黒夜行

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ねたあとに(長嶋有)

どうも最近時間がないことが多いですけど、今日も時間がないので書店の話はさらっと。でももう年末ですね。今年もあと2、3冊読めればいいかな、という感じです。年末年始はちょっとやらなきゃいけないことがあって忙しいし、本読んでられないかもだから。
先週一週間はまあとにかく忙しくて大変でした。クリスマスがあるから包装とかでとんでもない忙しさになることはわかってたんですけど、それにしても忙しかったです。
何せ、12/25のクリスマス当日の売上が、ここ3、4年の一日の売上の中でたぶん一番だと思います。今までちょっとみたことないような、とんでもない売上でした。包装もそれなりにあったけど、コミックやらライトノベル文庫の新刊、あるいは年末年始前倒しで雑誌が大量に出たりとか、世間的に給料日だったりしたからだと思うんだけど、とにかくとんでもなかったです。僕は普段あんまりレジに入らない立場なんで、レジにたくさん入っている人からすればもっととんでもない一日だっただろうなと思います。まあ、僕は忙しいレジとかキライじゃないんでいいんですけど、あんなに忙しいのは多くても年1回ぐらいにして欲しいものだなとか思いました。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本書は、コモローという小説家と、古道具屋を経営している父親が管理している、夏だけ行く山の別荘(安普請のボロ家ですけど)での出来事を描いている作品です。
そこは、東京での暑い夏を過ごすことを諦めた人々が避暑地としてやってくるところなんだけど、人が住むのにはなかなか最低限の設備しかない。インターネットをやるにも電話回線を使った非常時接続のやり方しかないし、風呂は最近ボイラーを設置したけど、基本的には薪で焚く。夏しか使わないのでブレイカーのレベルは最低ラインなんだけど、そのため電子レンジを使うためには家中の電化製品を一旦消さないといけない(ヤシマ作戦!)。虫もたくさん出るし、交通のアクセスも悪いし、携帯の電波も家の中では基本的に入らないという、なかなか住みにくい家です。
しかしそこに毎夏多くの人が集う。誰が来てももてなしたりするわけでもなくただダラダラ過ごすという独特の雰囲気を持つこの別荘には、それらの不便さを補ってあまりあるほどの快適さがあるのだ。
そしてさらに、「遊び」がたくさんある。麻雀牌を使った「ケイバ」や、「顔」「それは何でしょう」と呼んでいるものなど、その家の人間が独自に開発したルールに則って遊ぶ「遊び」が充実が充実しています。
遊びにかなり力を注いでいるという変な家族。そんな人々が集まる夏の別荘での日常を描いた作品です。
長嶋有という作家の作品を読んだのは本書が初めてですけど、僕の中ではあんまり面白くなかったかなぁという感じがしました。
出てくるキャラクターは、なかなか個性の強い人間が多くて、それは読んでて楽しめると思います。特に親子であるはずのコモローとヤツオおじさんが全然親子に見えなかったり、それぞれがなかなか強烈なキャラクターだったりと、結構面白いは面白いんです。他のキャラクターも、虫が出てきても全然驚かない女子とか、軍人将棋が出来ちゃう女子とか、言語学者であるヤツオおじさんの兄とか、結構みんな濃くて面白いです。
でも、その面白いキャラクターを描きながらやるのが「遊び」だというのがどうもなぁ。「遊び」も単体で見れば結構面白いんです。特に、麻雀牌を使ってやる「ケイバ」は、なかなか凄いと思いました。遊び方や展開の仕方なんかもなかなか洗練されているように思います。「顔」とか「それは何でしょう」とかも、割と思いつくタイプの遊びですけど、でもそれを結構真剣に準備したり遊んだりというところがおかしいんですね。
でも、ずっとそんな調子で小説が進んで行くので、『だから何?』という感じが強くなってきてしまいます。この小説で描かれるような別荘があったら僕も結構行ってみたいなと思わせるようなところなんだけど、でもそれをただ読んでるだけだとそこまで面白くない感じです。その場に一緒にいたいな、と思わせる描写なんかはなかなかのものだと思いましたけど、でも小説としてはどうかな、という感じがしました。
まあこの作家は、これ一作で判断してしまうのもどうかと思うんで、もう少し別の作品も読んでみるつもりです。なかなか変わったタイプの作家だなということは分かったと思うんで、もしかしたら僕に合う作品もあるかもしれません。
まあそんなわけで、本書は特にはオススメしません。他の作品を読んだことがないんで判断は出来ませんが、作家としてはなかなか面白そうなので、また機会があったら読んでみます。


長嶋有「ねたあとに」



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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)