黒夜行

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【解放食堂・ふくしま弾丸ツアー 2013/09/29】に行ってきました

さてわたくし、2013年9月29(日)に、【解放食堂・ふくしま弾丸ツアー】という日帰りのツアーに行ってきました。

まず「解放食堂」について。僕自身は「解放食堂」には一度も行ったことがありませんが、

『“東北の美味しい食を片手に愉快に飲むことが、風評被害をはじめとするネガティブな状況を変えていくんじゃないか!”という掛け声で始まった集まり』

だそうで、現在は路面店もあるようです。
今回の【解放食堂・ふくしま弾丸ツアー】の主催者の一人でもある高木新平氏は行きのバスの中で、

『なかなか語られなくなってきてしまっている福島の現状について、ポップに伝える場を作りたかった。それなら、飲み食いがわかりやすいんじゃないか』

というような言葉で、【解放食堂】の趣旨を語っていました。

そんな【解放食堂】から派生して生まれたのが今回の【解放食堂・ふくしま弾丸ツアー】です。「ふくしまをもっと知ろう!」をテーマに、日帰りで福島に行き、生産者の話を聞いたり、軽い農作業をしたり、現地の食べ物を食べたりするというツアーでした。主催者は、

家入一真氏、高木新平氏、安藤美冬氏、四角大輔氏、安倍宏行氏

の五人とのことですが、四角大輔氏は高熱のため今回は欠席、家入一真氏は恐らく当初から不参加だったのだろうと思われます。高木新平氏、安藤美冬氏、安倍宏行氏の三人と、ボランティアの方々で、企画の運営がなされていました。


というわけで今からウダウダと、このツアーの詳細を書いていこうと思います。

8時に東京駅をバスで出発しました。参加者は、運営者を除いて45名のはずでしたが、4名ほど欠席があったようです。
バスの中で自己紹介をしまして、まあかなり多種多様な方が来ていましたが、個人的に気になったプロフィールをざっと挙げてみます。

◯ 会社を売ったり買ったりする人
◯ 基本家でゴロゴロしてる人
◯ 歯学部で歯科医師を目指す女性
◯ 36歳の大学生

他にも、銀行・証券会社・商社・会社経営者・PR会社・福祉士・介護師・鍼灸師など、様々な方がいました。ボランティアで手伝っていた方の中には、公務員の方がいました。

主催者の三人もご紹介します。

高木新平氏は、「言葉を書くことを仕事にしている」とのこと。
安藤美姫氏は、「一人の会社の経営者でありつつ、本を出したりと色んなことをしている」とのこと。
安倍氏は、「新聞やテレビでは取り上げないような、農家や水産加工業者などの人達の生身の声を伝えていく新たなネットメディアを10月に立ち上げるジャーナリスト」とのこと。

安倍宏行氏が、「なぜいわき市なのか?」という説明をバスの中でしてくれました。

昨日まで安倍氏は福島で「第三回ふくしま会議」に出席していたとのこと。NPO主催のこの会議は、『ふくしまの声を世界中に届けたい』という思いのもと、自分達に何が出来るかを模索し続けているそうです。第一回・第二回は、参加するのも気が重くなるような重苦しい雰囲気だったけど、三回目の今回は雰囲気が違ったとのこと。福島で新たなビジネスを立ち上げて行こう、という機運が高まりつつあるのだとか。

福島には、放射能や独居老人や家族の分断など様々な問題が山積している。そしてそれらを、「コミュニティの再構築」を主軸にして解決していこうと模索している。現在、クリーニングの配達や健康チェックなどを、別々の団体がバラバラにやっていると。それらを、自治体を中心にして一緒に有機的にやれないか、さらにそれをビジネスにしていくことが出来ないか、というようなことを、現地に入っている企業からと話し合いをしていたそうです。

そして毎年、「ふくしま会議」の翌日は分科会と称して、スタディツアーを組んで色々やっているのだそうです。そこで解放食堂がふくしま会議にお願いをして、解放食堂をそのスタディツアーに組み込んでもらうことにし、その関係でいわき市で行われているオーガニックコットンの生産者の手伝いをさせてもらうことになった、とのことでした。

11時10分頃久ノ浜駅に到着。そこで、オーガニックコットンの畑の管理者の一人である金成さんという方と合流し、まず「仮設の商店街」へと向かいました。

浜風商店街

久之浜小学校

この「浜風商店街」は、なんと小学校の敷地にあります。校庭の一部を使い、消失してしまった商店街を移転し、住民のために日用品や散髪などのサービスを提供しています。後々、市役所の方のお話を聞く機会がありましたが、そこでその方は「学校の敷地内に商店街を移築するなんて、当然異例の処置だった」と言います。子供にこんな異常な状況を見せたくない、と言った異論も当然出たそうですが、最終的には「異常事態だからこそ、親と一緒にこの状況を見るべきではないか」という判断もあり(もちろん、他に場所がなかったということもありますが)、学校の敷地内という処置になったようです。

「浜風商店街」は、家事で消失してしまいました。

仮設の商店街の中には、ふれあい広場というような場所があり、震災時の写真の展示などがされているところがあります。

震災時の写真


そこで佐藤さんという方から、震災当時の状況などをお聞きしました。

「この辺りの地区で言えば、並行して走っている常磐線と6号線の海側は、すべて津波でやられてしまいました。久之浜周辺は、常磐線と6号線の内側だったので、津波はまったく来ませんでした。地元の方の話によれば、津波は南から来て、殿上崎にぶち当たって町に押し寄せてきた、と。もし津波が南からではなく真っ直ぐやってきていたら、もっと内陸の方まで津波でやられていただろう、とのことでした。

私は自宅で被災をしました。築4ヶ月ぐらいの新しい家でしたが、震度6弱の揺れはもの凄かったです。
昔からよく、地震があったら机の下に隠れるようにと言われてきたものですが、地震のあった時、まず私が思ったことは、

『冗談じゃない』

ということでした。もし机の下なんかに隠れたら、机ごと押しつぶされてしまうと思いました。立つことさえままなりません。6分ぐらい揺れていたそうですが、揺れがちょっと収まった時に這って外に出ました。そこで初めて、庭に地割れができているのをみて、

『日本はもうおしまいなのかな』

と、泣きながら思いました。

津波は当日だけで全部で8度来たそうです。地震の22分後に、津波の第一波が来たそうです。ただこの一度目の津波は、とても小さかったのですね。だから、逃げてと言われながら家に財布を取りに帰ったり、堤防の方まで行って海を見たりする人がたくさんいました。それはこれまで、大きな津波というものを経験したことがなかったからです。

第二波が一番強かったそうです。推定で8.7mの津波が押し寄せ、久之浜では50名が亡くなり、12名が今も行方不明のままです。

いわき市では唯一、久之浜だけで火災が起こりました。地震の影響で水が出なかったため、消防団も消火活動をすることが出来ず、結局次の日の夕方まで燃え続けていました。

火災の後も混乱に見舞われました。ちょっと北にある末続という集落が、原発の30km圏内に引っ掛かり、屋内退避勧告が出ました。それから避難が行われ、末続はゴーストタウンのようになりました。

そこで起こったのが泥棒です。タンス預金から地デジから、中には便器まで盗まれた家もあったそうです。一方で、瓦礫が家を覆っていたために無事だったという家もあったようです。

こちらの写真を見てください。可愛らしい、これは幼稚園の写真ですね。久之浜第一幼稚園です。すぐ後ろが海なのがわかりますか?地震の当時、ここには80名の園児がいました。ほら今、幼稚園で裁判になっている件があるでしょう?ここは園長先生が素晴らしくて、園児たちをすぐバスに乗せて、普段は海側を通るのをルート変更して山側を通しました。さらに園児たちをバスの中に残したまま、外の悲惨な状況を見せなかったそうです。それで園児たちは、そこまで不安定になることがありませんでした。また、延長保育の園児たちをすぐに高台のお寺に避難させたそうです。聞くと、やはり防災訓練もきちんとやっていたとのことでした。

私は皆さんに強く言いたいことがあります。私は地震の後、車で海の傍まで行きました。行ってすぐ、これは一刻も早く逃げなくてはいけないと分かりましたので、車を捨てて逃げました。一瞬振り返った時にはもう、自分の車は津波に飲み込まれていました。
みなさんお願いです。みなさん職場や地域で防災訓練などなさるでしょう?これからはそれを、本当に熱心にやっていただきたいのです。」

佐藤さんのお話を聞いた後は、しばらく仮設の商店街を見学しました。

美容院


駄菓子屋さんが一軒あり、ご主人は叔父さんから店を引き継いたとのこと。「子供のためのものが売ってないからねぇ」と。ご自身は昔、電気屋を営んでいたんだそうです。店内には、戦場カメラマンの渡部陽一氏の写真が飾ってありました(久之浜小学校にやってきたとのこと)。

震災漂流物リスト

「浜風商店街」では、「浜風商店街 ふるさと久之浜で生きる」という本を買いました。

浜風商店街冊子

冊子のような形態ではありますが、きちんとISBNも付いていて、一般にも流通可能な形で出版されています。この本については、また別途感想を書こうと思っています。

それからバスで、オーガニックコットンの圃場へと向かいました。

コットン畑1


オーガニックコットンの事業を行っているのは、「ふよう土2100」というNPO。今回は、先ほどもご紹介した金成さんという方の指導の元、オーガニックコットンでの作業をさせていただきました。

オーガニックコットンを栽培しているのには、二つの理由があります。

まずは、繊維の自給率について。日本の食料自給率の低さはよく耳にしますが(40%~50%)、繊維の自給率は1%以下だそうで、綿の自給率に至ってはほぼ0%(0.00001%ぐらい)と言っていました。ほとんどがインド・アメリカ・アフリカで生産されているようで、米と比べて非常に手間が掛かり、値段もなかなか上がらない。そういう中で、6次産業化を目指し、生産からデザインまでをプロデュース出来るような存在になりたいのだ、というのが目的の一つ。

そして、恐らくこちらの目的の方が重要だと思いますが、「畑を放置しないため」とのこと。震災や放射能などの影響で、農作業が出来なくなっている方がたくさんいらっしゃる。とはいえ、畑をそのまま放置しておくと、いざ農業を再開したいと思った時に、0以下(マイナス)から始めなくてはならなくなる。それならば、そういう放置されかねない農地を一時的に提供してもらい、オーガニックコットンを栽培して畑の状態を保とうという試みのようです。

しかしなかなか難しい問題もあるようです。農家の方というのは「農作業をする」だけではありません。「土地を守ること」や「コミュニティを生み出すこと」など、「農業」という別の側面も非常に重要視しています。そういう中で、「農作業」だけを提供するだけでは、やはり農業再開までには程遠い。そういう難しさもあるようです。

現在いわき市内の30箇所、3ヘクタールほどの圃場があるようで、それらの作業はすべて、「ふよう土2100」の方を始め、全国から毎週やってきてくれるボランティアの方によって維持されているのだそうです。

金成さんは、お米の話にも触れていました。震災1年目は、作付はほぼ出来ず、2年目は様子を見ながら大丈夫そうなところから再開する、という形で進めていったと。で、三年目の今年は、ほぼ99%近くの場所で作付が行われたとのことです。

福島県では、「米の全量全袋検査」が行われています。文字通り、福島県内で収穫されたすべてのお米について、放射能を測定しています。そして現在では、ほぼ10割で放射能が検出されないという結果になっています。作物によって放射能の移行率が大分違い、稲の場合はかなり低く押さえられているとのこと。

しかしやはり、風評被害でなかなか厳しい現状であると。とはいえ、『全世界探しても、全量全袋検査を実施しているのは福島県以外にはない』と言っていました。それで放射能が検出されていない、という現状を、もっと知識として知っておいてもいいのではないかと思います。

コットン畑2


オーガニックコットン畑での作業中は、断片的に様々な方と話をしたので、まとまったことは書けないのですが、お一方、なかなか印象的な方がいらっしゃったので、その方とのお話だけ書こうと思います。

小島さんは、田舎暮らしをしようと4年ほど前に久之浜にやってきて、移住してすぐに震災に遭ってしまいました。

小島夫妻も避難所へと非難しましたが、小島さんの目にはそこは「ナチスの収容所」のように映ったそうです。よくわからないままバスに分乗させられ、家族もバラバラになり、そんな光景を見ている内に、自分は余所者だけど何かしなくてはという気持ちになったのだそう。

元々ターシャ・テューダーに憧れて、花と関わる仕事を始めたそうです(後々、小島さんの旦那さんに伺った話では、フラワーコーディネーターとして活躍していた小島さんは、一時期はずっと「ゼクシィ」という雑誌に毎号載っていたということでした)。本当であれば、久之浜に移住して、そこでお花のことを教える教室を開くつもりだったのだけど、震災があって生徒は誰も来てくれなくなってしまった。心は折れかけたけど、震災を機に様々な出会いがあり、色んな方と様々な活動をしていく中で、自分のやるべきことを見定めていったようです。

現在は、「千日紅の会」という集まりを主催しているようです。そして小島さんは今、大きな夢があると語ります。久之浜だけではなく、世界中の苦しんでいる人を家に招いてケアしていきたい、ということでした。今では娘さんも、仕事を辞めて久之浜に移住して来ており、一緒に活動をしています。

『この地球をキレイにしようよ』
『空は全部つながってるのよ』

という言葉が印象的でした。

さてそれから、大久公民館というところへ移動し、昼食をいただきました。「千日紅の会」の女性たちが手作りのお弁当と豚汁を用意してくださいました。かなりボリュームのあるお弁当で、豚汁もおかわりしたし、満腹になりました。

ここでも何人かの方がお話を聞かせてくださったので、紹介します。

まず、「千日紅の会」の小島さん。

私たちにとって、なによりも、こうして皆さんにいらしていただくことが力になります。
私は、絶対に久之浜を発展させるという気持ちでいつもいます。久之浜がなければいわき市は語れないという強い気持ちでこれからも頑張っていきます。」

東町の吉岡区長さん。東町は、一番津波の被害が大きかった地区だそうで、半分以上が流されてしまったとのこと。

「震災後というとんでもない時期に区長をやっているなと反省しておりますが、「誰かが引き受けねば」という思いで区長をやっております。

私たちは、これは決して大げさではなく、皆さんあって私たちがあるのです。震災後、様々な方がボランティアに来てくださいました。そういう方に、「頑張ろうね」と言われると、とても嬉しいものです。それは、体験した者の言葉だからです。体験した者でなければ出てこない言葉だからです。

(自宅周辺の写真のパネルを見せつつ)ここに15mくらいの津波がやってきました。津波は、引き波で始まりました。これは、とにかく一刻も早く逃げなければなりません。ルイス(=カール・ルイス)でさえも、負けます(その後安倍氏から、「今はボルトです」という助言がなされます)。そう、ボルトさんでも負けます

また、同級生の井戸が、これは海と繋がっているはずがないんですが、黒い水が4mも飛び出てきました。本当に、何が起こったのか分かりませんでした。

そんな中で久之浜には、海岸のすぐ傍にありながら、焼けもせず、津波にもやられず、しかも移転計画にさえ勝ち残った神社があります(これは後程実際に見ました)。地元の方々はこの神社を、本当に大切にしています。

今日は本当に、来てくださったことに感謝いたします」

西町(これは久之浜小学校があった付近)の本田区長さん

私たちは本当に、皆さんに助けられております。

震災直後の13日から、我々は体育館に避難いたしました。二ヶ月間、久之浜は空っぽになりました。そんな中、ボランティアの方々はすぐさま現地入りしてくれて、毛布など様々なものを持ってきてくれました。それでどうにか寒い日々を乗り切ることができました。いわき市は35万人の人口を擁しますが、行政は本当に何も出来ませんでした。線量もまったくわからない中、若い方々が本当にたくさんボランティアに来て、私たちを助けてくれました。

久之浜では27年に集合住宅が完成する予定です。若干延び延びになってはいますが。しかし、家が出来たからといって、問題が解決するわけではありません。お年寄りは戻ってきますが、若い人はなかなか戻れません。このままでは久之浜はジジババばっかりになってしまうでしょう。恐らくそれが一番の問題ではないかと思います。

みなさんにどうしても伝えたいことがあります。それは、『何があってもまず自分が助かることを考えてください』ということです。自分が助からないと、人を助けることは出来ません。それは本当に、肝に銘じてください。

オーガニックコットン畑の地主さんである新妻さん

「震災以降、畑仕事はまったく出来なくなってしまいましたので、金成さんたちがやってくれているオーガニックコットンの件は、本当に助けられています。

私は、先ほど言われた『何も出来なかった行政』の一員であります。我々としてはまず、何よりも先に生活再建をしていきたいと思っています。

先ほどのお話は本当にその通りで、我々は瓦礫の撤去は出来ましたが、町中の細々とした作業はすべて、諏方神社に拠点を置いたボランティアの方々がやってくれました。地元には人もお金もなくて、なかなか動くことが難しいのです。

いわき市は非常に特殊な事情を抱えています。いわき市も被災地であり、現在の時点で約7000名が、いわき市から全国様々な場所へと流出しています。それと同時に、被災地でありながら、同時に双葉郡からの避難者を約2万4000名ほど受け入れています。そのため、住宅がまったく足りていません。27年に建物は建つことでしょう。しかし、人が戻って住むところまで回復させることが出来るかどうか。どうにか、日常的に継続できる生活支援をこれからも続けていきたいと思っています。

いわき市は震災以前、製造業の出荷が東北で1位でした。震災後、製造業の撤退などもありましたが、今では徐々に戻ってきて、仙台市と同じぐらいまでは回復しています。

その流れで今、楢葉沖に浮体式洋上風力発電の設置計画が進んでいます。これは海上に設置するもので、直径90mのプロペラを備えた高さ200mの発電機が、来年には7000kwのものが2機設置され、27年まで実証実験が行われる予定です。東大の石原教授の研究をベースに、220億円を投じて行われているもので、発電に関しても新しい模索を続けています。

みなさんのお手元にお配りしましたが、いわき市も様々な発信を行っておりまして、その一環として、「フラおじさん」というキャラクターが出来ました。皆さん、遠くからでも出来る支援です。お手元のスマホからでも、一日一回投票出来るようになっております。推しキャラがいない方は是非、投票をよろしくお願い致します。」

公民館では、オーガニックコットンをしようしたTシャツや人形なども販売されました。僕もTシャツを買いました
(合うサイズのものがなかったので、僕は実際は別のところで買ったのですけど)

Tシャツ


大久公民館を後にして(ここで金成さんとはお別れ)、「ふよう土2100」の代表・里見さんをバスにお迎えして、小名浜を目指します。道中里見さんが色々な話をしてくださいました。

「(両脇に商店街が並んでいたという道を通りながら)「浜風商店街」は40店舗ぐらいのお店がありましたが、火事ですべて焼けてしまいました。震災直後、ラーメン屋さんだけは何故か営業していましたけど。

仮設住宅には2年という期間の縛りがあります。いつまで住み続けることが出来るのか、分からないのです。そういう不安定な未来のまま皆、笑って黙々と自分達に課せられた仕事をするんだ、と言っています。

商店街の方々は、昼間はボランティアの方が来てくださるんで元気なんですけど、夜になるとやっぱり気持ちが落ち込んじゃうみたいでしてね。ここ半年ぐらいでかなりよくなったようですけど、やっぱり夜になると思い出してしまうみたいです。

でもそういうことは、復興商店街を見ても分からないんです。みんな明るく笑って日々過ごしていますからね。でも、本音の部分は、やっぱりそうなんですよ。

私は温泉街にいますので(里見さんは旅館の若旦那的な立場の方)、津波の被害はまったくありませんでした。

久之浜では、火事がありましたね。みなさん消防団に入ってるんですよ。みなさん、自分の家やお店が燃えているのに、それでも人を逃したりしてるんです。普通、自分の家とか店が燃えてたら、呆然としちゃいませんか?やっぱり、自分のことだけじゃなくて、地域のことなんですよね。結局、600軒あった家は、500軒近くが無くなってしまいました。私でも、そんな凄まじい体験はしてないですよ。

これから小名浜に行きますけど、小名浜は結構復興しています。割とボランティアでツアーに来られる方って、小名浜を通って帰られることが多いんですけど、小名浜の様子を見て、大丈夫なんだなと思って帰られる方が多いみたいです。

でも是非覚えておいてください。今日回ったところだけが、いわきではないんです。

特に有機農家の方は泣いています。アメリカ農法をやられている方は、農協に入っていますからね、農協が一括で補償の手続きなんかしてくれますけど、有機農家の方は全部自分でやらないといけないですからね。

みなさん仮設住宅に住まわれていますけど、やっぱりそれまで広いお家で海を見ながら生活をしていた方には、辛いですよね。「押し入れがなくて大変だ」なんて言ってます。まあ、「津波で全部流されちゃったから、入れるものも別にないんだけどね」なんて言うんですけどね。

(基礎まで流されてしまった住宅街付近で)この辺りは、このバスの高さぐらいまで盛り土をすることがもう決まっています。芝生を敷いて、公園にするのです。

元々の計画では、神社(先ほど触れた、奇跡的に残った神社のこと)も移転する計画だったんです。でもやっぱり、地元の方にとってはシンボル的なものですからね。市の方と議論を重ねて、あの場所に残すことになったのです。

向こうの海の方、ポールが立っているのが見えますか?あそこには8mの高さまで盛り土をすることが決まっています。もう海は見えなくなりますね。

(海岸沿いの道路で)ここは、海側はすべて建物を壊して緑地にし、道路の反対側は住んでもいいよということになっています。道路を境に、家を失うかどうか決してしまう場所なのです。

私は震災時、内陸の温泉街におりました。140名の従業員がいましたが、どこかに行くよりも、鉄筋のこの建物にいる方が安全だということで、残しました。でも、ニュースを見て刻々と変わる変化についに決断をして、マイクロバスを2台借りて、従業員とその家族を全員乗せて、伊香保温泉の方まで行きました。知り合いがいましたのでね。

ここはよつくら港でして、地盤が5cmも下がりました。向こうの方にテトラポットがたくさん見えると思いますが、ここはテトラポットの生産場所なのです。そしてまた、あそこに船の残骸が見えますが、ここには震災直後から押し流された船が50隻以上集められて、船の墓場と呼ばれました。

あそこに、いわき市唯一の道の駅があります。新しいのには訳があって、ヤマト財団、ほらクロネコヤマトさんの、あそこが新築で道の駅を作ってくれたんです」

そんなお話を聞きつつ、途中で里見さんと別れ、僕らは「小名浜美食ホテル」へと向かいました。

小名浜美食ホテル

ここはいわゆる、おみやげ屋さん&食事処と言った感じです。「SEA級グルメ全国大会in小名浜」という大会で優勝した「カジキメンチカツ」というのがあって、300円で物凄いボリューミーなメンチカツが出てきました。オーガニックコットンを使用したTシャツもここで買いました。

それからバスに戻り、東京駅へと戻ります。バスの車内では、主催者の三人の方が供出してくれた本などのオークションが行われました。得られたお金は、解放食堂の活動資金として使われるとのこと。若干渋滞があったようですが、特に遅滞なく東京駅まで辿りつけました。

おしまい。
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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)