黒夜行

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スパイク(松尾由美)

さてというわけで今年も年の瀬となりました。このブログも、今年の更新はこれで最後、年明けは、ちょっといろいろ事情があって更新を始めるのは遅くなることでしょう。
今年も皆様一年間、この無駄に長いブログを読んでくださいましてありがとうございました。今年一年間は書店の話ということでいろいろ書きましたけど、やっぱり最後の方(というか中盤ぐらいから)適当になっていって、グダグダになってしまいました。やっぱり一年間ずっと同じ縛りで何かをやり続けるというのはなかなか厳しいものですけど、一応ずっと続けている形なので、なんとか頑張ろうと思います。
それで来年なんですが、長編の連載みたいなことをやろうと思っています。毎回書評の前に、新聞連載くらいの分量でちょっとずつ書いていく、みたいなことを計画中です。
実際、年明けの更新が遅れそうな理由はその点が大きいわけです。年末年始、わたくしはとにかく小説をバリバリ書かなくてはならないんです。
いろいろ事情があって、友人のために小説を書くことになったんです。元々、来年ブログで長編の連載をやろうかと思っていて、あるアイデアを考えていたんですけど、年末にまったく別のアイデアで小説を書くことになったわけです。年末に友人のために小説を書いて、一方でブログはブログで別の小説を書くというのもなかなか厳しいなと思ったので、友人のために書く小説をそのままチビチビと切り取って連載みたいな形にしよう、と決めました。
実際今小説を書いているところなんですけど、まあこれが進まないこと進まないこと。ブログに書くような適当な文章なら、過去最高で1時間に5000字近く書けたこともありましたけど、小説になると1時間に2000字程度が限界です。まあ書き慣れていないというのもあるんでしょうけど、なかなか厳しいものですね。年末年始の休みを目一杯使ってもちょっと書き終わらないんじゃないかと不安になってきました。一応プロットだけはもう出来ているんで、あとは組み立てるだけという感じなんですけど、普段さらっと読んでしまう小説も、書く方に回ってしまうとこんなに大変なんだなと改めて思いました。
まあそんなわけで、とりあえず内容に入ろうと思います。
江添緑は「スパイク」という名のビーグル犬を飼っている。友人から譲り受けたものだ。いつものように下北沢の街を散歩ていると、通りの角からスパイクと瓜二つのビーグル犬を連れた男性がやってきた。林幹夫という名のその男性に、緑は一目惚れしてしまった。幹夫の方から誘う形で少しだけお茶をして、連絡先を交換して別れた。次の土曜日にまた会いましょう、と約束を交わして。
そして約束の土曜日。最初にお茶をしたカフェで待っていたのだけど、幹夫は一向にやってこない。すっぽかされたのか。そんな落胆する緑を驚愕させるような出来事が起こる。なんと、連れていたビーグル犬がしゃべったのだ!一人と一匹は、待ち合わせの場所に現れなかった幹夫に何が起こったのか調べるべく、にわか探偵団を結成するのだが…。
というような話です。
もしこの作品が好きという人がいれば、それは実に申し訳ないことだけど、とにかく下手くそな小説だなぁ、と思いました。文章も下手だし、ストーリーの展開も実に下手という、素人が書いたみたいな小説だなと思いました。
文章は、読んでもらうしかないんだけど、やたら下手だなと思いました。どこがどう下手なのかというような分析的なことは書けないけど、本職の作家とは思えないレベルの文章に、ちょっと僕は驚きました。
ストーリーの展開も、本書で扱っているモチーフが実にナイーブで扱いが難しいことを差し引いても、ちょっと酷過ぎるなと思いました。ご都合主義、という言葉があるけど、まさにそんな感じで、ストーリーにとって都合のいい状況・展開がすぐさま現れるという感じだし、あらゆる箇所で、ちょっとそれは強引すぎるだろみたいな展開もありました。そもそも扱っているモチーフにも無理があるんだと思うんだけど、それにしてももう少し料理の仕方はあっただろう、と思いました。
というわけで、2009年最後にしてとんでもない駄作を引き当ててしまいました。まったくオススメできません。もう一度書きますけど、本書が好きという方がこの文章を読んでいたら、すいません。
というわけでして、今年一年のご愛顧ありがとうございました。そして、来年もまた、この更新頻度の高さと文章の長さだけがウリのブログをよろしくお願いいたします。

松尾由美「スパイク」



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Comment

[3810]

こんばんは。
今年の最後が、ちょっと…という作品で残念でしたね。
私は人から薦められて『プリズンホテル』(浅田次郎さん)を読んでいます。なかなか渋いでしょ(笑)。全4巻の最後の一冊となりました。いわゆるムショ帰りやこれからお務めに行くやくざが心と体を癒す温泉ホテルが舞台です。客層も殆どはやくざ、経営者も従業員も…というありえない設定ですが、これが非常におもしろく、家事の合間にドンドン読み進めています。今年中に読み終わるか?という問題はありますが、まぁちょっと無理のようです(泣)。
来年から小説の連載が始まるそうで、大いに期待しています。書店の話も興味津々でしたが、私としましては(客の立場としては)だからどうすれば良いのか?が見えませんでしたし、どうにもならないことが多すぎました(泣)。お目当ての本に辿り着けない理由は、充分分かったような気もします(笑)。
今年、私の読書ノートに記録された作品は168作でした。200冊くらいは読んだ気がしましたので、ちょっと意外でしたが、上下や1~3巻という長編が含まれますので、仕方ありませんね。良かった本は数限りなくありますので、自分の中のランキングを作ることは諦めました(笑)。通りすがりさんの2009年のBEST10はいかがでしょうか。
今年もお邪魔する回数が多く、時には失礼なことを書いてしまったことがあるかも知れませんが、歳に免じてお許しください。
また来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
通りすがりさんのご健康とご健筆を祈っています。
Yahoo!のグリーティングサービスが無くなってしまいましたので、この書き込みに替えさせていただきます。
どうぞ、佳いお年をお迎えくださいますように。

[3811]

こんばんわです。
最後の作品がイマイチだったのは残念でしたけど、まあ仕方ないですね。2009年はこれという作品にあんまり多くは出会えなかったような気もします。作品の問題ではなくて、僕自身の変化なのかもしれませんけど。
「プリズンホテル」は面白いみたいですね。僕もいつか読んでみようとは思っているんですけど、長いんでなかなか手が出せないでいます。いつか読んでみようと想います。
小説は今バリバリ書いているんですけど、ワードにうまく保存されていなかったみたいで、今日書いた分のほとんどが消えていました。理由はよくわかりませんが、もう最悪です。一万字ぐらい消えてましたからね。まあなんとか気を取り直して頑張ります。
書店の話は、確かにお客さんがどうすれば良いのかという視点には欠けていたかもしれないと思います。お客さんの視点を失ってはいい売り場を作ることは出来ませんしね。
僕が今年読んだのは260冊みたいです。去年と大体同じくらいで、まあまあかなという感じはします。出来れば300冊ぐらいは読みたいものですけどね。2009年のランキングは、またもう少ししたら考えてみます。
いえいえ、ドラさんがたくさんコメントをくれるんで励みになっていますよ。
どちらかといえば僕の方も失礼なことをたくさん書いているかもしれません。もしそうならお許しください。
今年もよろしくお願いいたします。
ドラさんも、ドラさん自身だけではなく家族の健康なんかも見なくてはいけなくて大変でしょうけど、今年一年も仕事に家事に読書にといろいろ頑張ってくださいね!

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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)