黒夜行

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「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観てきました

初めから見ようと思っていた映画ではありませんでしたが、色々話を聞いている内に、やっぱりこれは見るべきなんじゃないかと思って観に行きました。
今日も、映画が始まる前、隣の席の二人組の女子がこんな会話をしていました。

「マッドマックスって、人気なわけ?」
「うーん、人気だと思うんだけど、もしかしたら私のTLでだけかもしれない」

昨日も、マッドマックスの話をしたら、ある女性がこんなことを言っていました。

「TLだけ見てると、日本人の98%ぐらいはこの映画見てそうだよね」

またある時、こんなことを言っている女性がいました。

「絶対見るべきですよ!全人類必見です。私は一回見て、二回目をいつ行こうか考えてるところです」

ある女性は、マッドマックスの内容について、こんな風に表現していました。

「最初の2分と、最後の5分以外は、全部クライマックス」

公開から結構日にちが経ってると思いますが、今日僕が見た会は満員で、僕は前から二列目の席になってしまいました。見上げるような角度で見てたので、首がメッチャ痛いです。

というわけで、どんな話なのか書いていきましょう。

とは言うものの、ストーリーらしいストーリーはほぼない、と言っていいでしょう(読んでもらえればわかると思いますが、これはディスってるわけではありません)。冒頭の5分ぐらいで、物語の設定と登場人物のざっとした紹介的な流れが出てきて、それからはひたすらカーアクション!!!という感じの映画です。
しかも、カーアクションと言っても、普通のカーアクションではありません。舞台は砂漠。様々に対立する面々が、バイクやら車やらトレーラーやらでぶっ飛ばして、目的とする敵を殲滅する、というようなシーンの連続なわけです。

すげぇ映画だなと思いました。とにかく、ほぼ全編アクションで、しかも、まあ物語にありがちですけど、その内の一方は戦力や状況的に圧倒的に不利な状況に置かれます。しかし、まあこれもお約束ですが、色々あって(色々あって!!)その不利な方が踏ん張って乗り越えてどうにかなる、という話なわけです。

この徹底したアクションが圧巻です。岩と砂しかない砂漠で、止まったらほぼ死あるのみみたいな環境で戦い続ける。前門の虎、後門の狼みたいな感じで、逃げてもしんどいし戦ってもしんどい、みたいな状況の中で、彼らは悲壮な覚悟を持って戦い抜くわけです。

みたいに文章で書いてても、これは全然伝わりませんね。もうひたすら続くアクションこそがこの映画のメインであって、だからこそ映画館で見るとメチャクチャ迫力があるわけなんですけど、そのアクションの素晴らしさを文章で伝えるのはかなり困難です。凄いんだけど、文章だと「凄い」しか言えないなぁ。こういう映画は、どうやっても、実際に見る以外に「体験する」ことが出来ないから、それでこんなに流行ってるのかなって思いました。

僕が感じた非常に面白いなと思った点は、アクションの中に、シリアスさとユーモアさを絶妙に織り交ぜているところです。
基本的にはアクションはシリアスです。映画も延々とトップスピードで展開されるし、アクションは圧巻です。しかし、そのシリアスな世界観を壊すことなく、ギャグっぽい要素を入れていくんですね。これが絶妙で、緊迫感だけではなくて、ちゃんと弛緩もさせてくれるんで、緊張しっぱなしっていう感じにならなくて余裕を持って見れたような気がします。

例えば、追って側の車に何故か、ギターを弾いてるやつがいます。こいつは、物語的にもアクション的にも、特に要る必要がありません。他にも、何故か太鼓を叩いてるやつがいたりします。この太鼓野郎も、別に全体的に全然関係ありません。恐らく舞台の中で、「盛り上げ役」みたいな立ち位置なんだろうなぁ、と思わせるような存在です。みんながハイテンションで戦ってる最中、戦闘にはまるで無関係なやつがヘッドバンギングでギターを弾いてるとか、マジ無意味すぎて物凄くシュールだなと思いました。そしてそのシュールさが、世界観を壊していないところがとても良いです。あの、「マッドマックス!!!!」っていう世界観の中で、見事に隙間を縫うようにしてシュールさもぶち込んでくるんで、すごくセンスがいいなぁと感じたのでした。

そんなわけで、これ以上アクションについて文章を続けられないんで、一応舞台設定とか物語の主軸みたいなものも書いておきます。

舞台は、イモータン・ジョーという為政者が支配するとある地域です。ジョーは、砂漠地帯において絶対の力を持つ「水」を管理することで王政を敷き、絶対君主として君臨しています。「ウォー・ボーイズ」と呼ばれるならず者たちを抱え、彼らに対し、「イモータン・ジョーは絶対である」という洗脳を施すことで、彼の絶対は保たれています。ウォー・ボーイズたちは、ジョーのために死ぬことを恐れておらず、むしろそうすることで、清い魂としてこれまでの英雄たちと同列に扱ってもらえる、という信仰があるようです。
そんなある日、一大事が起こります。ジョーが「子産み女」として囲っていた美女軍団が脱走したのです。脱走を手引したのは、フュリオサという女戦士。彼女は女たちを「緑の地」へと連れて行くとして、数多の追手を振り切りながら東へと進んでいきます。
さて、主人公の「マックス」はどこに出てくるのか。何を言っているのかわからないと思うけど、映画の前半では、マックスは「輸血袋」として出てきます。「輸血袋」です。というわけで、この映画の前半では、マックスはまったく主人公らしくなく、「輸血袋」として拘束されています。
大体こういう設定があり、また、「何故世界がこんな風になってしまったのか」「マックスが囚われている幻覚は一体何なのか」みたいな描写も多少挟みこまれるんですけど、でも全体としてはさほど関係ありません。とはいえ、この映画、シリーズ作だそうで(この映画単体で見ても大丈夫です)、そういう部分は、30年前に公開されたという前作までの部分で描かれているのかもしれないので、その辺は良く分かりません。

「水やガソリンが厳しく管理され、人々に自由がない環境」という人為的な閉鎖空間と、「岩と砂以外なにも存在しない砂漠」という自然環境的な開放空間を実にうまく使って、「閉塞」と「脱走」をうまく描いているし、そんなこととは関係なく、アクションが圧巻なので、飽きずに見れてしまいます。ストーリーはほとんどなし、舞台は砂漠だから砂と岩ばっかり、基本的に男ばっかり出てくる(美女は数人)という、それだけ書くと全然盛り上がらなそうな要素しかありませんが、よくもまあこの条件で、あんなに面白い映画を撮ったもんだな、と思います。何も残らないけど(笑)、とにかくスカッとする映画です。是非見てください!

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観てきました
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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)