黒夜行

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乃木坂46の齋藤飛鳥が好きな理由

僕は、それまでアイドルにはまるで興味がなかったのに、去年2015年に、突然乃木坂46のファンになりました。「悲しみの忘れ方」という、乃木坂46を描いたドキュメンタリー映画を観に行ったことで、乃木坂46に興味を持つようになりました。

最初は、乃木坂46というグループ全体を好きになりました(これを”箱推し”と呼ぶというのも、最近知りました)。特に誰がというわけではなく、乃木坂46というグループ全体が醸し出す雰囲気みたいなものに惹かれたのです。

でもある時から、乃木坂46の中でも、齋藤飛鳥というメンバーが好きになりました。僕は、齋藤飛鳥のことが好きになった瞬間のことを覚えています。

「乃木坂46×プレイボーイ2015」という雑誌を買って読んだ時のことです。中に齋藤飛鳥のグラビアページもありますが、グラビアそのもので好きになったわけではありません。齋藤飛鳥の見た目だけに惹かれたとすれば、もっと早い段階で好きになっていたでしょう。

そのグラビアの最後のページにちょっとしたインタビューが載っていて、その文章に惹かれました。全文引用は本当はアウトなのかもですが、書いてみます。

『悩み事があると無心でお皿を洗います

―今回の撮影は「あしゅの部屋」というテーマだったのですが、部屋ではいつもどんなふうに過ごしているんですか?
「私、人と話すことがあんまり好きじゃないので…(笑)。基本黙ってイヤホンで音楽を聞きながら読書をしています」
―どんな本を読むんですか?
「最近読みはじめたのは遠藤周作さんの「沈黙」ですね。「小説 ドロドロ 人が死ぬ」って入力して小説を検索していただ、出てきて」
―…じゃあ、ほとんど一日中、部屋にこもりっきり?
「あとはキッチンでお皿洗いをしてますね。考え事をしたいときにします。洗えるものがなかったら、わざわざキレイなお皿を出して洗うんです(笑)。ブログのタイトルはだいたいそうやって生まれています」
―あの長文タイトルにはそんな背景が…!そして、次のシングルでは、初めての”十福神”入りです!
「そうなんです。これまで応援してきてくださった方に、少し恩返しができたかなと思っています。すごく不安なんですけど、期待していただいているということだと思うので、お姉さんたちからいろいろ九州市欧って思ってるので見ていてください」』

この文章を読んだ瞬間、齋藤飛鳥のことが好きになりました。

僕は元々、言葉に惹かれる傾向があります。もちろん、人の見た目がまったく影響しないなんて言うつもりはまったくありません。キレイな人とかカワイイ人は気になります。ただ、それだけだと、その人に対する興味は長続きしません。自分の気持ちが、グッと力強く掴まれることもありません。

どこで書かれていたことか忘れてしまったのだけど、以前齋藤飛鳥がこんな発言をしていたことがありました。

『容姿はその内変わってしまうから、中身を好きと言ってくれる方が嬉しい』

もちろんこれは、齋藤飛鳥ほどの容姿を持つ人間だからこそ、余裕を持って言うことが出来る、という見方も出来るでしょう。齋藤飛鳥が実際にどういう意図でそういう発言をしたのか、それはまあ分からないのだけど、発言内容は凄く理解できると思いました。

僕は勝手に、齋藤飛鳥は、その内側に言葉が溢れている人間だ、と捉えている。何故「勝手に」とつけるかと言えば、齋藤飛鳥の言葉に僕がそこまで触れた経験がないからだ。公式ブログは、遡れるだけすべての記事を読んでみたけど、写真が多く、また内面をそこまで書いている記事は多くない。齋藤飛鳥は、2015年に大きく飛躍したそうで、だからファッション雑誌のモデルを除けば、乃木坂46のメンバーとして雑誌で取り上げられることはまだそう多くはない。乃木坂46には、月額いくらでメンバーから直接メールが届くみたいなサービスをやってるらしく、そこで齋藤飛鳥は色々言葉を尽くしているようだけど、僕はそのサービスを申し込んでいない。そんなわけで、僕自身は実際に、齋藤飛鳥の言葉に多く触れた経験がない。

しかし、僕は勝手に、齋藤飛鳥は言葉に溢れた存在だと考えている。それには理由が二つある。

一つは、本を読んでいるという事実だ。単純な捉え方だが、本を読んでいる人間は、言葉のインプットが多い。しかも齋藤飛鳥は、遠藤周作や安部公房など、その年代の少女がまず手を出さないだろうタイプの小説を読んでいる。同世代の少女との比較だけではなく、もっと上の世代の人と比べても、内側に溜め込んだ言葉は圧倒的に多いだろうと思う。

もう一つは、ネガティブで周囲と馴染めないその性格にある。
齋藤飛鳥は「本讀乙女」の記事の中で、「小学3年生の頃に性格が急に暗くなった」という趣旨の発言をしている。先ほどのプレイボーイのインタビューでも、「人と話すことがあんまり好きじゃない」と発言している。実際に齋藤飛鳥の日常に何があったのかは不明だが、齋藤飛鳥は恐らく、周囲の人間と分かち合えない、共感できないような価値観を持って生きている人ではないかと思う。齋藤飛鳥の断片的な発言に触れると、僕はそれを強く感じる。
そして、周囲と共感できない価値観を持って生きるためには、言葉での理論武装が不可欠だと僕は感じるのだ。

僕はこれまで、ごく僅かだが、そういう周囲と価値観が合わずに生きづらさを感じている人と関わっていた。僕は本当に、そういう周囲と馴染めないような人に惹かれてしまう。僕自身にもそういう傾向があるからだろうと思う。
そしてそういう人と話すと、自分自身を他者に説明するための言葉に溢れていることを知ることが出来る。僕自身もそうだが、周りと合わない理由について考え、自分自身の輪郭を言葉で固めて、そんな風にして自分の生き方を言葉で捉えていくという作業をしないとなかなかしんどいのだ。周りと価値観が合えば、言葉を尽くさなくても周りの人間と理解し合うことが出来、自分のことを他者に理解してもらえる。しかし、周囲と価値観の合わない人間は、周囲とほどほどにうまくやっていくためのアダプターを自分の内側で作りながら、同時に、自分がどんな人間であるのか、どうして周囲と価値観が合わないのかを考えて言葉で捕まえておかないと、バラバラになってしまう。

僕は、齋藤飛鳥もそういう傾向を持つ人間なのではないかと勝手に思っている。だからこそ、齋藤飛鳥はきっと言葉に溢れている人間だと思っているし、そしてこの、周囲と価値観が合わないという点が、僕が齋藤飛鳥に惹かれる一番の強い理由だ。

僕は、割と誰とでも話せる人間なのだけど、でも正直、「この人と喋りたい」と強く思える人間は、人生で出会った中で3人しかいない。それぐらい、基本的に他人に強い関心が持てない。齋藤飛鳥は、僕にとって4人目になった。一度も会ったことがない人間でこれだけ強い関心を抱いたのは初めてだ。

齋藤飛鳥は、その類稀な容姿から、ファッション雑誌でモデルとしての活躍が非常に多い。しかし、僕は、写真はいいから、もっと齋藤飛鳥の言葉を知りたいなと思う。何かの雑誌で、齋藤飛鳥がエッセイでも連載してくれたら、毎号買ってしまうかもしれない。
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2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
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19位 奥泉光「黄色い水着の謎
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新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)