黒夜行

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レヴォリューションNo.0(金城一紀)

本書は、「レヴォリューションNo.3」から始まるゾンビーズシリーズの最新刊です。
僕達のいる高校は、偏差値42。オチコボレたちの集まる高校だ。その高校が今年、新入生を200人多く取った。
どういうことか分かるだろうか?
屋上で決闘をしていたという理由で一斉に退学になった僕らは、一週間後学校に復帰して驚いた。教室から椅子と机が大分減っているのだ。聞けば、退学者が続出しているのだとか。
何が起こっている?
風紀の乱れが深刻だとかで、学校側が急遽三泊四日の合宿を決めた。参加しない者は退学だという。
その合宿は、まさに教師による虐待と言った方が正しく、高い壁の張り巡らされた脱出不可能な所に閉じ込められ、ひたすら山を登らされるのだ。
野口という体育教師の息子の暴露で、この合宿の裏を理解した僕らは、全力で抵抗することに決めた…。
というような話です。
僕が大好きなシリーズの最新刊で、もちろん面白かったんですが、分量が150ページちょっとと少なく、もう少し長い物語が読みたいなぁ、と思ってしまいました。あと、僕のとにかく弱点である、本を読んだらすぐ忘れてしまうという点が大きく邪魔をして、これまでのシリーズ作品のことをすっかり忘れてしまっているので、誰がどんなキャラだったかなぁ、みたいなことをあんまり理解出来ていないまま読んでしまったというのもちょっと残念でした。
この物語は、「No.0」とついているように、これまでのシリーズの前日譚的な位置づけです。で、シリーズの完結編だそうです。ゾンビーズ結成前夜の物語なのですね。
話としては、やっぱりもうちょっと長かったら良かったなぁと思ってしまう部分はありましたけど、いつものゾンビーズの感じが出ていてよかったです。こういう関係性って、羨ましいですよね。なんだろう、言葉ではない部分で繋がっている、名前の付けられない関係、っていう感じがします。こう、安心して誰かに何かを任せられるとか、体を預けられるとか、あるいは、こいつだったら絶対こうするっていう期待を裏切らなかったりとか、そういうことが気負う事なく自然体で出来てしまう関係性って凄いと思うんですね。全員が、前提となる『何か』を、言葉ではない形で共有できている、という感じです。こういう関係性に出会えるかは、もはや運だけど、彼らの素晴らしいのは、自分たちの関係性が比類ない大切なものだということを、なんとなくどこかで感じ取れている、ということだと思うんですね。
あと、本書に限らずこのシリーズで強く描かれているのが、学校という場の閉鎖性とか、無意味さとか、そういうものですね。僕も、特別人に話せるような何かがあったわけではないんだけど、中学高校時代はなかなか大変だったし、学校という場に似たような不信感を抱いていたりする人間です。その強烈なまでの違和感は、今では大切なものだったと思えるようになったけど、当時はもっと自然と学校という場に馴染めたらいいのになぁ、とどこかで思っている部分もあって、まあちょっと複雑だったかなぁ。飼いならされてしまうのは、恐ろしいと思います。
最後に、本書で僕が一番好きなフレーズを抜き出して終わろうと思います。

『いまの学校にいて分かったことがあるんだ。なにかが間違ってるのに、それが当たり前みたいになってたら、そのままにしておいちゃいけないんだ。間違ってるぞってちゃんと声を上げたり、間違いを気づかせるために行動する人間が必要だと思うんだ。僕はそのためにいまの学校にいたいと思ってるんだ』

これは、最後の方に出てくるセリフなんだけど、それまでの物語の流れを汲んで読むと、素晴らしいなぁという感じがします。学校だけじゃなく、どんな組織にも似たようなことが言えそうな気がしますしね。
というわけで、これはさすがに、シリーズを読んでない人にもオススメ出来ます、とは言えないですが、ゾンビーズシリーズは素晴らしい作品なんで是非シリーズを通じて読んでみて欲しいなと思います。

金城一紀「レヴォリューションNo.0」




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「レヴォリューションNo.0」 金城 一紀

「何度でも、ゼロに、戻れ」南方、萱野、舜臣、ヒロシ、山下。愛すべきザ・ゾンビーズの仲間たちが帰ってきた!「レヴォリューションNo.0」はザ・ゾンビーズの初めての冒険譚。伝説の始まりです。高校入学当初、南方は自分を取り巻く環境に息苦しさを感じていた。かといって、退屈のけちらし方を見つけ出せない。そんな時、学校側が行う団体訓練(という名のシゴキ)が行われる。イジメのような訓練と暴力が繰り返される合宿に、南方たちは脱走計画を企てる。部屋からの脱出に成功し、門扉にむかうメンバーたちだったが、そこには門のドアの他に

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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)