黒夜行

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「シン・ゴジラ」を観に行ってきました

メチャクチャ面白い映画だった。

僕はたぶん、「ゴジラ」というものを映像で観たことがないと思う。映画の予告編や、クイズ番組などで取り上げられる際に動いてる姿を見ることはあっただろうが、映画本編を観たことはたぶんない。特撮モノと呼ばれるジャンルにも特に造詣は深くなくて、というか全然知らない。

そんな僕でも、この「シン・ゴジラ」は物凄く面白かった。
たぶんそれは、この映画が、「ゴジラ」の存在以外を、徹底的にリアルに描いたからではないかと思う。


東京湾のアクアトンネルの浸水が官邸に報告される。原因は不明だが、恐らく海底火山の噴火か新たな熱噴射口の発生だろうと思われた。内閣官房副長官である矢口は、既存の原因では説明できないこの現象を、「謎の巨大生物の可能性がある」と何度か進言するが、東京都民の避難という現実的な対策を考えなければならない政府は、彼の主張を一顧だにせず退けた。
しかしやがてそれは姿を現す。
巨大な尻尾が現れ、矢口の主張する「謎の巨大生物の可能性」が現実のものとなった。しかし、あまりにも情報が少ない。これまでの生物学の常識では、「これだけ巨大な海棲生物が上陸したら、自重による潰れて死んでしまうから、上陸はありえない」はずであり、総理もそう記者会見を開くが、しかしその直後、謎の巨大生物はあっさりと首都・東京への上陸を果たし、街をなぎ倒しながら各地で大混乱を引き起こしていく。
政府は為す術もなかった。
政府は、戦後初となる「武力行使命令」を発動。国会での承認を事後に回し、自衛隊の防衛出動により事態の収束を図るが、まともな作戦を展開できないまま撤退。その後謎の巨大生物は海へと帰り、混乱は一時収まった。2時間で、東京の街は壊滅的な被害を受けた。さらに、あの謎の生物がいつまた姿を現すか分からない。政府が対策を迫られている状況は変わらない。
政府は、特別法の立法や関係各所との調整など、巨大生物との対応に必要な各種手続きを進める一方で、矢口を中心とした特別チームも編成された。各部署のはみ出し者や異端の専門家らで構成されたこのチームは、縦割りの指揮系統を一切排除し、立場などを一切無視してあらゆる可能性を検討するように要請される。しかし、映像から分かることはごく僅かで、対策チームは困難な任務を強いられることになる。
やがてアメリカから、巨大生物の出現を予測していた生物学者がいたという情報がもたらされる。ゴロウ・マキ。彼は遺書とも思える文章を遺して姿を消していたが、彼の研究成果を援用する形で彼らは、「凍結プラン」という作戦を考えだす。
そして、ゴロウ・マキのネーミングに倣い、あの巨大生物は「GODZILLA」、日本名では「ゴジラ」と命名されることになる…。
というような話です。

ゴジラという、現実にはありえない生命体を登場させるという意味では、物語は完全にSFの領分なのだけど、しかしゴジラの存在以外は圧倒的なリアリティに溢れている。
この映画は、官僚側から描かれているという点で、その圧倒的なリアリティを描き出している。

映画は基本的に、「政府はゴジラにどのように対処するか」を徹底的にリアルに描き出していく物語だ。もちろん僕には、政治の力学や霞が関での物事の進み方などは知らないわけだけど、「もしゴジラが現れたら、政府はこんなやり取りの末にこんな対応をするんだろうな」ということが想像できるような展開です。

形式的な会議を積み重ねないと記者会見さえ開けない状況、責任の押し付け合いや縄張り争いなどによってなかなか進まない新法の制定、自衛隊の防衛出動に関する規定の解釈の議論、総理大臣から自衛隊の末端にまで指示が届くまでの指揮系統の遠さなど、政府の動きは何かと鈍重になる。まさに「お役所仕事」と評したくなるような動きの遅さを見せることがあり、登場人物の一人も『こんなことやってる場合じゃないだろ』と呟く場面がある。

しかしその一方で、この鈍重さが必要とされることもあるのだろう、とも感じた。映画の中で描かれる鈍重さは、まさに日本が民主主義であるということを示している。確かに、様々な命令や情報の伝達が一気に進む方が物事は動きやすいのだろうけど、しかしそれはただの独裁国家だろう。国民の権利を尊重しつつ、国という大きなものを動かしていくには、その図体のでかさに見合った鈍重さは受け入れるしかないのだろうと思う。

またこの映画では、官僚と呼ばれる人たちの圧倒的な仕事量も描かれていくのだけど、彼らが最高の処理能力を発揮できるためにも、時間は掛かっても明確なルールを最初にバーンと打ち出す方がいいのだろうとも感じた。官僚が各々の判断で勝手に動くのではなく、明確なルールや基準の元で動く方が、恐らくパフォーマンスが良い。立法や法律の解釈など、本当に「そんなことやってる場合じゃないだろ」というような動きも、それらのお陰で後々官僚が動きやすくなる、ということであれば良い結果を生むのだろうと思う。もちろん無駄も多いのだろうが、官僚の処理能力を最大限に引き出さなければ、ゴジラという困難なミッションには立ち向かえないのだとすれば、各種手続きはあった方がいいのだろうと感じた。

フィクションなので、実際の官僚たちの動きなどは知らないわけだけど、恐らく現実にも、彼ら官僚はこんな感じで動いているのだろう。矢口はある場面で、『この国はまだまだやれる』と言っていたが、確かにこの底力には力強いものを感じたし、危機が起こった際、不手際ばかりが強調されがちな国の対応にあって、こういう人たちの圧倒的な働きが陰にあるのだろうと強く実感させられた。同じように自衛隊の動きも見事で、ある場面で『礼は要りません。仕事ですから』と言い切るその自信や意識はさすがだと感じさせる。

そして、それら官僚と対称的な形でゴジラに対処していくのが、矢口率いる特別対策チームだ。先程も触れたがこのチームは、はみ出し者や厄介者ばかりで構成されていて、彼らがゴジラに対処するための現実的なプランをひねり出すことになる。

ごく僅かなヒントから、あらゆる可能性を検討しながらゴジラの性質を解き明かそうとする彼らの奮闘は、官僚の闘いとはまた違った意味で重要だし面白い。自衛隊の力を総動員した作戦がすべて失敗に終わり、彼らは、ほぼ唯一とも思える対処法へと向けて奮闘していく。

さらに大きな状況の変化が日本を覆い、彼らはタイムリミットに追いまくられながらも、日本の未来のために僅かな可能性に賭ける。持てる力のすべてを振り絞りながら目の前の状況に対処し、笑っちゃうほど壮大で無茶苦茶な作戦の遂行のために、あらゆる可能性を検討していく。官僚の、大きな流れの中でそれらを現実に落とし込んでいく処理能力と、対策チームの糸を針に通すような無謀な作戦の準備が同時並行で描かれていき、お互いがそれぞれ日本の未来を考えながら、目の前にある今出来ることに奮闘していく姿が非常に印象的な物語だ。

他のゴジラ映画や特撮モノを観たことがない僕としては比較することは難しいのだけど、ここまで徹底的にリアルにこだわった作品も珍しいのではないかと思う。「もしゴジラが現れたら」というifを、日本政府の動きや国際情勢までも加味しながら、あらゆる細部をリアルに見せていくのがこの映画の凄さだなと思いました。

そういう物語の中に組み込まれた「ゴジラ」という存在は、本当に徹底的に「謎めいた不気味なもの」という風に描かれていきます。その正体がほとんど不明である状況から、なんとか対策を捻り出し作成を遂行するラストに至るまで、「ゴジラ」という存在は謎のままです。もちろん、どんな風に生まれたのか、何故そんな仕組みを持っているのかなど、断片的な情報には触れられるのだけど、「何故ゴジラが東京にやってきたのか」など、その存在理由に関わる部分はほとんど描かれません。映画の尺の問題ももちろんあるだろうけど、それ以上に、「ゴジラ」というものをある種の自然災害、つまり地震や台風などのものと同列に扱っているのだろうと感じました。同じ生命であり、何らかの意志を持つ存在としてではなく、「ゴジラ」という名の自然災害であるように。それは、ほとんど対処法など存在しないような無敵の存在への畏怖かもしれないし、単なる思考停止であるのかもしれないけど、そういう描かれ方をしていることが、「ゴジラ」という謎めいた巨大生物の存在を受け入れざるを得ない人類の心境を表しているようでもあり、興味深いと感じました。

役者の早口や、圧倒的なテンポなどに引きずられて、大げさではなく一瞬足りとも気が抜けないような映画で、エンドロールを観ながらあくびをして、そういえば映画観る前ちょっと眠かったな、と思い出したぐらいです。眠気も忘れるぐらい惹き込まれていました。ゴジラや特撮に関心のない人にもオススメできる作品です。

「シン・ゴジラ」を観に行ってきました
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[7736]

皆が「面白い!」というので、私も見に行ってきました。
とてもリアルで怖かった!映画、見てる最中、「もしゴジラが襲ってきたら、どこへ逃げるか、何もって逃げるか」なんてことばかり考えてました。
東京が破壊されたら、商品が入らなくなってどうしようとか。
今までこういう作品って、「どうせ作り話でしょう」ってお約束で安心して見てたんだけど、今回はたとえゴジラがでなくても、何かあったらどうなるんだろう、って凄く怖かった。でも面白かったです。

この勢いで、「君の名は。」を見にいきたいんだけど。
知り合いの40代女子が、「見に行く前は、泣けなかったらどうしよう、と不安だたんだけど、泣けたから、あ、私、まだ大丈夫だと思った」と言ってたけど、その気持ちがよくわかるな。(ちなみに「キミスイ」は、私は全然響かなかった)
響かないのは、年齢のせいか好みのせいか、はい、、行ってみようかな。

[7740]

ホントに、リアルな映画でしたよね。
「ゴジラの存在」以外の、作中に登場するすべてにリアリティがあったので、
それ故にゴジラそのものもリアルに、そして恐ろしく見えたんだろうなと思います。
しかし、「商品が入らなくてどうしよう」は、さすがに考えませんよ(笑)
ワーカホリックですよ!!

「君の名は。」は、別に泣けたわけじゃないけど、メチャクチャ良かったなぁ。
しかしとにかく、映画館、超混んでました。
僕は公開二日目に行ったんですけど(ってかホントは初日に行ったんですけど、混み過ぎで観れませんでした)、超満員でした。
今も混み混みみたいです。
是非観てみてください~

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