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一路(浅田次郎)



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内容に入ろうと思います。
舞台は、文久元年(1861年)の、関ヶ原にほど近い田名部という土地。そこは、七千五百石の蒔坂家が収める領土であり、また様々な背景から、旗本でありながら「交代寄合」という、大名並の格式が与えられている。
小野寺一路は、ずっと江戸で修行の身であり、剣の腕前も学問も秀才なのだったが、急ぎ国元に帰らなくてはならなくなった。
父・弥九郎が亡くなったのだという。失火であり、士道不覚悟、小野寺家は取り潰しの沙汰でもおかしくない状況なのだった。
しかし、そうもいかない事情がある。一路の家は代々、参勤交代の手配をすべて行う供頭という役目を担ってきていた。参勤交代の時期は迫っており、ともかく一路が供頭となって次の参勤交代を仕切らねばならなくなってしまった。家督相続は、参勤交代を無事に済ますための仮の沙汰。つまり、一路が参勤交代を無事務め上げなければ、小野寺家は絶えてしまうのだった。
どう考えても無理である。
というのも一路は、父から供頭の仕事について、何も教わっていないのである。引き継ぐのはまだ先だと思われていたために、一路は父から、江戸で剣や学問の精進するように言われていたのだ。まさか父がこれほどまで早く死んでしまうとは。
しかし、泣き言など言っていられない。供頭としての役回りを果たさねばならない。しかし、一体どうやって…。
一路は、玄関口だけポツンと焼け残った屋敷跡に赴いた。そこで一路は、「元和辛酉歳蒔坂左京大丈夫様行軍録」という小冊を見つけた。これはまさしく、二百数十年に渡って受け継がれてきた参勤交代の心得を記したものなのだった。参勤交代の出立まで数日を残した今、これしか頼りに出来るものはない。
その「行軍録」は、僅かながら一路と話をしてくれる人に聞いてみると(一路と話をしてはならん、というお触れが出ているのだ)、二百数十年の間にだいぶ簡略化されているらしく、現在では行われていないことも多いのだという。
一路は決意した。自分はこの「行軍録」に記されている通りに中山道を歩き、無事江戸までお殿様をお送りしてみせると…。
というような話です。
これはメチャクチャ面白い作品でした!実は浅田次郎の作品を読むのは二作目で、初めて読んだ「地下鉄に乗って」が、個人的にはあまり好きになれなかったんで、どうしても浅田次郎は敬遠していたのです。今回も、ちょっとした機会を与えてもらえなかったら、この作品を読むことはまずなかったでしょう。上下で分厚いし、何よりも歴史が苦手な僕には、江戸時代が舞台の小説とか、普通だったら結構しんどいわけなんです。
しかーし!とにかくメチャクチャ面白かったです!本書は一言で言えば、「田名部から江戸までただひたすら中山道を歩くだけ」の小説なんです。参勤交代のその道中が描かれているだけなんですけど、まあこれが面白いのなんの。お見事!あっぱれ!と言いたくなってしまうような作品でした。
何よりも、個々人の描かれ方が素晴らしく良い。
主役級の人物を挙げるとすると、道中御供頭である一路、お殿様である蒔坂左京大夫、参勤交代の先頭を行く佐久間勘十郎、田名部にある浄願寺の坊主である空澄、参勤交代には加わらず国元に留まる勘定役の国分七左衛門、複雑な事情から二君に使える形となり心労が絶えない御用人・伊東喜惣次と言った面々がいるのだけど、みんな本当に素晴らしい人物なんである。
まず一路。父の急死の報を聞いて慌てて国元に帰るも、一路を待ち受ける現実はかなり厳しいものだった。父から一切引き継ぎを受けていない道中御供頭を完璧に成し遂げなければお家断絶、という超背水の陣の中、メチャクチャ奮闘するのである。
しかし、参勤交代ってのは、凄いシステムだよなぁ、と思う。隔年で国元と江戸を何十人という面々で往復し、国元と江戸に一年ごとに住む。その参勤交代の面々が通ってくれるお陰で、中山道や東海道沿いの店が潤い、また参勤交代の後を追いかける者どもにもおこぼれを分けることが出来るのだけど、それにしても一回の参勤交代にどれだけお金が掛かるものやら。本書の冒頭で一路は、毎年の予算を知らないまま、勘定役に百両請求し、それが通るのだけど、百両ってどれぐらいのもんなんだろう。
しかも参勤交代は、道中で誰かが死んでも、また理由がどうあれ、届出なく期日までに辿りつけなかったりしても、責めを食らうらしい。厳しすぎるなぁ。まあ、その設定が、物語をスリリングにしていくわけなんだけども、まあそれは後々の話。
一路は、家格の違いさえ理解しておらず、なんとなく自分よりも目上っぽいかなという風に見える人に頭を下げたりしるのだけど、時々ぎょっとされたりして失敗だったことに気づいたりする。それぐらい何も知らない状態で、しかも数日後に参勤交代がスタートする、という無茶苦茶な状況で、でも頑張るわけです。
正直なところ、「行軍録」通りに参勤交代を復活させるというのは、破れかぶれのアイデアだったわけです。何も知らないからこそ、「行軍録」に頼るしかない。一路は、とりあえず形から入った。形を「行軍録」通りに整えることで、誰からも文句を言いようがない状態にした。「行軍録」通りにやれば、お家断絶は避けられると信じた。一路にとって「行軍録」は、そう言った意味で御託宣のようなものだったのだ。
本書は、タイトルもまさに「一路」なわけで、道中一路がこれでもかというほど頑張る。もちろん頑張るのは一路だけではないのだけど、一路の頑張りは素晴らしい。
一路は、道中御供頭については父から教わらなかったが、いかに生きるかという点は父から多くを教わった。辛い場面、どうしていいかわからない場面で、よく父の言葉を思い出した。ある場面で語られる、「正義が孤独であろうはずがない」という言葉は、身に染みた。
一路の次に存在感がある人物と言えば、やはりお殿様・蒔坂左京大夫でしょう。
世間では、蒔坂左京大夫と言えば「馬鹿の極み」であると思われている。蒔坂左京大夫をボロクソに言った、こんな場面がある。

『バカが来た。西美濃田名部郡に七千五百石の知行を取る旗本、蒔坂左京大夫。格式高い「交代寄合表御礼衆」二十家が筆頭、城中では大名に伍しての帝鑑間詰、ただしバカの鑑。歴代のバカにつき、歴代が無役。
おまけに芝居ぐるい。三月朔日の町入能の折、飛び入りで下手くそな「藤娘」を舞って、上様の不興を買った。贔屓の成田屋を、あろうことか飛び六方の花ミリから引き倒し、あげくの果てには町人に変装して出待ちをしていたところを町与力に見咎められて、謹慎を申し渡された。その成田屋から借用した鎌倉権五郎の衣装に隈取りまでして、隣屋敷から躍りこんできたときには、病床に伏せっておられたお祖父様も、さすがに怒鳴りつけた』

こう聞くと、蒔坂左京大夫というのはよほどのアホなのだな、と思わされるだろう。その評価は世間の衆目とも一致した評価であり、蒔坂左京大夫は正直ナメられていたし、馬鹿にされていた。
しかし、本書を読めば、蒔坂左京大夫がいかに素晴らしい人物であるか、ということがよくわかるだろう。
本書では、道中、それはそれは様々なことが起こるわけなんだけど、物語の主軸となっていくのは、「謀反」である。帯にも書いてあるからネタバレにはならないと思うんだけど、蒔坂家には御家乗っ取りの噂がかねてより流れていて、未熟な道中御供頭が采配する参勤交代の道中で致命的な失態を冒させて、蒔坂左京大夫を失脚させようという動きが粛々と進行しているのだ。
乗っ取りの首謀者である人物は、蒔坂左京大夫のことを「馬鹿だ」と罵り、それを聞かされ続けている配下の者も、殿様は馬鹿なのだと思うようになっていく。そうやって謀反を企んでいるわけなのだけど、しかしお殿様は決して「馬鹿」などではない。むしろ、物凄く聡明なのだ。普段はその聡明さが表に出ないように、かなり注意深く隠している。それが様々な場面で透けて見えるので、非常に興味深かった。
本書を読んで、きちんとした殿様ほど周囲に気を遣い、メチャクチャ疲れるだろうなぁと思ったのであります。
何か素晴らしいことをした者がいても、無闇に褒めることは出来ない。褒めれば報償を与えなければならなくなるからだ。意味があるとは思えない作法に文句を言うことは出来ないし、参勤交代が大好きで、だから前日子供のように寝られなくなってしまうのだけど、けど「寝られなかった」などと言ったら宿直の小姓は自責の念から腹を切ってしまうかもしれないからそんなことは口が裂けても言えない。
みたいな。他の場面でも、「前門の虎、後門の狼」と言った感じで、どう動いても、また動かなくても誰かに責任が及んでしまうかもしれないと考え、それをどうにか避けるためどう行動すべきか頭を悩ませる場面もある。
これは本当に大変だなと思いました。とにかくお殿様は喜怒哀楽を顔に出してはいけないし、お定まりの定型句しか口に出来ないし、天下泰平の世が続き、「しきたりばかりが形骸として残り、今となってはわけがわからぬものだらけ」という仕組みに、お殿様は疑問を感じてきたはずなのだけど、今ではそんなことを考えない。お殿様として、お飾りの人形のように、出しゃばらず何も考えていない風を装って、どうにか日々をやり過ごすしかない、と思っている。
そんなお殿様は、この参勤交代の道中、幾度も素晴らしい姿を見せることになる。それまで、田名部の領民でさえお殿様のことを「馬鹿」だと多くの者が思っていたのだけど、色んなことが起こる度に、「うつけ者」などではないのではないか?と思うようになっていく。それほどまでに、お殿様は見事な人間力をあらゆる場面で発揮するのだ。個人的には、多くの者が忘れている中、一人諏訪神社へと向かい目的を果たしたお殿様の姿は、お見事という感じでした。
さて、「お殿様はうつけ者ではないのかもしれない?」という想念に、道中最も悩まされるのが、伊東喜惣次である。彼は訳あって、謀反を起こす側の人間として立ち働かなくてはいけない立場であった。伊東喜惣次を取り立ててくれた恩人が、お殿様を「馬鹿だ」「あのうつけ者が」と言い続けているのを聞いて、そうなのだろうと思ってはきたが、道中の様々な出来事を目にして、どうもそうとは思われなくなってきている。しかし、自分は謀反側という立ち位置を崩すことはどうしても出来ない。そういう複雑な思いを抱えながら伊東は道中を共にすることになるのである。「悪」側の人間ではあるのだけど、どうしても憎めない存在なのである。
みたいな感じで一人ひとり書いてたらどれだけ時間があっても足りないのだけど、忠心の気持ちも深く、また腕に覚えもある佐久間勘十郎は、ところどころで愉快な活躍をするし、勘定役の国分七左衛門の人間性の深さは見事なものがあるし、なにかと一路の手助けをすることになる浄願寺の空澄も実にカッコイイのだ。
そして、カッコイイのは何も、田名部の人間だけではないのだ。中山道で彼らが関わる様々な人間たちの素晴らしさをどうにか伝えたいのだけど、素敵な人間が多すぎる!
個人的に格別印象に残っているのが、安中三万石を束ねる板倉主計頭である。コヤツは、ちと尋常ではない。この領地では、とにかく走ることが奨励されているようで、普通に歩くだけでもしんどい碓氷峠を何往復もするような化け物みたいな人間だらけであるという。最速の人間は、三十二里を三刻半で走る。これは、128キロを7時間で走る計算だという。フルマラソンを2時間ちょっとのペースで走る感じだ。これは尋常ではない。この安中の面々も、田名部の道中にとって実に素晴らしい働きをしてくれるのだけど、板倉主計頭の「よぉっし!」という掛け声で領民が皆起きる、という馬鹿馬鹿しい土地の話は、なんだか面白かったなぁ。
この物語は、とにかく、泰平の世にあって、慣習として「地位が高い」とされているだけの武士が、参勤交代は元々江戸への「行軍」であったのだ、と気持ちを一つにし、数々の試練が待ち受ける中山道を走破する物語だ。誰の力が欠けていても、彼らは江戸まで無事にたどり着くことは出来なかっただろう。人を思いやる気持ちが暖かさを産み、厳しく諭す中に優しさを感じ取れるような、そんな古き良き日本人の在り方が実に見事に、そして面白おかしく描かれていると感じました。
さらに、田名部の面々はただただ参勤交代を真っ当せんと、自らの役職の範囲内で全力を尽くすだけなのだけど、それが道中で出会う様々な人間たちに影響を与え、生き方を変えていくことになる。そしてそれは逆もまた然りで、道中彼らに協力してくれる様々な人との出合いが、父を喪ったばかりであるのに大役を担わなければならず意固地になっていた一路や、お殿様をうつけ者だとしか思っていなかった伊東などの面々の生き様を変えていくことになる。
とにかくそこが一番の読みどころだと思う。なんとなれば、国元にいた頃は、不穏な噂あり、親を喪った者あり、諍いに発展してしまう者ありと、どうにもまとまりに欠ける集団であった。しかし、それまでの道中御供頭が亡くなり、新たに道中御供頭となった一路が大変革をもたらしたことで、そしてさらに、謀反人の動きを封じながら江戸を目指さなければならないという緊張感が、彼らを一つにまとめていくことになる。その過程が見事だし、読ませる。登場人物は山ほど出てくるし、時代背景はよくわからないし(歴史については無知なんで、わからない説明とか、わからない単語とかは時折出てくる)、分量も凄く多いんだけど、それでも一気読みさせられてしまう作品でした。本当に、お見事!という感じの作品でした。僕みたいに、歴史がよくわからないし…という人でも、たぶん大丈夫だと思います。まるで「参勤交代」というスポーツを行なっているかのような、素晴らしいチームプレーに溢れた物語で、田名部の一人ひとりの面々が、そして中山道で出会う様々な人間が、自らの生き様に実直に、相手のことをひたすらに思いやって行動し、そのうねりが、達成不可能と思われた難事を達成に導く、その過程がとにかく素晴らしい物語です。是非読んでみてください。

追記)amazonのレビューが手厳しくてビックリしました!えー、面白いやん!俺が読んでいない、他の浅田次郎作品が、もっと凄まじいってことかしらん。

浅田次郎「一路」




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