黒夜行

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弔辞 劇的な人生を送る言葉(文藝春秋編)





内容に入ろうと思います。
本書は、著名人の葬儀での弔辞を50人分掲載した作品です。生前葬で読まれたものや、葬儀自体は密葬で、その後で開かれたお別れ会での言葉というのもあったけど、基本的には葬儀で読まれたものが中心になっています。
全員分書くわけにはいかないけど、どんな方々への弔辞が載っているのかざっと書いてみようと思います。

石原裕次郎・浅沼稲次郎・太宰治・湯川秀樹・植村直己。寺山修司・手塚治虫・美空ひばり・司馬遼太郎・渥美清・宇野千代・三船敏郎・盛田昭夫・成田きん・小渕恵三・本田美奈子・城山三郎・安藤百福・市川崑・筑紫哲也・三沢光晴・木村拓也・オグリキャップ・赤塚不二夫などなど

本書を読んで一番強く感じたことは、いい時期に死ねたらいいなぁ、ということでした。本書に掲載されている故人は、生涯の中で人々を大いに魅了した時期のある人達であるから、晩年がどうであったとしても、人々から慕われたままでいられるだろうけど、じゃあ自分はどうか。例えば今自分が死んだら、悲しんでくれる人はほどほどにはいるだろうなぁ、と思う。でも、もし50年後、あるいはもっと先に死んだらどうだろう。その頃の自分がどうなっているか分からないけど、最悪どこかで野垂れ死んでいる、なんてことだってあるかもしれない。別に、死んだらそれまでだ、と思っているから、自分が死んだ後のことなんか別にどうだっていいんだけど、でも、もし選べるのだとすれば、やっぱり多くの人の記憶の中に残ったままの状態で死ねたらいいなぁ、なんて思ったりしました。
個人的に気になったのは四人。
まずは、司馬遼太郎が弔辞を読んだ、近藤紘一。ジャーナリストであり、産経新聞記者として司馬遼太郎の盟友でもあった近藤紘一の著作を、なんだか読んでみたくなりました。時々、文春文庫から出てる近藤紘一の著作を棚に入れるんだけど、たまに売れたりするんですね。それまでどんな人なのか知らないままで著作を棚に入れてましたけど、ちょっと読んでみたいなって気にさせられました。まあ僕が読めるような作品なのかは分からないんですけどね。
次は、柄谷行人が弔辞を読んだ、中上健次。これも弔辞を読んで、中上健次の著作を読んでみたくなったのですよね。単純と言えば単純ですけど。柄谷行人と中上健次は色々と悶着があったようですが(詳しくは知らない)、そういう間柄だからこそ、弔辞の言葉も深いなぁという感じがしました。
次は、横山ノックが弔辞を読んだ、横山やすし。僕は、横山やすしが吉本を解雇されていたという話も知らなかったくらい横山やすしについては知らないんですけど、でもイメージとして、無茶苦茶な破天荒な男、というイメージが強くあります。でも、横山ノックの弔辞を読んでいると、そのイメージがなんかかなり変わります。もちろん故人に対して良いように言った、という面も多少はあるのかもしれないけど、やっぱりイメージだけでは人のことは捉えられないのだなぁ、と強く思いました。
最後は、父親である村山伸一が弔辞を読んだ、村山聖。村山聖は、「聖の青春」というノンフィクションの主人公としても有名だけど、あの羽生善治に匹敵すると言われた棋士。個人的に「聖の青春」という作品に強い思い入れがあるので、父親による弔辞の内容そのものはさほどでもないのだけど、気になりました。
個人的にはやっぱり、作家とか評論家の弔辞は巧いな、と思ったんですけど、でもそれは、もしかしたら文章で読むからかな、という気もします。喋る、ということであれば、俳優とかそういう人たちの方が上手なんだろうか。なんだかそんなことを考えながら読んでいました。
白紙の紙を持って弔辞のスピーチをした、と一時話題になった、赤塚不二夫へのタモリからの弔辞も載っていて、おぉ、という感じがしました。
とりあえず買って手元に置いておいて、なんとなく気が向いた時にめくってみる。そんな読み方が合いそうな作品な気がしました。

文藝春秋編「弔辞 劇的な人生を送る言葉」



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Comment

[4140]

こんにちは。
ちょっとご無沙汰してしまいましたね(笑)。私もこの本を読み始めました。通りすがりさんがお書きのように、時々ページを繰ってみるというような読み方が好いのかも知れませんね。
弔辞が素晴らしい(感動的)ということは故人が素晴らしい生き方をしたということにも繋がると思います。どれもこれも感動ではありますが、私が印象に残った(未だ半分程度しか読んでいませんが)のは浅沼稲次郎氏に対する池田勇人氏の弔辞です。政治的な退場からすると真逆の存在のはずですが、畏友を讃えるというスタンスが素晴らしかったです。
横山やすしは西川清とのゴールデンコンビ(やすきよ)で、伝説の漫才師と言われていますが、私の記憶ではもう彼らを越える現任は出ないだろうと思っています。やすしさんは破天荒な生涯でしたが、憎めない人物でした。
中上健次は通りすがりさん世代には馴染みのない作家でしょうが、私的には『枯木灘』『岬』など名作だと思います。ただし新宮付近の風土的な雰囲気が濃厚で、ちょっと辟易しますが。柄谷行人は気鋭の評論家と思っていましたので、中上氏とにの繋がりにはちょっと驚きました。お互いに相通じるところがあったのでしょうね。

自分が生涯を終える時期は選べませんので何とも言えませんが、呆けないうちに逝きたいなぁとは思っています。そういえば、最近私は気象予報士の講座を受講しています。受験して合格しようなどという大それた考えはありませんが、完全な老化防止対策です(笑)。昨日は気体の状態方程式が出てきまして、懐かしかったです。ただ懐かしがっているだけではダメで、使えないと意味がないことに気づき、単位系や記号の意味を見直しました。やはり物理系がまったくダメですので、これは致命的かなぁと思っています(泣)。進みましたら、また報告させてください。

では、お元気で読書の秋をご堪能下さいませ。

[4141]

こんにちはです~。外には出てないけど、なんか凄く晴れてるみたいで、いい天気の一日ですね。

どうしても本書に載っている人は、僕がよく知っている人ではないので(名前はほとんどの人知ってましたけど)、なかなか実感というのは難しいんですけどね。もう少し故人の人柄をあらかじめ知ってたりすると、もっと違った読み方になるんだろうなぁ、という気がしました。

浅沼稲次郎については、沢木耕太郎のノンフィクション(タイトルはど忘れ)を読んだことがあるんで知ってたんですけど、やっぱり政治の話は難しくて、結構飛ばし読みしちゃいました(笑)浅沼稲次郎と池田勇人の関係がそもそもよくわからないですからね。
横山やすしについては、『天才伝説 横山やすし』っていう本を買ったんで、読むのが楽しみです。やっぱり、人生まるごと芸人、っていう生き方ができる人はなかなかいないでしょうし、僕は実際やすきよの漫才ってほとんどみたことないんですけど、これ以上の芸人が出てこないってのはなんとなく納得できちゃいます。
中上健次は、読みたいなぁと思いつつまだ読めてない作家なんですよね。ちょっと前に映画になった「軽蔑」とか気になってたりするんですけどね。

気象予報士の勉強、凄すぎます!試験を受ける、っていう目標をちゃんと設定した方がよりやりがいが出るかもですよ。気体の状態方程式とか、もう忘れました(笑 ってか、そんなの習ったかなぁ)。僕理系ですけど、今だったらもう物理全然ダメだと思います。相対性理論とか量子力学みたいな、実生活には役に立たない物理学の本とかは結構好きなんですけどね(笑)

最近休みの日は、色々と文章を書いていることが多いんですけど(小説じゃないですよ)、今日もしゃりしゃり文章を頑張って書きます! 

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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
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19位 奥泉光「黄色い水着の謎
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新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
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18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
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新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
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6位 「もうダマされないための「科学」講義
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8位 「ゲーテの警告
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10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
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4位 「消された一家
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7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)