黒夜行

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映画『ヱヴァンゲリヲンQ』感想 備忘録

ヱヴァンゲリヲンQを見てきました。序も破も見てはいるんですけど、ぜーんぜん内容を覚えていないまま、とりあえず公開してる間に見ないとなぁ、ってなもんでQを見にいきましたです。
いやはや、なんかぶっ飛んでましたなぁ、ヱヴァンゲリヲン。
見ながら、そうかそういえば前作の破ではなんかラストで世界滅亡みたいな感じのところで終わってた気がするなぁ、なんてことを漠然と思い出したりしたんですけど、それにしても、のっけから意味不明だなぁ、という感じでした。
碇シンジは目を覚ますんだけど、ミサトさんとかがなんかすげぇ変わっちゃってるし、シンジくんには何故か、暴走したら死んじゃうよみたいな首輪が付けられちゃったりするのですよ。シンジくんにはさっぱり理解できないまま物語は展開していって、バトルバトルバトルの連続の後、シンジくんは綾波レイと再会する。
んだけど、これもなかなか難しいところで。綾波レイですしね。
徐々に世界の設定が理解できるようになっていきます。なるほど、前作からそんな風に繋がってくるのね、という感じではあるんだけど、でもやっぱりよくわからない。なにせ、ミサトさんとかが実は…みたいな感じだし、もう誰が誰と何の目的で闘ってるんだか、わたくしにはついていけない感じでござりました。
いや、意味不明だけど、やっぱり好きなんですけどね、ヱヴァンゲリヲンは。
人類補完計画ってのが着々と進んでるらしいんだけど、でカヲルくんがその説明をサラッとしてた感じもするんだけど、でも実際人類補完計画がどんななのかはよくわからないし、碇ゲンドウが何をしようとしてるのかもよくわからない。いや、ホントによくわからないんですよ。
でも、やっぱりあのヱヴァンゲリヲンの世界観って、凄いなぁって思いますですよ。何が凄いのかって言われるととても困るんだけど。
例えば、碇シンジを取り巻く世界って、明らかに超絶的にとんでもないことになってたりするわけなんです。世界はなんかちょっとわけわかんないぐらいグチャグチャっとしてるし、シンジくんが目を覚ますまでの間に起こった状況の変化が急激すぎて、それにシンジくんも大きく関わってる、というか、やっぱり未だに中心的な存在だったりするはずなんですよ。
でも、碇シンジ自身は、物凄く個人的な感情でしか行動出来ない。
綾波レイという個人にとても執着するし、渚カヲルという個人の説得に流されてしまう。碇シンジにとっては、もう世界は手に負えないもので、どうにかして逃げたくてしかたない。だから、自分でも捕捉可能な小さな小さな世界での判断に行動のすべてを依ってしまう。
そんな主人公が、やっぱり世界の命運とか握っちゃってるわけで、まあいわゆる中二病的なそういう設定って、なんとなく僕の持ってる知識だと、ヱヴァンゲリヲンからすべて始まったみたいな印象があったりします。間違ってるかもですけど。
それに、物語的に凄いなと思うのは、碇シンジが『何も知らない登場人物』としての存在意義を与えられていないということ。
普通物語には、その世界観や設定が日常から遠ければ遠いほど、『何も知らない登場人物』が出てくる。そして、その『何も知らない登場人物』に物語の世界観や設定を語ることで、読者や観客に世界観や設定を共有させようとする。そういう装置としての機能を持つ『何も知らない登場人物』というのがいるものです。
本書の場合それは、碇シンジです。碇シンジは、何も分からないまま、ほとんど何も知らされないまま、その世界に放り出される。
しかし碇シンジの特殊性は、『何も知らない登場人物(碇シンジ)に語られる言葉のほとんどが意味不明である』ということです。
作中碇シンジは、「○○の言っていることが分からない」的な発言を何度もする。そう、碇シンジに何かを語る人は多いのだけど、しかしその言葉は碇シンジに届くような形では語られないのだ。碇シンジは『何も知らない登場人物』として出てくるはずなのに、彼には『世界観や設定を読者と共有する』という役割がほとんど与えられていない。
これってすげぇ特殊な気がするよなぁ、と僕なんかは思ったりします。
碇シンジ以外の登場人物は、程度の差こそあれ、みんなその世界について理解している。何も知らないのは、碇シンジぐらいだ(まあ綾波レイも知らないだろうけど、綾波はそういう土俵から除外してもよかろう)。なのに、その碇シンジが理解できないとなると、見ている人間は誰も理解できないということになってしまうのだよなぁ。
だから、まあ意味不明なのは当然なんだと思うんですね。実際、僕みたいなにわかファンはまあともかくとして、ヱヴァンゲリヲンが結構好きなんだろうなぁっていう人も、意味分かんないからまた見ないと、みたいなことを言ってて、それを僕が映画を見る前に聞いてたんで、なんとなくホッとしたのでした。そうかそうか。ちゃんとヱヴァンゲリヲンの世界観にハマっている人でもわかんないなら、俺なんかにわかるわきゃないな、と。もちろん、物語を読み解く力に長けている人には伝わるんでしょうけどね。
どこで見たのかまったく覚えていませんけど、以前どこかでヱヴァンゲリヲンに関する文章を読んだ時に、「庵野が作ったものがエヴァになる」みたいな記述があって、なるほどという感じがしました。僕の記憶では、僕が中学生ぐらいの頃にエヴァンゲリオンがテレビでやってた気がするんだけど、そしてその当時見てた内容をまったく覚えていないけど、劇場版はもうまったく別物というか、全然違うよなぁ、という感じがします。それでも、どちらもエヴァンゲリオンだなぁと思えるのは、やはり一人の人間が一貫してその世界観を生み出しているからなんだろうなぁ、という感じがします。
あと、個人的にとても気になったのは、碇シンジと渚カヲルの関係である。
いや、これは理由があってだな、バイト先にBL好きの女子がいたりして、碇シンジと渚カヲルの関係がどうちゃらとか言っているわけなんですよ。で、見てみると、うーむこれは狙ってるんだろうか、という感じの描写が多かった気がする。だって、渚カヲルと話してて、碇シンジが頬を赤らめるシーンとかあるし。おいおい、ってなもんである。
取りようによっては意味深に思えてしまうようなセリフをカヲルくんが口にすることも多くて、なんというか、やはりそういう方面の需要にも応えているんだろうか、という印象がありました。まあ、どうかわかりませんけども。
僕としては、綾波レイが結構好きで、序とか破では綾波レイの学生風景みたいなほのぼのした感じがあって良かったなぁなんて思うのだけど、今回のQはほとんどバトルバトルバトルって感じで、そういう意味ではちょっと残念だったかなぁ。まあでも、やっぱり見といてよかったかなという感じはします。
あと僕が驚いたのは、本編が始まる前に流れた「巨神兵東京に現る 劇場版」っていう映像。あれは一体なんだったんだろうなぁ。
初めに「スタジオジブリ」っていう表記が出て、その後で「巨神兵東京に現る 劇場版」っていうタイトルが出た。だから僕は初め、スタジオジブリの新作の予告なんだな、って思ったんです。でも、いきなり実写で始まって、ほぉスタジオジブリは次は実写ですか、なんて思ってたら、予告にしては長いなぁ、っていう感じになってきたから、僕はしばらくして、なるほどヱヴァンゲリヲンの本編が実は始まってたのだな、考えることにしました。これは予告編の長さじゃないし、だとしたらもうヱヴァンゲリヲンが始まっていると考えるしかなかろう、と。ヱヴァンゲリヲンを作ってるのがどこかはちゃんと知らなかったけど、でもとりあえずスタジオジブリじゃねぇよなぁ、とは思ったけど、とりあえずそこには目を瞑って。
でもしばらくして、エンドクレジットが流れ始めてきて、なるほどこれはこれで一遍の映画だったんだなぁ、とようやく思い至りしました。クレジットに「舞城王太郎」の名前もあったりして、ちょっとビックリしました。あれはホント、しばらくずっと謎だったなぁ。
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[4337] はじめまして!

はじめまして。TV版からエヴァを追う古株ヲタクです。

謎・伏線・難解な言葉等、衒学的ともいえるエヴァですが、謎がどうなるか、伏線がどう回収されるかなどを気にせず、各々が各々の考察・感想を持てるのがエヴァの一番の面白さだと思ってます。そういう楽しみ方もあり、また「ロボットアニメ」「ミリタリアニメ」としても十分肩の力を抜いて楽しめる、そういう作品がエヴァといえるのではないでしょうか。

個人的に「巨神兵東京に現る」は、Q劇中の「サードインパクト」を暗示しているように思います。「火の七日間」から、Q世界で生き残った人々はどう生きているか、そしてこれからどうなるか、次回の「シン・エヴァンゲリオン」を楽しみにしたいと思います

[4338]

初めましてです!

僕もTV版を、飛び飛びで見てました。確か中学時代ぐらいで、学校から急いで帰ると見れる、みたいな時間帯だったんで、見れない時も結構多かったんですよね。

確かに、見た人が色んな感想を持てる、色々考えさせられてしまう、っていうところが魅力ですよね。それだけ世界観の深さが果てしないっていうことで、そういう部分でのエヴァの凄さってちょっと驚異的な気がします。ロボットアニメ的な部分は、僕にはあんまり響かないというか、元々そういう素質がないというか、バトルシーンは何やってるのかよくわからなくてあんまり惹かれないのですよね(笑)

>個人的に「巨神兵東京に現る」は、Q劇中の「サードインパクト」を暗示しているように思います

そう、僕もそう思ったんですよ。だから、「なるほど、エヴァ本編がもう始まってるのだな!」って思っちゃったのでした。僕の知識では4部作で完結だった気がするんですけど、次で終わるのか果てしなく謎ですけど(笑)、やっぱり次も見ちゃうだろうし、楽しみにしています~

[4341] 返信ありがとうございます!

返信ありがとうございます&遅れてすみません。

私自身も、ロボットバトル的な部分には、強く惹かれる所はなく、どちらかというと再放送の「ウルトラシリーズ」を幼少期に食い入るように見ていたので、エヴァは特撮的なシーンに一番惹かれています。なので、「巨神兵東京に現る」は、それこそ食い入るように見つめました。

一応、「シン・エヴァンゲリオン」で全て終わると思っています。ミサトさんも「最後まで、サービス、サービスゥ」と言っていましたし(それだけですが)。
劇場版4作品までやっておいて、そのあと「新シリーズ・エヴァンゲリオン7」とか出てきたら、私的には微妙です・・・

[4342]

最近どうも僕の周りに、特撮モノが好きって女の子がいて(2人ほどですけど)、そういう特撮的なものは女子ウケする要素があるのかなぁ、なんて思っていたりします。その2人は、エヴァも大好きみたいですしね。

「シン・エヴァンゲリオン」なんて名前なんでしたっけ?Qの劇場版の最後の予告では、Iとかじゃなかったでしたっけ?
まあ確かに、劇場版で完結しなかったら微妙ですよね(笑)

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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

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2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
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5位 百田尚樹「錨を上げよ
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8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
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新書
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小説以外
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番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)