黒夜行

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絶望に効くクスリ Vo.7(山田玲司)

内容に入ろうと思います。
本書は、漫画家の山田玲司が、色んな『凄い人』に会いに行って対談し、それを漫画にした、対談漫画です。
何故いきなりVo.7なのか、というのは、僕がこれを人から借りて読んでるからで、それ以上の意味はありません。
先に書いておきましょう。こりゃあ凄いわ!こんな名言連発の漫画だとは思ってもみませんでした。「非属の才能」の著者なんだけど、どっちも凄い!
どんな人と対談してどんな話をしているのか、というのを書く前にまず、本書の精神を最も体現していると思われるつぶやきを著者本人がしている箇所があるんで、それを抜き出してみようと思います。

『やっぱり人は会ってみなきゃわからないよねぇ…』

これは、C・W・ニコル氏と対談している時に著者がつぶやいたことなんだけど、まさにその通りだと思います。とにかく本書の精神は、直に会って話を聞く。それに尽きる。本書では、僕がそれまでまったく知らなかった人もたくさん出てくるんだけど、みんなとにかく凄い。凄過ぎる。そして、話を聞くともっと凄い。そういう生き方をしてきた人だからこそ言える言葉、重みがまったく違う言葉が気負いなく放たれていて、シビれます、ホント。
まず、誰と対談したのか、ということを書きましょう。敬称は、まあ取材当時ということで。

千葉ロッテマリーンズ監督:ボビー・バレンタイン

作家・冒険家:C・W・ニコル

医師:レシャード・カレッド

脚本家(金八先生など):小山内美江子

ミュージシャン・作家:大槻ケンヂ

発明家:藤村靖之

NPOアサザ基金代表理事:飯島博

文部科学省大臣官房広報調整官:寺脇研

OPEN JAPAN代表:山田バウ

とにかく全編素晴らしいんだけど、以下ではとにかく、一般的には有名ではないだろう人(僕も全然知らなかった人)である、レシャード・カレッドさん、藤村靖之さん、飯島博さん、山田バウさんの四人を重点的に取り上げたいと思います。

まず、静岡で医師として働きつつ、日本全国の無医村へ出向き無料で診療、さらに老人ホームまで作ってしまう、アフガニスタン出身の医師・レイシャード・カレッドさんです。著者は、日本人のイスラム人に対する偏見を苦々しく思っていて、それもあってレイシャードさんに余計に素敵さを感じたようです。
素晴らしいことをいくつも言っています。

『日本の若者を追いつめているのは、「心の不景気」だと思いますね…』

『今の日本の子供は、「大人」を知らないですよ。見本になるような「大人」を見たことがない子が多い…』

『(アフガニスタンの学校では)ゴミだってえらい人から先に拾うんです』

『医者っていうのは本来病人の所に行くものであって、体の悪い病人がわざわざ来るのはおかしいでしょう…』

次は、一流大学の大学院を出て入った某大企業の研究室長の座を捨てて、子供のぜんそくを治すために発明家になり、非電化製品を発明し続けている、発明・藤村靖之さん。この人凄くて、電気を使わないで仕える掃除機・冷蔵庫・除湿機なんかを作り、モンゴルなど海外の人たちの暮らしをよくする活動をしているし(非電化冷蔵庫をモンゴルの会社に作ってもらい、それを羊二頭で売っているらしく、藤村さんの元にはお金は入らなかったり!)、イオン式空気清浄機「クリアベール」は、世界記録である250万台も売れたそうな。
この藤村さんの話は、まさに今喫緊の話題(喫緊って、使い方間違ってるかなぁ)だと思うんですね。まさか日本に住んでて、電気が足りない、なんていう事態に陥るなんて誰も思わなかったと思うんだけど、これから藤村さんの作っている非電化製品って話題になったりするのかもだなぁ。
電気について、こんな素敵なことを言ってます。

『私は「電気が悪い、非電化がいい」だから非電化を使いなさい…なんてことは、言いたくもないし、行ってもいないんです…「愉しいと思うほうを選んだらいい」という提案なんです。』

さて次は、かつて「瀕死の湖」と呼ばれていた霞ヶ浦を再生させる「アサザプロジェクト」を立ち上げ、絶対無理だという声をさんざん聞かされながら次々と成果を生み出し、飯島さんの立ち上げた「アサザ基金」は、日本で最も成功しているNPOの一つと言われている、その理事である、飯島博さん。
この人も凄かったなぁ。今は、40年後にコウノトリを野生復帰させ、100年後には霞ヶ浦にトキを呼び戻す、とか壮大な計画を進めているらしいんだけど、この人は、学校の管理教育に完全に馴染めずに、心の中に渦巻くモヤモヤと、指先がしびれるくらいの孤独を抱えながら生きていた時霞ヶ浦の現状を知り、それからは疾風怒濤の如く突き進んでいった人です。

『もし僕がその時、大人が喜ぶような生き方をしていたら、今の僕はなかったと思うんです』

そして最後に、山田バウさん。この人が一番凄いと思った。まさかこんな人が世の中にいるとは、という衝撃でしたね。
山田さんも飯島さんと同じく、学校では落ちこぼれというレッテルを貼られていた人。高校も辞めてしまった。外国を出てみたいと英語を勉強し、カナダでカヌーと出会う。山田さんは、日本にカヌーを初めて紹介した人であり、日本のカヌーコースのほとんどは山田さんが作ったらしいです。
その後、カヌーのお客さんだったある女性から、フロンガスの話を聞く。今ではフロンガスがオゾン層を破壊することは誰でも知ってるだろうけど、当時の日本はまだ、その深刻な問題に手をつけていなかった。
山田さんは即座に行動した。すぐに仕事を辞め、日本中の自治体を一人で回った。しかし、誰も話を聞いてくれず、山田さんを信頼してくれた人からの資金が底をついてしまった。
ここで、当時小学五年だった息子がとんでもないことを言う。
「父さん…この家、売ったら?」
それから山田さんはやり方を変え、それ以降本当にたった一人で1300もの自治体を動かしてしまったのだ!
しばらくのんびりするつもりだった山田さんに、神は次の仕事を与えていた。山田さんの故郷を、あの阪神大震災が襲ったのだ。すぐに被災地に飛び、行政がまとめることの出来なかったボランティアたちをまとめあげ、生きている人たちの支援を続けたのだった。
山田さんの言葉は、ちょっと凄過ぎる。

『「これをやる」と自分の中で宣言した時、本当はすでにできているものなんです。』

『僕はね…人生はレストランやと言うてるんです…レストランでカレーを注文したら、ちゃんとカレー出てきますでしょ?みんなそれを疑ってるんです。
「人生はレストラン」。注文したらそのとおりに出てくる!!みんな「注文」してないんですね』

この言葉は、ちょっと凄過ぎると思いましたね。本当に凄いことをしている人の言葉だから、素直に聞くことが出来るな、という感じがしました。
突然Vo.7から読み始めましたが、本書には「電気」と「地震」と関わる話があったりして、まさに今読むのがいい内容になっている感じがしました。「非属の才能」でも良いこと言うなぁ、という感じがしましたけど、本書では、対談自体を漫画にしているんで、本人自らがその言語を発しているということがより強く伝わってくるので、余計に強い言葉に感じられます。是非読んでみてください!特に今、モヤモヤしているすべての人へ!

山田玲司「絶望に効くクスリ Vo.7」




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Comment

[4088]

絶薬のゲストの話はいい話ですが、山田玲司自身には気をつけたほうがいいですよ。
言動不一致。
他人に厳しいことを求めるのに自分は楽で甘いことばかりしています。例えば、「CO2を削減しろ!」と他人に言っておきながら自分は大型排気量のランクルを乗り回し、エコカーに買い換えることもせずに「誰もエコカーくれない」と言う始末です。
著書で「テレビは見るな!」と言うのに自分はテレビが大好きでブログでテレビのことばかり書いていることもありました。
ゲストと山田玲司を切り分けて読むことを勧めます。
『「これをやる」と自分の中で宣言した時、本当はすでにできているものなんです。』
『僕はね…人生はレストランやと言うてるんです…レストランでカレーを注文したら、ちゃんとカレー出てきますでしょ?みんなそれを疑ってるんです。
「人生はレストラン」。注文したらそのとおりに出てくる!!みんな「注文」してないんですね』
これを鵜呑みにしてはいけません。人生はレストランのように望みどおりのものが出てくるほど甘くないです。仮にレストランだとしても自分が望む料理に相応する「支払い」が必要です。それは努力だったり、才能だったり、運だったりします。そして、世の中のほとんどの人は望みどおりでなくてもそれぞれの人生を歩んでいます。
山田玲司は「新連載が決まった」「新連載の原稿を描いている」と言い続けて1年以上たっています。結果が出せなければ「嘘つき」として信用を失います。
【京都大学新聞】
http://www.kyoto-up.org/archives/284
「『絶薬』って相手が言った自分の共感できることを並べることで
自分の意見をいってる」
ゲストも山田フィルターを通しているのでご注意を。

[4089]

ご忠告、ありがとうございますです。
はい、割と僕は大丈夫だと思います。
冷静に考えてみましたけど、著者自身がどうこうというよりは、
書かれている内容に共感している、という感じです。
山田さん自身がどんな人なのか、まあ僕はよく知りませんが、
日々関わる相手ではないので、どういう人でもまあいいかなぁ、というのが正直なところです。
もし日々関わる相手であるなら、元山田玲司読者さんがおっしゃるような状態だとちょっと関わっていくのが苦しいかもですけど、
まあ僕自身は日々関わる相手ではないので、言行不一致だとしても、別段困ることはない気がします。
これが政治家とかであれば、僕の生活にも関わってくるから困り者ですけど、
まあそうじゃないんでそこまで気にしません。
著者本人がどういう人であれ、
誰かの言葉を広く伝える作品を出していたり、
誰かの心に届く本を出しているなら、
まあとりあえずいいかなぁ、とか僕は思っちゃいます。
あと、色々あって山田さんの担当編集の方とお会いする機会があったんですけど、
なんか週刊誌の連載が決まったとかで、ホテルに缶詰だ、とか言ってましたよ。
編集の方が言うんで、嘘ってことはないだろうと思います。

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感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

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