プレゼント(若竹七海)
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内容に入ろうと思います。
本書は、8編の短編が収録された連作短編集です。連作、と言っても、短編毎に交互に主人公が変わります。一方が、様々な職を転々とするトラブルメイカーのフリーター・葉村晶。そしてもう一人が、娘から借りた子供用のピンクの自転車で現場に駆けつける小林警部補。彼らが事件に巻き込まれていく。
「海の底」
特殊掃除婦として、ホテルの部屋の血痕を消すよう依頼された葉村。その部屋に缶詰になっていた、最近話題になった覆面作家・赤月武市が失踪している。大男だったというその赤月が、どうやってホテルから消え失せたのか、誰も分からない。
「冬物語」
周囲に野生動物以外の姿が見えない山奥の家に、かつての親友・吉本惇を呼んだ男。彼は吉本を風呂場で溺死させ、死体を棄てた。しばらくして、小林警部補が捜査にやってくる。
「ロバの穴」
誰かの愚痴ばかり延々と聞き続ける、ちょっと特殊なコールセンターで働き始めた葉村。噂によると、ここで働いていた何人かが自殺しているようだ。
「殺人工作」
三杉若葉は、浴槽にある塩川春美の死体を必死で運び、片倉忠と心中したように見せかけた。捜査にやってきたのは、小林警部補。
「あんたのせいよ」
学生時代に友人だった南佳代子から、助けてくれと電話を受けた葉村。しかし葉村はその求めを無視する。翌日、殺人事件の捜査で刑事がやってきた。
「プレゼント」
佐伯里梨が死んだ一年前、彼女と何らかの形で関係があった者が集められた。そして、里梨の死の真相をもう一度推理しようという話になるのだが…。
「再生」
缶詰にされた作家は、編集者の目を盗んで部屋を抜け出すために、窓の外にビデオカメラを仕掛けておいた。後で見て部屋に居続けたことを証明するためだ。しかしそのビデオカメラに、殺人事件と関わりがありそうな映像が映っていて…。
「トラブルメイカー」
死体発見の報を受けて駆けつけた小林警部補は、その人物が生きていることを知る。そして、ポケットに入っていたクレジットカードから、その人物が、葉村晶という女性であることも知る…。
というような話です。
全体的にどの話も、短編の割に頂上人物が多めで、ストーリーもちょっと込み入っているかな、という感じがしました。刑事が謎を解くパートだけではなく、フリーターでアングラな仕事ばっかり転々としている葉村のパートが交互に登場するのはなかなか面白いかなと思いました。
若竹七海「プレゼント」
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