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「AMAカフェ vol.22×めぐりカレッジ」に行ってきました

今日は、「AMAカフェ vol.22×めぐりカレッジ」というイベントに行ってきました。
「AMAカフェ」とは何か?
詳しくはこちらのページを見ていただくとして、ここではざっくりと説明します。

「AMAカフェ」というのは、「島根県海士町を島外の人に広める集まり」ぐらいに思ってください。主催は、6年前に大手企業を退職し海士町に移り住んだ阿部氏が立ち上げた「巡の環」という株式会社です。海士町そのものの取り組みも、今や日本中から注目されていますが、海士町で起業したこの「巡の環」という会社も、非常に注目度が高いです。

毎回様々な趣向で「AMAカフェ」を運営しているようですが、今回は「めぐりカレッジ」の発表の場、という形でした。

「めぐりカレッジ」とは何か?

それは、「巡の環」が「実践者」を輩出するために行っているプログラムのことです。入門編と中級編が現在は用意されていて、中級編は6ヶ月という長期プログラムとなります。今回は、その受講生である二人が、「めぐりカレッジ」の報告の場としてAMAカフェを利用しつつ、海士町について考える、という内容でした。

というわけで、「めぐりカレッジ」についての話がメインになるわけなんですが、その前に。

今回のAMAカフェは17時スタートでしたが、15時半から「予習編」が行われました。「予習編」では、海士町についてあんまり詳しく知らない人に、海士町の基本情報を知ってもらうための時間でした。
まずここで伺った、海士町の基本情報がなかなか凄い。

基本中の基本情報をまず書いておきましょう。



人口:2350人
面積:33.50平方キロメートル
島の外周:89.1キロメートル
財政予算:22億円

かつて後鳥羽上皇らがご配流(島流しのこと)された島だとか。

海士町の課題は、全国どこの地方でも同じだけれども、「人口減・超少子高齢化」と「財政」。人口は、昭和25年の7000人から現在まで下がり続けている。財政は、一時は夕張市よりも早く財政破綻するのではないかと言われていたほどだそう。

しかし、平成の大合併時には、「合併しない」という決断をする。合併した方が色々お金的な旨みはあったのだけど、離れた島同士で合併しても現実的にはあまり意味がない。だからこそ「自分達の島は自分達で守る覚悟」を決め、彼らは合併の道を選ばなかった。

そこで海士町は、「守り」の戦略と「攻め」の戦略を立てる。

「守り」の戦略は、なかなか凄い。まず、町長自らが給与30%カットに踏み切る。すると、他の職員らも、自分の給与をカットして欲しいと町長に談判する。それを町長は、二度断った。しかし、三度目で町長は、泣きながらその提案を受け入れる。末端の職員まで含め、それぞれの事情に合った減額率を設定。「日本一給与の安い公務員」となった。また、公務員自らが身を切るような行動を起こしたことで、町民から、「バス代を値上げしてほしい」「補助金を返上したい」と言った声が出てくるようになったという。

そして彼らは、それによって生み出されたお金を使って「攻め」の戦略を次々と打ち立てる。

最大のものは、子育て支援だ。子供が生まれると、一人目には10万円、二人目には20万円、三人目には50万円、そして四人目以降は100万円を支援する。また、保育園の料金は、三人目以降はタダ。とにかく、子育て支援に力を入れた。現在では、年間20人ほどの子供が生まれているそうだ。

海士町の学校教育も凄まじいのだけど、とりあえずそれは後回し。

海士町では、「外貨獲得」のために、「島丸ごとブランド化」と銘打って、あらゆるものを開発している。「さざえカレー」や「いわがき」(東京では80%のシェアを誇る)、「隠岐牛」(元々、後々松阪牛となる子牛を海士町で育てていた。それを、最後まで飼育し、ブランド化した)、「ふくぎ茶」(ハーブティー)などなど、あらゆるものを島外に出荷している。

また、思い切った決断は、「CAS」の導入だ。これは、鮮度を落とさずに冷凍保存が出来る技術であり、導入に5億円要した(年間の予算が22億円の島では相当な決断だ)。市場では、「旬のもの」が一番値が低い(たくさん穫れるから)。だから、獲ってすぐにCASで冷凍、そして旬を外して出荷することで、高値で魚介類を出荷できる体制を整えた。

そのようにして「外貨獲得」を目指すのだが、しかしそれだけではいけない。そのままでは、人間が育たないからだ。だから海士町では、学校教育に力を入れているのだけど、これが相当凄い。

例えば、小学五年生は、強制的に、「無人の浜での五泊六日のキャンプ」に参加させられる。火を熾し、トイレを自分達で作るキャンプだ。何故五泊六日なのか?(昔は九泊十日とかだったらしい)。二泊三日程度であれば、頑張ればトイレも我慢できるし、周りとの揉め事も我慢できる。しかし五泊六日では無理だ。そうやって起こったトラブルにどう対処していくのかを鍛える目的だそうだ。

給食では地産地消を推し進めていて、平成17年時は14%だった地産地消率は、現在63%にまでなっているという。毎日、献立と、それぞれの食材を誰が作ったのかという読み上げが行われ、また月に1回、農家のおばちゃんらと一緒に給食を食べるのだそうだ。海士町では、食育に相当力を入れている。

「子ども議会」というのも凄い。小学5・6年制は、総合学習の時間を使って、議会に提言する政策を自ら調べて立案し、それを実際の議会で発表しなくてはいけないらしい。実際に町長が回答するらしいが、町長は、この「こども会議」が一番緊張する、と言っているようだ。この「子ども会議」で提案されたものは実際に身を結ぶものも多いようで、実際2年前に図書館が作られたそうだ。

「学校エコ改修」というのも凄い。中学校の古びた校舎を回収する計画を、生徒自身に立てさせる。実際に建設業者と一緒にプランを考えるんだそうだ。予算も設定され、予算内でどれを優先して修繕を行うのかという判断も生徒にさせるのだという。

「修学旅行で中学生が大学生に講義を行う」というのも斬新すぎる。現在は修学旅行先が京都に変更されたらしいが、かつては一橋大学や東大で、中学生の生徒が海士町について大学生に講義をしたのだそう。

それら様々な施策を続けていった結果、23名の中学生の内、中学入学時のUターン希望者は4名だったのに、卒業時には13名に増えたという。たしかにこれだけやっていたら、Uターンしたくもなるだろう。

海士町には、中学校までは独自にあるが、高校は海士町を含む四町で一つだ。その島前高校はかつて、廃校の危機に瀕していた。21人を割ると廃校になる可能性が高いらしいが、一時は29人まで生徒が減った。このまま島前高校が廃校になれば、ますます若者が島外に出て行ってしまう。そこで、島前高校魅力化プロジェクトを立ち上げ、様々なことをやった結果、現在は生徒数45名で、その半数が島外からだそうだ。最近では、外国からも生徒が来るようになったという。

海士町の話はイチイチ凄いのだけど、この教育の話が一番凄いと思った。何故これほど斬新なことが出来るのか。それは「保―高連携教育推進協議会」というものの存在が大きいらしい。保育園から高校まで、一直線で繋がっているので、「今年は保育園からこんな子が行きますよ」と伝えることもできるし、あるいは小学生が中学生と一緒に授業を受ける、なんてことも出来るのだという。これは、スモールスケールを最大限に利用した試みで、都会であればあるほど選択肢が多くなりすぎて同じようなことは出来ないだろうと言っていた。

さてでは、「予習編」ではなく、「AMAカフェ」の本企画について書こう。

今回は、先ほども書いたけど、「めぐりカレッジ 中級編」の受講者のプレゼンを中心に、「めぐりカレッジ」について、あるいは「実践者であること」について、あるいは「どのように想いを消費者まで届けるのか」について色々話がされた。

まず、「めぐりカレッジ 中級者」の受講者二人のプロフィールを書いておこう。


【香庄謙一(かしょうけんいち)】NPO法人砂浜美術館

大阪生まれ大阪育ち。専門学校卒業後、写真・映像・デザインで国際協力の分野に従事するが、震災支援を機に、日本、特に地方に目を向けるようになる。現在は、高知県黒潮町にあるNPO砂浜美術館でWEBショップ「すなびてんぽ」を運営。黒潮町には、自然と上手につきあいながら暮らす人びとの知恵と営みがあります。そこから生まれた商品は、人にも、自然にもやさしい。「すなびてんぽ」は、そんな商品を地域のリズムで販売しています。

【室田純也(むろたじゅんや:通称べる)】 株式会社他郷阿部家

埼玉県出身。大学在学中から東京で暮らし始め、その後約17年間、東京で多種多様な職種を渡り歩きながら過ごす。前職はソーシャルゲーム部のデザインチームリーダー。しかし東京での生活に疑問を感じ、2013年1月に今までの東京での生活をリセットして、前々から興味のあった農業を志すべく、短期の農業研修で西日本の農場を巡りながら、まだ訪れたことのない父のルーツの地を巡る旅を始める。その途中、ネット上で目にした島根県での求人情報に興味を持ち、石見銀山の「他郷阿部家」という宿で、「暮らしの学校」のスタッフとして働く。

「砂浜美術館」は、高知県黒潮町の砂浜を舞台に、「建物を持たない美術館」として、面白いまちおこしの活動を続けている。「他郷阿部家」は、島根県の石見銀山にある築120年の古民家を改築した宿であり、かつての生活スタイルを取り戻そうというコンセプトで運営されている、とても美しい宿である。

この二人と、この二人に「めぐりカレッジ」のプログラムを施している「巡の環」の代表であるあ阿部裕志の三人が、「めぐりカレッジ」で目指したことや「めぐりカレッジ」を受講した経緯などを導入に、三人が非常に楽しそうに会話を交わしながら、「実践者の育成」を目指す「めぐりカレッジ」について知っていく、という形です。

途中から、喋るのは三人だけではなくなり、参加者のだれでも発言権がある、というスタイルに変わります。僕は、状況次第では発現する人間ですが、今日は勇敢にもバリバリ発言する人がたくさんいたので、まあ僕はいいかと思って静かに皆さんの話を聞いておりました。

ここでの話は、なかなか再現は難しいと思うので省略しますけど、話していく過程で出てきたキーワードが「想いの足し算」です。小さなスケールでそれをやり続けてきたのが海士町でしょう。しかしこれを、もっと大きな規模でやろうとした場合、一体どういうことが出来るか。そういう議論が繰り広げられました。

それらの議論と関係なしに、僕が面白いなと思ったのは、阿部さんが、「今日は「桃太郎」みたいに展開した」という話をしたことです。阿部氏ら3人は前日から東京にいたようですが、その時に以前海士町に来てくれた人とばったり出くわし、翌日のAMAカフェの話をしたら、じゃあ手伝いに行きますよ、となったと。また、今日当日の昼間に出会った人も、じゃあスタッフとして手伝いますよ、なんて流れにもなったという。そういう「桃太郎」式に仲間がどんどんと増えていく感じがとても面白い、と思いました。

話が終わった後は、海士町の野菜やさざえ、そして砂浜美術館で作っている天日塩などを使ったケータリングをみんなで食べました。僕は味に関してはとやかく言えるような上質な舌を持ってはいませんけど、美味しかったですよ。

最後に。非常に印象的だったことを書いて終わりにします。

ケータリングを食べている時、色々お話をしましたが、「巡の環」の代表である阿部さんともお話をする機会がありました。その時に驚いたことが、「質問に対する返答をもらったこと」です。

AMAカフェの参加申し込み時に、「当日聞いてみたい質問」という欄がありました。それを記入している時にパッと思いついた質問(僕なりに真面目に書いたつもりですけど)を、阿部さんは真剣に考えてくださったみたいで、その場で返答をしてくれました。ちょっと凄いな、と。参加者は、40名以上いたと思います。全員の質問を覚えていたわけではないでしょうし、僕の質問がたまたま引っかかって頭に残っていただけかもしれないし、「海士町基準」では普通のことなのかもしれないけど、なんというか個人的にはとても驚かされました。

というわけで、今日はあんまり文章を書かないで済ませようと思っていたんだけど、結局長くなってしまいました。聞けば聞くほど、海士町の話は凄いなぁと思うんだけど、思えば思うほど、俺にはハードル高いなぁ、と思ったりもします。いや、話を聞く限り、Iターン者がかなりの人数受け容れられている海士町は、他の地方よりハードルは低い方なのかもしれないけど、いや、でもねぇ…。

まあ何にしても、海士町には一回行ってみたいなぁ。砂浜美術館と他郷阿部家も、凄く行きたい。
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感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

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17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
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