、数名の社員と小さなデザイン企画の会社を経営する若手IT社長だった。
そんな彼の元に、とあるビジネス誌の編集者が、全国に60店舗を展開する低価格メガネのチェーン店「オンデーズ」の創業者を紹介してきた。創業者の乱雑な経営が原因で破産寸前だった「オンデーズ」の身売りの話に関わることになった田中修治は、良い売却先を見つけられなかったこともあり、「だったら自分で買おうかなぁ」と奥野氏に相談していたのだ。
奥野氏の反応ははっきりしていた。
「それは絶対にやめた方がいいですよ」
「オンデーズ」は必ず倒産する、と100人が100人太鼓判を押す…そんな会社だったのだ。何せ、年間の売上が20億円しかないのに、銀行からの短期借入金が14億円あるという、まさに“異常な資金繰り”に陥っている会社だったのだ。それを奥野氏は、「2トントラックに1.4トンの砂利が載っているようなもの」と表現した。そんな会社を買っても、出来ることなんかないし、すぐに潰れる、と。
しかし田中修治には、彼なりに考えがあった。まず、「オンデーズ」の店舗を見て回ったら、活き活き働いているスタッフがたくさんいたこと。そして、他の業界にはいる「超強力なNo.1」が、メガネ業界にはまだいないこと。そしてもう一つ。
【それに俺自身も、30歳を迎えるにあたって、経営者として、この辺でひと勝負かけたいという気持ちも強くあるんだよね。でも俺みたいに、会社も小さくて資金も信用もない若い経営者が、大きなチャンスを掴む為には、皆んなが嫌がるような案件、ちょうどこのオンデーズみたいな、燃え盛る火の中に自ら進んで手を突っ込んでいくようなことでもしないと、なかなかそんなチャンスは掴めないでしょう?】
というわけで田中修治は、誰もが「絶対に倒産する」と言った「オンデーズ」を、買収することに決めた。そしてそこに、奥野氏を引きずり込んだのだ。
これが2008年のこと。そこから10年後の現在どうなっているかと言うと、著者略歴によれば、「オンデーズ」は、11ヶ国260店舗を展開し、従業員数2000名、売上高170億円に達している。
しかし、買収した時点ではもちろん、そんな予感などまるでなかった。なにせ、3月に会社を買収したその月末、あと10日を切った時点で、1千万円資金が足りない、ということになっていた。これ以降も「オンデーズ」は、常に資金ショートとのギリギリの戦いを繰り広げることになる。
何せ、銀行が金を貸してくれないのだ。
前経営者が作り出した借金に加え、粉飾まがいの会計などが行われていて、奥野氏はその膿を出し切って綺麗にした。しかし、そうしたことによって、バランスシートはまるでゾンビのようになってしまった。これはどういうことかというと、「前例主義」の銀行の担当者が「過去一度も見たことがないようなバランスシート」ということだ。後々、いつもの如く資金ショートの危機に陥り、様々なベンチャーキャピタルに打診するも、結局銀行と同じで融資してもらえない、という状況になった時、奥野氏はこんな風に叫ぶ。
【(「こんなに投資家に相手にされないオンデーズはダメな会社なのか」という社長のつぶやきに対して)そんなことないです!私は前職で沢山の再生案件を手掛けてきましたが、今のオンデーズみたいな会社は一つもありませんでした。全く利益の出てない完全にマイナスの状態から、一円も融資を受けず、返済は続け、さらに4年半で店舗数も倍にして利益も出して、こんな再生案件見たことがない。もし私が担当者なら絶対に『積極投資可』の判断を出しています!専門家が言うんだから間違いないですよ!】
もうとにかく、銀行がまったく金を貸さない!帳簿だけを見て、帳簿の数字が悪い(まあ、ゾンビですからね)というだけの理由で、「はい、融資しませんよ~」という判断を下す。その帳簿のゾンビ的な部分は、すべて前経営者によるものであり、田中修治ら現経営者はまったく絡んでいない。そして田中修治は、様々な改革とチャレンジを繰り返し、確かに帳簿上はゾンビだけど、実際には高収益を叩き出す超優良企業を作り上げたのだ。しかし、それがまったく評価されない。そのことによって、彼らは本当にずっと苦労させられることになる。
そんなわけで彼らは、大量の借金があり、でも借り入れはできず、返済はしなければならない、という超絶不利な条件の中で、しかし数々のチャレンジを繰り返していく。その詳細についてここで触れるわけにはいかないけど、本当に、いつもギリギリのところで様々な出会いがあり、その出会いに導かれるようにして新しいチャレンジを続け、綱渡りのような日々を送ってきたのだ。
そんな彼らの、7年間に及ぶ奮闘を“小説”に仕立てたのが本書です。
どれだけ面白かったかは、冒頭で散々書いたので、違うことを書きましょう。
まず僕が書きたいのは、「人」の大切さです。田中修治は、徹頭徹尾これを貫きました。
買収した直後にやったことは、「オンデーズの全店舗を周り、従業員と酒を飲む」でした。彼は酒が強くないようですが、酒を飲んで不満を吐き出させることが大事だ、と考えていました。また、全国の店舗を回る社長を、「遊び人社長が会社の金で豪遊している」と揶揄されていたそうですが、実際には強行軍に次ぐ強行軍でヘトヘトになっていました。
ここで、田中修治が会社を買収した時の、従業員の気持ちがよく分かるセリフがあるので引用してみます。これは、僕が泣きそうになったと冒頭で書いた、「沖縄の店舗での実験的な大セール後のスタッフの言葉」でもあります。
【社長が最初、オンデーズにやってきた時、正直、私たちみんな終わったって思ったんですよ。ああ、もうウチの会社はダメなんだなぁって。他の仕事探さなきゃなぁって…それが1年ちょっとで、こんなにお客さんが来てくれるようになるなんて。今メチャクチャしんどいですけど、まさかこんな、しんどくなれる程、お客様が来てくれるようになるとは、思いもしませんでした。ほんと、なんか今日は営業中、接客しながら何度も泣きそうになりましたよ】
田中修治がいかに期待されていなかったかがよく分かる言葉だろう。
しかし一方の田中修治は、スタッフたちに賭けていた。彼はメガネの素人だから、「オンデーズ」を再生させるためには彼らに頑張ってもらう以外にはない。買収当初は、様々な衝突や軋轢がありながらも、彼は自分の思いやプランなどを正直に語り、また様々な面で「従業員を大切にしている」ということが伝わるようにして様々な決断をしてきた。
特に、給料に関しては徹底的に守り抜いた。
【コストカットの大前提に、従業員の解雇や賃金カットを置いたら絶対にダメだ。そんなことをしたら、立ち直れるものも立ち直れなくなる】
【(東日本大震災後の危機的状況において)とにかく取引先への支払いは、できる限り、一円でも多く待ってもらうようにお願いしよう。そしてまずは従業員の給与が最低3ヶ月は遅延なく支払える状態を確保する。オンデーズがこの危機を乗り越える為には、社員皆んなの力に頼るしかないし、こういう社会が不安定な状態でも、きちんと給与が支払われる状態を維持し続けることは、俺たち経営陣の一番大きな責任だから】
彼は、これまで幹部たちが売上の底上げのために従業員に自腹で商品を買わせていたのも止めさせ、店舗スタッフにはオンデーズ以外のメガネを掛けることも許容した。これが、ある場面でまた“小説”的な良い展開を見せることになるのだけど、とにかくそんな風にして彼は、従業員を徹底的に大事にした。
また、こんなこともあった。広告宣伝部長だった高橋が、社長のところに直訴にやってきたことがあった。
【いいですか、今の商品部は全然なってないですよ。あんなんじゃ全然ダメだ。売れ筋商品の在庫予測も発注数字の管理もまるでできてやしない。私はもともと商品がやりたくてこの会社に入って来たんですよ。社長、私に商品部を任せてくださいよ!私は前職がバイヤーだったんで中国で生産するノウハウもある。業者さんとの交渉だって生ぬるい。もっとやりあえるはずですよ!】
さて、これに対して田中修治はどう返したか。
【いいよ。じゃあ今から高橋さんが商品部の部長ね。早速、仕事にとりかかって下さい。
(あの、いや、なんか幹部会にかけてからとか、人事発令とか、そういうのはいいんですか?)
何で?社長の俺が、今ここで良いって言ってるんだから、良いんですよ。そんな悠長なこと言ってる時間なんてないんですから、もう今この場で部長に任命しますよ。すぐに商品部部長の名刺を作って好きに動いてください】
こういうところに、彼の凄さがある。彼はもちろん、自分が思いついたアイデアを無理やり実現させることもするし、大勢が反対する重大な決断をすることもあるのだけど、基本的には人に全部任せてしまう。そして口を出さない。なにしろ彼は、自分が「メガネの素人」であり、「販売や流通や生産の素人」であることを理解しているからだ。会計に関しても奥野氏に一任していて、そんな奥野氏に田中修治はこんな風に言う場面ばある。
【人に下駄を預けた以上は、滑ろうが跳ねようが文句は言わないよ】
はっきり言って、奥野氏がちょっと判断ミスしただけで、すぐに「オンデーズ」は倒産してもおかしくないような状況が頻発していた。田中修治は、そうしなくても良かったはずの、個人での保証を入れる(正確な表現ではないかもですが)こともしていて、だから「オンデーズ」が倒産したら莫大な借金を負うことになる。色々あって、母親が相続した財産を売却して生み出した数億円は既に使ってしまっていて、後がない。そんな状況になれば、知識がないなりに自分の判断を押しつけてしまいそうになる場面もありそうだが、田中修治は全面的に任せるのだ。
こんな風に、やる気のある人間により上手く働いてもらうというようなやり方がうまい人であるように感じた。
まあとはいえ、田中修治の同志的な存在である奥野氏は、可哀想なくらい常に追い詰められています。節々での奥野氏の発言を抜き出してみると、
【さすがにきついですね…毎日会社の帰りにホームに立つと電車に飛び込みたくなる…】
【まあ資金繰りで苦労するのが私の仕事です。金の苦労が要らない会社なら、自分なんて必要ないでしょう。たくさん仕事を作ってもらってありがたいくらいですよ、ハハハ】
【しかし、辛いですね…。資金繰りは本当に辛い…。毎日、胃の中に砂袋を詰められてるような感じですよ】
奥野氏は、こういう状態がずーっと何年も続いているのだ。凄まじい。でも、決して公開はしていないようだ。
【私は昔から苦労をするのが、嫌いじゃない性格なんですよ。それに時々失敗する人間の方が私は好きです。何でもソツなくこなして抜け目なく世渡りしている人間は、どうしてもイマイチ好きになれない。少しおっちょこちょいで、何を始めるのか予測不能。破天荒なくらいの方が人間らしくていいじゃないですか。味がある。だから私は社長を嫌いになれない】
散々な言われようですけど、僕もこの感覚は分かる気がします。
また、田中修治が意識しているもう一つのことが、「商売としての健全さ」を求めるということです。
詳しいことは書きませんが、以前のメガネ業界では、後出しジャンケンのような売り方がまかり通っていました。というか、それで利益を確保しているみたいなところがあったのです。けれど、これも色々あって、最終的に「オンデーズ」はそれを止めることにしました。とにかく色んな場面で、「お客さん目線で考えた時に“真っ当な商売”をしよう」という方向に進もうとします。
そのきっかけの一つとなった出来事があります。東日本大震災の避難所でメガネを無料配布した時の経験です。具体的には書きませんが、そこで出会ったあるお婆ちゃんとのやり取りから、田中修治はこう感じるようになります。
【しかし、この避難所でのボランティア活動を通じて、メガネ屋にとっては、専門家としての技術や知識を用いて、人々の視界を快適にしてあげることが何よりも一番重要なのだと、この時はっきりと気づかされたのだった。
まさに頭に雷が落ちた。そんな表現がピッタリくるほどの衝撃だった。
オンデーズがお客様に本当に売らなければいけないのは、安いメガネでもお洒落なメガネでもなく「メガネをかけて見えるようになったスアらしい世界」だったのだ。】
こんな風に、この「オンデーズ」の再生物語は、徹頭徹尾“小説”的なのだ。正直なところ、どこまでが正確に事実で、どこまでがフィクション混じりなのか、気になって仕方がない。とはいえ、少なくともこの東日本大震災の話や、あるいは「社長、最後の煙草」のエピソードなどは、災害や死が関わっている以上、フィクションということはないように感じる。
しかし、多少のフィクションが混じっているとしても、「オンデーズ」の再生がこれほどまでに“小説”的であることは、田中修治が「人」を大事にした結果だろうと思う。従業員やお客さんや取引先など、あらゆる「人」を大事にすることで、田中修治は、結果的に「運」としか呼びようがない様々な綱渡りをどうにか乗り越えることができてきたのだと思う。「人」を大事にしさえすれば常にこんな風にうまく行くなんてことはありえないだろうけど、こんな生き残り方もあるんだ、と知っておくことは大事だろうと思う。
最後に、全編を通じて感じていたことは、日本の銀行の稚拙さだろう。以前、ちきりんの本の中に、「日本の銀行員とファミレスのアルバイトだったら、世界的なマーケットで見たらファミレスのアルバイトの方が価値が高い」と書かれているのを読んだことがある。日本のファミレスやコンビニなどの接客レベルは、外国と比べると圧倒的に高く、日本でファミレスのアルバイトが務まるなら、欧米のカジュアルレストランでフロアマネージャーが務まるという。一方、日本の銀行は、グローバルの世界ではまったく評価されていないから、世界のマーケットで見ればファミレスのアルバイトより劣る、ということだった。
本書を読むと、それも納得だなぁ、と感じてしまう。
もちろん、「オンデーズ」の再生が過去類のない異常なものだったのは事実だろうし、帳簿がゾンビ的で判断が難しかったのもその通りだろう。しかし本書を読む限り、銀行の担当者たちは、「理解しようとする意志」をまったく見せなかったし、そのことが本当に稚拙だなと思う。
理解しようとして結果理解できなかったのなら仕方ない部分もあるだろうが、本書で描かれる銀行マンたちはそんなレベルではない。例えば、シンガポールへの海外進出を果たし、シンガポールでのキャッシュフローも含めれば会社全体で相当健全化されている状態にも関わらず、ある銀行の担当者は、「シンガポールの話は聞きたくない」と一切拒否します。どうせシンガポールでのキャッシュフローなんて理解できないんだから、それより国内事業で債権整理が進むのかだけ教えてくれ、と言います。「オンデーズ」という会社全体で見れば、業界外の人間も注目する快進撃を続けているというのに、銀行の担当者たちは、自分たちが確実に理解できる国内の事情にしか目を向けようとしません。この場面は、正直、恐ろしささえ感じました。
まあ、そんなわけで、長々あれこれ書いた感想もそろそろ終わりにします。とにかく、とにかく、メチャクチャ半端なく信じられないほどにウルトラ破天荒にスーパー面白い作品なんで、是非読んでみてください!!!
田中修治「破天荒フェニックス オンデーズ再生物語」
ハイパーメチャクチャウルトラ破天荒に面白かった!!!
なんだこれ、マジで!
いや、もちろん、面白いだろうなぁ、とは思ってたんですよ。
面白そうな匂いは、プンプンしてましたからね。
でも、まさかここまでとは思わないじゃないですか!
ちょっと衝撃的な面白さでした。
久しぶりでしたよ。
「ページをめくる手が止まらない」っていう感覚は。
もう寝ようとか、もう風呂に入ろう、とか思っても、あとちょっと、あとちょっと読みたい、みたいな感じでずっと止められない。
ホントそれぐらい、最初から最後まで、途中もすべてどこもかしこも面白すぎる!
途中ちょっとダレるなぁとか、ここは微妙だなぁ、みたいな箇所がホントにない!
もう、全部面白いのだよ。
しかも驚くべきは、これが実話をベースにしてるってことですよ。
一応“小説”と銘打ってあるし、一部実際の企業名が出てくるけど、本書の中では「穂積銀行」とか、あるいはメガネショップの「ZAPP」「ジェイムズ」「眼鏡一座」みたいな、どこだかははっきり分かるけど微妙に変えた名前で登場させてるんですよね。
一応“小説”ですよー、というテイストを保っている。
でも、基本的に本書は、「オンデーズ」という会社がどのように再生を果たしたのか、その道筋をリアルに描き出したものなのだろう。
現実とどの程度違いがあるのか、それは読者には分からないけど、こうやって本として出すからには、「人間同士のやり取り」はともかくとして、「会社の動きや資金繰り」なんかは実際の通りなんだと思う。
で、それがちょっと凄まじいのだよ!
これが実際にあったことだとは、とてもじゃないけど信じがたい!
この「オンデーズ」という会社は、まさに「不死鳥(フェニックス)」のように、幾度も死線をくぐり抜けてきたわけです。
ホントに本書には、「10日後に1千万円がショートします」「月末までに3億円足りません」みたいな話が、次から次へと現れる。しかもそれらは、経営側の問題というよりは、前経営者の負の遺産だったり、あるいは銀行の不理解だったりによるものばかりだ。
そんな、地獄の淵を目隠しで歩くような経験を、彼らは何度も潜り抜けて、しかもそんなウルトラ級の資金繰りをしながら、彼らは超絶的に攻めるのだ。その攻め方がまさに「破天荒」で素敵なのだ。「オンデーズ」のモットーは、「倒れる時は前向きに」だそうだ。まさにそれを、10年間やり続けた、と言っていいのだ。
でなおかつこの本は、ちゃんと“小説”的にも面白いのだ。
正直僕は何度か、泣きそうになりました。
特に、「被災地で眼鏡を配った時のお婆ちゃん」とか、「社長、最後のタバコ」とか、「沖縄の店舗での実験的な大セール後のスタッフの言葉」とか、涙腺を刺激してきますね。
何故本書が、そんな涙腺を刺激する作品になっているのかというのは、ある一つの大きな前提があると僕は思っています。
それは、田中修治が「人」を大事にする経営者だからだ。
その話は後々触れるつもりだが、その大前提があるからこそ、一つ一つのエピソードが染みるのだ。これが、またちょっと違った、「成長!」「野心!」みたいな部分が強く出るような経営者だったら、同じエピソードが描かれていても、違う受け取り方をしたかもしれないなと思います。
とにかく本書は、「人」を大事にすることの大事さ、みたいなものを痛切に感じさせてくれる作品でもあります。
さてそんなわけで、このハイパーメチャクチャウルトラ破天荒に面白い作品の内容を紹介しようと思います。
物語は、六本木の交差点にある有名な喫茶店「アマンド」の2階の窓際席で始まる。話をしているのは、本書の著者であり、「オンデーズ」の社長(しかし、「アマンド」の2階で話している時はまだ「オンデーズ」の社長ではない)である田中修治と、「穂積銀行」に入社しながら業界に嫌気がさし、投資コンサルティングの小さなベンチャー企業に転職したばかりの奥野良孝の二人。
当時田中修治は、30歳、茶髪、破れたジーパンという出で立ちで、早稲田の住宅街の片隅で、数名の社員と小さなデザイン企画の会社を経営する若手IT社長だった。
そんな彼の元に、とあるビジネス誌の編集者が、全国に60店舗を展開する低価格メガネのチェーン店「オンデーズ」の創業者を紹介してきた。創業者の乱雑な経営が原因で破産寸前だった「オンデーズ」の身売りの話に関わることになった田中修治は、良い売却先を見つけられなかったこともあり、「だったら自分で買おうかなぁ」と奥野氏に相談していたのだ。
奥野氏の反応ははっきりしていた。
「それは絶対にやめた方がいいですよ」
「オンデーズ」は必ず倒産する、と100人が100人太鼓判を押す…そんな会社だったのだ。何せ、年間の売上が20億円しかないのに、銀行からの短期借入金が14億円あるという、まさに“異常な資金繰り”に陥っている会社だったのだ。それを奥野氏は、「2トントラックに1.4トンの砂利が載っているようなもの」と表現した。そんな会社を買っても、出来ることなんかないし、すぐに潰れる、と。
しかし田中修治には、彼なりに考えがあった。まず、「オンデーズ」の店舗を見て回ったら、活き活き働いているスタッフがたくさんいたこと。そして、他の業界にはいる「超強力なNo.1」が、メガネ業界にはまだいないこと。そしてもう一つ。
【それに俺自身も、30歳を迎えるにあたって、経営者として、この辺でひと勝負かけたいという気持ちも強くあるんだよね。でも俺みたいに、会社も小さくて資金も信用もない若い経営者が、大きなチャンスを掴む為には、皆んなが嫌がるような案件、ちょうどこのオンデーズみたいな、燃え盛る火の中に自ら進んで手を突っ込んでいくようなことでもしないと、なかなかそんなチャンスは掴めないでしょう?】
というわけで田中修治は、誰もが「絶対に倒産する」と言った「オンデーズ」を、買収することに決めた。そしてそこに、奥野氏を引きずり込んだのだ。
これが2008年のこと。そこから10年後の現在どうなっているかと言うと、著者略歴によれば、「オンデーズ」は、11ヶ国260店舗を展開し、従業員数2000名、売上高170億円に達している。
しかし、買収した時点ではもちろん、そんな予感などまるでなかった。なにせ、3月に会社を買収したその月末、あと10日を切った時点で、1千万円資金が足りない、ということになっていた。これ以降も「オンデーズ」は、常に資金ショートとのギリギリの戦いを繰り広げることになる。
何せ、銀行が金を貸してくれないのだ。
前経営者が作り出した借金に加え、粉飾まがいの会計などが行われていて、奥野氏はその膿を出し切って綺麗にした。しかし、そうしたことによって、バランスシートはまるでゾンビのようになってしまった。これはどういうことかというと、「前例主義」の銀行の担当者が「過去一度も見たことがないようなバランスシート」ということだ。後々、いつもの如く資金ショートの危機に陥り、様々なベンチャーキャピタルに打診するも、結局銀行と同じで融資してもらえない、という状況になった時、奥野氏はこんな風に叫ぶ。
【(「こんなに投資家に相手にされないオンデーズはダメな会社なのか」という社長のつぶやきに対して)そんなことないです!私は前職で沢山の再生案件を手掛けてきましたが、今のオンデーズみたいな会社は一つもありませんでした。全く利益の出てない完全にマイナスの状態から、一円も融資を受けず、返済は続け、さらに4年半で店舗数も倍にして利益も出して、こんな再生案件見たことがない。もし私が担当者なら絶対に『積極投資可』の判断を出しています!専門家が言うんだから間違いないですよ!】
もうとにかく、銀行がまったく金を貸さない!帳簿だけを見て、帳簿の数字が悪い(まあ、ゾンビですからね)というだけの理由で、「はい、融資しませんよ~」という判断を下す。その帳簿のゾンビ的な部分は、すべて前経営者によるものであり、田中修治ら現経営者はまったく絡んでいない。そして田中修治は、様々な改革とチャレンジを繰り返し、確かに帳簿上はゾンビだけど、実際には高収益を叩き出す超優良企業を作り上げたのだ。しかし、それがまったく評価されない。そのことによって、彼らは本当にずっと苦労させられることになる。
そんなわけで彼らは、大量の借金があり、でも借り入れはできず、返済はしなければならない、という超絶不利な条件の中で、しかし数々のチャレンジを繰り返していく。その詳細についてここで触れるわけにはいかないけど、本当に、いつもギリギリのところで様々な出会いがあり、その出会いに導かれるようにして新しいチャレンジを続け、綱渡りのような日々を送ってきたのだ。
そんな彼らの、7年間に及ぶ奮闘を“小説”に仕立てたのが本書です。
どれだけ面白かったかは、冒頭で散々書いたので、違うことを書きましょう。
まず僕が書きたいのは、「人」の大切さです。田中修治は、徹頭徹尾これを貫きました。
買収した直後にやったことは、「オンデーズの全店舗を周り、従業員と酒を飲む」でした。彼は酒が強くないようですが、酒を飲んで不満を吐き出させることが大事だ、と考えていました。また、全国の店舗を回る社長を、「遊び人社長が会社の金で豪遊している」と揶揄されていたそうですが、実際には強行軍に次ぐ強行軍でヘトヘトになっていました。
ここで、田中修治が会社を買収した時の、従業員の気持ちがよく分かるセリフがあるので引用してみます。これは、僕が泣きそうになったと冒頭で書いた、「沖縄の店舗での実験的な大セール後のスタッフの言葉」でもあります。
【社長が最初、オンデーズにやってきた時、正直、私たちみんな終わったって思ったんですよ。ああ、もうウチの会社はダメなんだなぁって。他の仕事探さなきゃなぁって…それが1年ちょっとで、こんなにお客さんが来てくれるようになるなんて。今メチャクチャしんどいですけど、まさかこんな、しんどくなれる程、お客様が来てくれるようになるとは、思いもしませんでした。ほんと、なんか今日は営業中、接客しながら何度も泣きそうになりましたよ】
田中修治がいかに期待されていなかったかがよく分かる言葉だろう。
しかし一方の田中修治は、スタッフたちに賭けていた。彼はメガネの素人だから、「オンデーズ」を再生させるためには彼らに頑張ってもらう以外にはない。買収当初は、様々な衝突や軋轢がありながらも、彼は自分の思いやプランなどを正直に語り、また様々な面で「従業員を大切にしている」ということが伝わるようにして様々な決断をしてきた。
特に、給料に関しては徹底的に守り抜いた。
【コストカットの大前提に、従業員の解雇や賃金カットを置いたら絶対にダメだ。そんなことをしたら、立ち直れるものも立ち直れなくなる】
【(東日本大震災後の危機的状況において)とにかく取引先への支払いは、できる限り、一円でも多く待ってもらうようにお願いしよう。そしてまずは従業員の給与が最低3ヶ月は遅延なく支払える状態を確保する。オンデーズがこの危機を乗り越える為には、社員皆んなの力に頼るしかないし、こういう社会が不安定な状態でも、きちんと給与が支払われる状態を維持し続けることは、俺たち経営陣の一番大きな責任だから】
彼は、これまで幹部たちが売上の底上げのために従業員に自腹で商品を買わせていたのも止めさせ、店舗スタッフにはオンデーズ以外のメガネを掛けることも許容した。これが、ある場面でまた“小説”的な良い展開を見せることになるのだけど、とにかくそんな風にして彼は、従業員を徹底的に大事にした。
また、こんなこともあった。広告宣伝部長だった高橋が、社長のところに直訴にやってきたことがあった。
【いいですか、今の商品部は全然なってないですよ。あんなんじゃ全然ダメだ。売れ筋商品の在庫予測も発注数字の管理もまるでできてやしない。私はもともと商品がやりたくてこの会社に入って来たんですよ。社長、私に商品部を任せてくださいよ!私は前職がバイヤーだったんで中国で生産するノウハウもある。業者さんとの交渉だって生ぬるい。もっとやりあえるはずですよ!】
さて、これに対して田中修治はどう返したか。
【いいよ。じゃあ今から高橋さんが商品部の部長ね。早速、仕事にとりかかって下さい。
(あの、いや、なんか幹部会にかけてからとか、人事発令とか、そういうのはいいんですか?)
何で?社長の俺が、今ここで良いって言ってるんだから、良いんですよ。そんな悠長なこと言ってる時間なんてないんですから、もう今この場で部長に任命しますよ。すぐに商品部部長の名刺を作って好きに動いてください】
こういうところに、彼の凄さがある。彼はもちろん、自分が思いついたアイデアを無理やり実現させることもするし、大勢が反対する重大な決断をすることもあるのだけど、基本的には人に全部任せてしまう。そして口を出さない。なにしろ彼は、自分が「メガネの素人」であり、「販売や流通や生産の素人」であることを理解しているからだ。会計に関しても奥野氏に一任していて、そんな奥野氏に田中修治はこんな風に言う場面ばある。
【人に下駄を預けた以上は、滑ろうが跳ねようが文句は言わないよ】
はっきり言って、奥野氏がちょっと判断ミスしただけで、すぐに「オンデーズ」は倒産してもおかしくないような状況が頻発していた。田中修治は、そうしなくても良かったはずの、個人での保証を入れる(正確な表現ではないかもですが)こともしていて、だから「オンデーズ」が倒産したら莫大な借金を負うことになる。色々あって、母親が相続した財産を売却して生み出した数億円は既に使ってしまっていて、後がない。そんな状況になれば、知識がないなりに自分の判断を押しつけてしまいそうになる場面もありそうだが、田中修治は全面的に任せるのだ。
こんな風に、やる気のある人間により上手く働いてもらうというようなやり方がうまい人であるように感じた。
まあとはいえ、田中修治の同志的な存在である奥野氏は、可哀想なくらい常に追い詰められています。節々での奥野氏の発言を抜き出してみると、
【さすがにきついですね…毎日会社の帰りにホームに立つと電車に飛び込みたくなる…】
【まあ資金繰りで苦労するのが私の仕事です。金の苦労が要らない会社なら、自分なんて必要ないでしょう。たくさん仕事を作ってもらってありがたいくらいですよ、ハハハ】
【しかし、辛いですね…。資金繰りは本当に辛い…。毎日、胃の中に砂袋を詰められてるような感じですよ】
奥野氏は、こういう状態がずーっと何年も続いているのだ。凄まじい。でも、決して公開はしていないようだ。
【私は昔から苦労をするのが、嫌いじゃない性格なんですよ。それに時々失敗する人間の方が私は好きです。何でもソツなくこなして抜け目なく世渡りしている人間は、どうしてもイマイチ好きになれない。少しおっちょこちょいで、何を始めるのか予測不能。破天荒なくらいの方が人間らしくていいじゃないですか。味がある。だから私は社長を嫌いになれない】
散々な言われようですけど、僕もこの感覚は分かる気がします。
また、田中修治が意識しているもう一つのことが、「商売としての健全さ」を求めるということです。
詳しいことは書きませんが、以前のメガネ業界では、後出しジャンケンのような売り方がまかり通っていました。というか、それで利益を確保しているみたいなところがあったのです。けれど、これも色々あって、最終的に「オンデーズ」はそれを止めることにしました。とにかく色んな場面で、「お客さん目線で考えた時に“真っ当な商売”をしよう」という方向に進もうとします。
そのきっかけの一つとなった出来事があります。東日本大震災の避難所でメガネを無料配布した時の経験です。具体的には書きませんが、そこで出会ったあるお婆ちゃんとのやり取りから、田中修治はこう感じるようになります。
【しかし、この避難所でのボランティア活動を通じて、メガネ屋にとっては、専門家としての技術や知識を用いて、人々の視界を快適にしてあげることが何よりも一番重要なのだと、この時はっきりと気づかされたのだった。
まさに頭に雷が落ちた。そんな表現がピッタリくるほどの衝撃だった。
オンデーズがお客様に本当に売らなければいけないのは、安いメガネでもお洒落なメガネでもなく「メガネをかけて見えるようになったスアらしい世界」だったのだ。】
こんな風に、この「オンデーズ」の再生物語は、徹頭徹尾“小説”的なのだ。正直なところ、どこまでが正確に事実で、どこまでがフィクション混じりなのか、気になって仕方がない。とはいえ、少なくともこの東日本大震災の話や、あるいは「社長、最後の煙草」のエピソードなどは、災害や死が関わっている以上、フィクションということはないように感じる。
しかし、多少のフィクションが混じっているとしても、「オンデーズ」の再生がこれほどまでに“小説”的であることは、田中修治が「人」を大事にした結果だろうと思う。従業員やお客さんや取引先など、あらゆる「人」を大事にすることで、田中修治は、結果的に「運」としか呼びようがない様々な綱渡りをどうにか乗り越えることができてきたのだと思う。「人」を大事にしさえすれば常にこんな風にうまく行くなんてことはありえないだろうけど、こんな生き残り方もあるんだ、と知っておくことは大事だろうと思う。
最後に、全編を通じて感じていたことは、日本の銀行の稚拙さだろう。以前、ちきりんの本の中に、「日本の銀行員とファミレスのアルバイトだったら、世界的なマーケットで見たらファミレスのアルバイトの方が価値が高い」と書かれているのを読んだことがある。日本のファミレスやコンビニなどの接客レベルは、外国と比べると圧倒的に高く、日本でファミレスのアルバイトが務まるなら、欧米のカジュアルレストランでフロアマネージャーが務まるという。一方、日本の銀行は、グローバルの世界ではまったく評価されていないから、世界のマーケットで見ればファミレスのアルバイトより劣る、ということだった。
本書を読むと、それも納得だなぁ、と感じてしまう。
もちろん、「オンデーズ」の再生が過去類のない異常なものだったのは事実だろうし、帳簿がゾンビ的で判断が難しかったのもその通りだろう。しかし本書を読む限り、銀行の担当者たちは、「理解しようとする意志」をまったく見せなかったし、そのことが本当に稚拙だなと思う。
理解しようとして結果理解できなかったのなら仕方ない部分もあるだろうが、本書で描かれる銀行マンたちはそんなレベルではない。例えば、シンガポールへの海外進出を果たし、シンガポールでのキャッシュフローも含めれば会社全体で相当健全化されている状態にも関わらず、ある銀行の担当者は、「シンガポールの話は聞きたくない」と一切拒否します。どうせシンガポールでのキャッシュフローなんて理解できないんだから、それより国内事業で債権整理が進むのかだけ教えてくれ、と言います。「オンデーズ」という会社全体で見れば、業界外の人間も注目する快進撃を続けているというのに、銀行の担当者たちは、自分たちが確実に理解できる国内の事情にしか目を向けようとしません。この場面は、正直、恐ろしささえ感じました。
まあ、そんなわけで、長々あれこれ書いた感想もそろそろ終わりにします。とにかく、とにかく、メチャクチャ半端なく信じられないほどにウルトラ破天荒にスーパー面白い作品なんで、是非読んでみてください!!!
田中修治「破天荒フェニックス オンデーズ再生物語」
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Comment
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そうそう、最近は本を読み始めたんだけど、お勧めのノンフィクション教えてくれ!あと漫画だと、ペリリューとかおもろいぞ。
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確証はないけど、大体誰なのかは分かるな(笑)。おう、もう少ししたらメシも行けるようになるよ!
マンガも読みたいけどねぇ。読んでない本が数百冊あるから、なかなか時間が取れん(笑)
ざざっと(大量に)オススメのノンフィクションを挙げてみるか(著者名とか評判とかは自分で調べてくれ)
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小説 巨大自動車企業トヨトミ
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そうそう、ワイや。当たり。
殺人もの好きなんだよな。
警察庁長官のは気になってたから読んでみるか。
殺人もの好きなんだよな。
警察庁長官のは気になってたから読んでみるか。
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そうなんだよなー無茶苦茶おもろかったよなー。
俺も久しぶりに読む手が止まらない感覚だった。
こういう仕事を人生を通じてやりたいんだよなーって。
特に感動した点とかは、YOUと同じだから割愛だけど。
沢山の人に勧めたわ、この本。
久しぶりにメシでも食おうぜ!