ミステリなふたり ア・ラ・カルト(太田忠司)
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内容に入ろうと思います。
まずは全体的な設定から。
愛知県警捜査一課の京堂景子警部補は、愛知県警にその名を轟かす有名な刑事だ。「鉄の女」「氷の女王」などの異名を持ち、本部長でさえひれ伏すと言われている。冷たい視線と声色で男社会である警察の中で指揮を取り、抜群の検挙率を誇るスーパーウーマンだ。
しかし、そんな景子も、家に帰るとまったく別の顔を見せる。イラストレーターであり主夫である新太郎は、家事をすべてこなし、帰りが不規則な景子のためにいつも食事を用意する言うことなしの夫だ。そんな新太郎の前では景子はふにゃふにゃになってしまう。美味しい料理を食べた後は、景子は手がけている事件のことを新太郎に話す。新太郎は話を聞くだけで事件を解決してしまうのだ。
9編の短編が収録された連作短編集だ。
「密室殺人プロヴァンス風」
密室となった一軒家で夫の死体を発見した妻。その家にはなんと、外から鍵がかけられたクローゼットの中に、全裸の女もいた。殺したのは一体誰なのか?
「シェフの気まぐれ殺人」
女性ばかりが狙われる連続殺人事件の最中、ある男の死体が発見される。男のデジカメの中には、連続殺人事件の被害者の写真があり…。
「連続殺人の童謡仕立て」
かつて名古屋ローカルで放送されていた子供番組に出演していた、当時小学生だった女の子2人が、その当時彼女たちが歌っていた歌になぞらえるようにして殺されていた。3人目も狙われるのか…。
「偽装殺人 針と糸のトリックを添えて」
離婚式の最中、密室の中で離婚する夫が殺された。しかしその部屋は、まさにその殺された当人が密室トリックを実演していた場所だった…
「眠れる殺人 少し辛い人生のソースと共に」
人を殺した、と言って自首してきた女性は、それだけ言うと沈黙してしまう。被害者は、10年前に事故で亡くなったとされている兄は実は殺されたのだ、と何度も警察に陳情にきており…
「不完全なバラバラ殺人にバニラの香りをまとわせて」
廃病院に肝試しに来ていたグループが、片腕のない女性の死体を発見する。殺害現場には何故かバニラの香りが漂っており…
「ふたつの思惑をメランジェした誘拐殺人」
誘拐されていた父親が殺された。警察に通報せずに内々で済ませようとしたのが仇になったのか。しかしどうにも状況がちぐはぐで…
「殺意の古漬け 夫婦の機微を添えて」
夫が死んだ、と連絡してきた老女は、長い沈黙を破って、自分が殺したと自供した。しかしどうも証言に信憑性がない。老夫婦の悪さばかりしていた息子が5年前くらいに失踪しているという話もあり…
「男と女のキャラメリゼ」
京堂警部補に憧れを持つ瞳は、休日、偶然カフェで京堂警部補を目撃する。もの凄いイケメンと一緒にいるが、彼女がトイレに行った時、瞳は偶然ある光景を目にしてしまい…
というような話です。
設定もトリック自体もなかなかライトな感じで、読みやすいと思います。するするっと読めるんじゃないかと思います。景子のギャップもなかなか面白いし、新太郎が作る料理も美味そうだな、と。手軽に読む本としてはいいんじゃないかと思います。
太田忠司「ミステリなふたり ア・ラ・カルト」
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