黒夜行

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ぷりるん。特殊相対性幸福論序説(十文字青)

今日は棚で不思議だなぁと思う話を二つ書きます。
一つは、西村京太郎や内田康夫など、とにかく似たようなタイトルでやたらたくさん作品のある作家についてです。
僕は西村京太郎にしても内田康夫にしても棚に結構入れているんだけど、ランクは結構無視していろいろチャレンジしています。ランクというのは何かという説明をしますと、出版社毎に棚の注文書というのがあって、そこに振り分けられている売れているのかどうかという情報のことです。例えば新潮社の場合、S・A・B・Cというランクで、Sだと凄く売れているということになります。通常の書店員であれば、ランクが高いものを中心に棚に入れるんだと思いますけど、僕は基本的にランクを無視して棚のラインナップを決めている、という話です。
で、西村京太郎や内田康夫の作品にしても、ランクを無視して初期の作品から最近の作品までいろいろ入れてみるんだけど、不思議なことに、売れるものと売れないものがかなりはっきり分かれるんです。
普通の作家なら、これは対して驚くようなことではありません。作品ごとに評価が違うだろうし、装丁なんかが気に入って買うみたいな人もいるでしょう。
でも西村京太郎にしても内田康夫にしても、どの作品もタイトルが似ているし、表紙だってそう大差ない感じ何です。それなのに、売れるものと売れないものにはっきり分かれる。とにかく不思議なのは、西村京太郎や内田康夫の作品を買う人は、一体何を基準に棚から選んでいるのか、ということですね。本当にそれが分からないんで、不思議だなといつも思います。
もう一つ不思議なことは、巻数モノの売れ方です。巻数モノは普通、1巻がたくさん売れて、2巻以降徐々に売れなくなって行くという感じになります。
でもごく一部の作品ですが、最終巻だけよく売れるという作品があるんです。
例えば新潮文庫の「屍鬼」。この作品は全5巻なんですが、1巻はまあ普通に売れていて、2~4巻までがほぼ売れていなくて、そして5巻だけが1巻以上に売れている、という謎めいた売れ方をしています。理由については、僕には見当もつきません。だって、1巻が年間5冊ぐらい売れてて、2~4巻については年1冊売れるぐらい、で5巻だけが年間で10冊ぐらい売れるんです。なんですか、この格差は。誰か分かる方いますか?
もう一つ。講談社文庫の藤沢周平作品「獄医立花登手控え」というシリーズがあります。これは全4巻なんですが、こちらについては1~3巻までがほとんど売れていないのにも関わらず、4巻だけが年間8冊ぐらい売れているという意味不明な売れ方をしています。これも理由がさっぱり分かりません。
「屍鬼」にしても「獄医立花登手控え」にしても、最終巻が売れていなかったら外そうと思っているんですけど、未だに外せないでいます。どうして最終巻だけ売れるなんていう現象が起こるのか。理解できないですねぇ。なんかこういう小さなことから、お客さんの消費行動をズバッと推測出来たりしたらいいですね。大崎梢の成風堂書店のアノ人にでも頼んだら一発で解いてくれるでしょうか。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本書はライトノベルです。ライトノベルはあんまり読まない(と言いながら近いうちにあと2冊読む予定なんだけど)ですけど、本書は一般文芸っぽい作品だと勧められたんで読んでみることにしました。
高校生の主人公・ユラキの周りには、変わった女性がたくさんいる。
妹のうずみは中学三年生。お兄ちゃん大好きで、お弁当を作ったあげたり洗濯をしてくれたりと甲斐甲斐しい。
クラスメイトの桃川みうは、みんなのアイドル的存在で可愛いんだけど、誰とでもすぐ付き合ってセックスをしてしまう。
電研部長の小野塚那智は、部員をこき使って何やら意味不明なプロジェクトを進めている。
放浪の旅から帰ってきた姉・綾は、思春期にユラキにトラウマを残したほど性について奔放。
あと一人。小学校からずっと同じクラスだった変人・ぷりるん。最近「ぷりるん」以外の言葉を一切発しなくなったためにそうユラキはそう呼んでいる。
こんな面々との学校生活を描いた作品です。
オススメしてくれたのに申し訳ないことですけど、朴的にはまあまあだったかなぁという感じです。まあでもこれは、多少読んだ時期にも問題はあるんですけど。昨日読み終わった、辻村深月の「名前探しの放課後」が、僕の中では超絶的に素晴らしい小説だったんで、その後に読む小説は多少霞んでしまうだろうなという感じはあります。
キャラクターは割とみんな面白いと思うんです。特に僕がいいなと思うのは部長の小野塚と姉・綾なんだけど(どっちかっていうとキツい性格の女性の方が面白いと思うんですよね。妹・うずみとかクラスメイト・桃川みたいなキャラはあんまり好みじゃない)、全体的にぶっとんだキャラクターが出てくるんで、そういう意味では悪くないです。ぷりるんも意味不明だし。ぷりるんみたいなのが周りにいたら、ちょっと疲れるだろうなぁ。キャラクター紹介のところに書かれているキャラクターの絵の中では、ダントツで姉・綾がいいです。
ストーリーは、うーんという感じで、なんだろうなぁという感じでした。たぶん、ユラキと五人の女性との関係をきちっと描こうとしたら、もうすこし分量が必要なんだと思うんだよなぁ。250ページ程度の分量では、どうしても薄くなってしまう。もっと、400ページくらいの分量にするつもりで書いて、ユラキと五人の女性の関わりをもう少し深く書いたらよかったのかなぁとか思ったりしますけど、でもその場合、ライトノベルとしてどうなんだろうという疑問が出てくることになるでしょうか。
まあそんなわけで、うまく評価することは出来ませんが、僕としてはまあまあという感じだったでしょうか。しかしユラキはモテすぎじゃないかと思うなぁ。ライトノベルっていうのはみんな大体こんな感じなんでしょうか。

十文字青「ぷりるん。特殊相対性幸福論序説」



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Comment

[3626]

おお。あんまりでしたか。それは失礼。

[3627]

ちなみに、普段は1000ページ超えで数冊に渡る内容ですけど、この本に関しては話の勢いもたせるため、内容と分量を絞った感じですね。
こってりした辻村作品のあとだと、そういう感想になるのは分かります。

[3628]

勧めてくれたのにすいませんです。
やっぱり、辻村作品の後に読んだというのもかなり大きいと思いますけど。
ライトノベルって、ちょっとずつつまみ食いをしてきましたけど、なかなか合う作品がないんです。
僕の中では「狼と香辛料」が唯一いいなと思えるシリーズなんです。
そうですよね、やっぱり普段はもう少し長い作品を書く作家ですよね?
ストーリー的にもキャラクターの描き込みについても、ちょっと弱いかなぁと感じてしまいました。
機会があったら、「薔薇のマリア」も読んでみます。
また何かオススメがあったら是非教えてください!

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2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
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8位 池井戸潤「下町ロケット
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