黒夜行

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「食べる女」を観に行ってきました

内容に入ろうと思います。
この映画は、微妙に日常が交錯するたくさんの女性たちの、「食べること」を通じた生活を描き出す物語です。
メインの舞台となるのは、古本屋「モチの家」を営みながら小説家として生計を立てる敦子。幼馴染で、ごはん屋「道草」の女将である美冬と共に料理好きで、女友達を呼んでは料理を振る舞っている。よくいるのは、敦子の担当編集者である圭子と、制作会社でアシスタントプロデューサーをする実子。
実子は、行きつけの「BAR ロマ」で、仲の良い女店主と話しながら飲んでいる。そこに、飲んだくれて突っ伏している女性が。古着屋で働いているあかりだ。あかりは、ひき肉料理が好きで付き合う男によく振る舞うが、ステーキを出さなかったから振られたんだ、と嘆いている。安くて早くて美味い、というひき肉のように、あかり自身もすぐに男とカラダの関係になってしまう。
編集者の圭子は、もう4年も彼氏がいない。どんな風に恋愛をスタートさせてきたのか、もう思い出せもしない。そんなある日、ちょっとしたトラブルから顔見知りになった男性と、道でばったり再会した。タナベと名乗る男は、良いタチウオが手に入ったんで、お詫びに料理を作りますよと言って圭子を誘う。なんだかんだ圭子は、購入したマンションにタナベを入れてしまう。
「道草」の女将である美冬は、店の前で泣きながら歩いている外国人女性を見かけ、料理を振る舞った。マチルダという名のその女性は、レンジでチンする料理ばかり旦那に出し続けたせいで旦那が出ていってしまったと話す。美冬は、ご飯を美味しそうに食べるマチルダを放っておけず、「モチの家」の敦子のところへ行き、空いている部屋に住まわせてくれと頼み込む。
そんな「モチの家」に、時々やってくるようになった二人の女の子がいる。一方は、母親が自由人で世界中を旅して回っていて、家には本当の父親ではない男性がいて、女の子が料理をしている。仲は良いが、変な関係だ。もう一方の女の子は、両親が離婚している。その母親であるツヤコは、耳のパーツモデルをしていて、ある日、既に別の家庭を作っている離婚した元旦那を誘ってピクニックに行こうとする…。
というような話です。

特別これと言った盛り上がりがある映画ではありませんが、全体的には面白く観れる映画でした。

映画の中で敦子が、「美味しいものを食べることと満たされたセックスをすることが、不幸せや暴力から一番遠ざかる方法だ」というようなことを言う場面があります。この物語の中では、「食べること」というのはそういう、生きることに直結することであるという風に描かれていきます。

そういう大前提を背景にして、女性たちの恋を中心とした日常が描かれていきます。それぞれがまったく違う価値観、違う恋愛観、違う感覚を持って生きていて、でもそういう女性たちが「食べること」で繋がって、色んな価値観が一つの場所でぐちゃっと混じり合っていく感じがなかなか良かったと思います。

あと個人的に好きなのは、「男女の関係ってそりゃあ色んな形があるよねー」というのを色々見せてくれるところ。生きているとなんとなく、「男と女の関係って、こういうのが普通だし、当たり前だし、普通で当たり前ってことはこれが常識だよねー」みたいな謎の圧力を感じることがあって、僕はそういうのに全力で抵抗しているんだけど、この映画は、色々あるし、別にどれが正解ってこともどれが不正解ってこともないんでないの?というのをゆるーく伝えてくれる感じで、その雰囲気が良かったなと思います。

個人的には、敦子の、人間を人間として受け入れていく感じが好きだなぁ。敦子だけは、「恋愛」的な感じで物語に組み込まれていな。別に恋愛を諦めているとか、嫌っているとか、あるいは熱望しているけど出来なくて辛いとか、全然そういう感じでもなくて、あればあるでいいし、ないならないでいいみたいな、凄くフラットな感じがいいと思う。関わる人間に執着しすぎず、かと言って突き放し過ぎもせず、ちょうどいい距離感で関わっていくというのは僕の理想で、僕は「男版・敦子」みたいな感じで生きていきたいんだよなぁ、と思ったりしました。

「食べる女」を観に行ってきました
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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
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新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
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10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)