黒夜行

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ねこ耳少女の量子論 萌える最新物理学(竹内薫)

そろそろ内容に入ろうと思います。
本書は僕には珍しくマンガです。しかも、タイトルにもあるように萌え系のマンガです。ねこ耳少女とか出てきます。あんまりマンガを読まないんで王道なのかどうなのか正確には分からないけど、でも失恋した男がちょっと変わった女の子と運命的な出会いをして…みたいな話はやっぱり王道な気がします。
しかしその変わった少女というのが、何と量子論が大好きな女の子だったのだ!
好きだった女の子が学校で別の男子とキスしているのを目撃してしまった少年・勇希は、ある日一人の女の子と出会う。あいりと名乗ったその少女は、何故か物理の話を、というか量子論の話ばかりを勇希にするのだ。物理の話なんかさっぱりの勇希は、しかしこんな可愛い女の子と喋れるんだからと、あいりの語る量子の話を理解しようとするんだけど…。
というような、超初心者向けの物理入門書です。
読む前から分かっていたことだけど、僕には易しすぎる本でした。理系の人間が読んだら、当たり前のことばっかり書いてあって、物理的な部分で面白さを感じることはないと思います。とにかく本書は、基本的に文系で物理とかまったく意味不明で、量子?何それ?美味しいの?とか言うような人向けの本です。
本書は、細かいところをかなり省いているし、ざっくりとした説明に終始しているんで、この本を読んで理解したというレベルに達するのは難しいだろうなと思います。僕の解釈では、本書はそういう本ではありません。理解を求めるんではなくて、その量子論の世界の入り口に立つ、みたいな感じです。
量子論というのは、本当にハードルの高い物理理論です。何故なら、僕らが普段持っている常識をいとも簡単にぶち壊していくからです。相対性理論にしても量子論にしてもそうなんですけど、そういう20世紀に進化していった物理理論というのは、僕らに一つの事実を突き付けます。
それは、僕らが普段生きている世界というのは、世界全体からするとあまりにも非常識だ、ということです。つまり、僕らが普段常識だと思っていることは、世界全体から見ればあまりにも例外的で非常識なことなんです。
だから、世界全体を記述する量子論や相対性理論が奇妙に見えるのも当然です。非常識なことを常識だと思ってきた僕らには、いきなりこれが常識です、なんて言われてもそれを受け入れるのはなかなか難しいものがあります。
そんな、常識の枠組みを壊す必要のある理論なんで、その世界には簡単には入っていけない。
目の前に一枚のドアがあると思ってください。そのドアをくぐれば、量子論の世界に足を踏み入れることが出来るとしましょう。本書は、木で出来ているそのドアを透明にする、というような効果のある本だと僕は思います。ドアが開いたわけではないので量子論の世界にまだ入り切れていないんだけど、ドアが透明になったんでその世界のことはちょっとは目に入るようになる。それで興味を持ったら、次はどのドアを自力で開ける努力をする。本書はそんな役割の本ではないかなと思います。
なので、本書を一冊読んだからと言って、量子論の概略について大雑把にでも理解できる、と思ったらそれは違います。本書はあくまでも、量子論というものへの抵抗を軽減させて、興味を抱かせるという目的の本なので、本書を読んで量子論に興味を持ったら、是非何か他の本も読んで欲しい、と僕は思います。
萌えマンガとしての評価は僕には分かりませんが、バイト先のスタッフの一人は絵が可愛いと言っていました。まあ、ねこ耳少女あいりのキャラクターはなかなか面白いと思いますよ。
僕が持っている本では、2009年2月23日初版で、2009年3月31日の時点で4刷りまで行っています。割と売れているみたいですね。僕としては、やっぱり簡単すぎたんでそこまで面白くはなかったけど、こういう本はあっていいと思います。量子論って難しそう、物理ってわけわかんない、と思っている方、ちょっと読んでみて欲しいなと思います。

竹内薫「ねこ耳少女の量子論 萌える最新物理学」




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Comment

[3508]

こんばんは。暑い一日でしたが、ご存じないですよね。
なるほど!物理が苦手の私には手軽な入門書ですね。しかし、しかし、です。私は物理よりマンガの方がもっと苦手ときています(笑)。これは、もうどうしようもないことです(泣)。また通りすがりさんにとっては簡単すぎてつまらない本だったそうですが、私も以前『宇宙授業』という本(ジャクサの人が書いたもの)を読んだときに新しい発見がなくてガッカリした経験があります。そんなことならもうとっくに知っているということの羅列だったからです。量子論や相対性理論の世界で、自分たちの世界の常識が通じないということは、ある意味おもしろいですね。相対性理論はタイトルを誤解した人(いわゆる性愛の本)が買ったために大いに売れた、とは高校時代の物理教師の話です。おそらく立ち読みもできなかったのでしょう(笑)。
いよいよ『1Q48』が出ますね。amazonの予約の話はネットでも流れていましたが、新潮社は発売前から増版を決めたそうです。上下別に23万部とか…。そういえば『アフターダーク』は、結局どうなのでしょうね。表紙の弥勒菩薩像はなかなかステキでしたが、内容はちょっと理解不能でした(泣)。羊の頃の方が好かったなぁ、と思いました。春樹本は、本当は私には合わないのかも…と思っていますが、最近次男が凝り始めて目下『アンダーグラウンド』を読んでいるようですので、私としてはこの新作は買わないわけにいきません(笑)。貧乏学生には痛い出費でしょうから。
熊谷達也さんは『ゆうとりあ』に続き『マイ・ホームタウン』に進みました。『邂逅の森』の重厚さは消え、軽く読める作品です。新作は差別を扱った本ですか? 古くは『夜明け前』でしょうが、被差別部落問題では『橋のない川』が有名ですね。あるいは在日の方が登場する作品でしょうか。これはたくさんありそうです。
昨日、大崎善生さんの『九月の四分の一』を読みました。女性好みでしょうが、とても好い読後感でした。次は『ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶』を読みたいと思います。『九月の~』の女性版らしいです。
通りすがりさんは本の洪水の中に埋もれそうですが、何とか頑張って泳ぎ切ってくださいね(笑)。私は年相応のほどほどの頑張りで乗り切りたいと思います。マスク着用で不便でしょうが、これも接客業の試練ということで諦めるしかないようですね。しかし、インフルエンザに罹った人が使うには(他人に感染させない)効果があるそうですが、そうでない人にとっては意味がないとも思いますが…(泣)。

[3509]

こんばんわです。段々暑くなってきましたが、こんな暑さに負けていては夏死んでしまうと思って、まだ長袖を着ています(笑)
ドラさんは、まだ物理に関心があったりするんで、本作はあんまりお勧めできないですね。本書は、そもそも物理なんて嫌!見るのも聞くのも嫌!みたいな人向けだと思うんで。内容的には非常に簡単で、特に掘り下げてあるわけでもないので、本当に量子論について知りたいということでしたら、新書とかを読んだ方がいいと思います。新書なんかだと、割合手頃な入門書が結構あったりします。
量子論や相対性理論の登場によって、人々は常識の転換を余儀なくされましたからね。量子論なんかでは、『一つの量子は、二つのスリットを同時に通り抜ける』なんてことが普通に起こったりするわけで、もはや僕らの常識では理解できない世界です。
「1Q84」の増刷の話、僕も見ました。すごいですよね。発売前重版というのは時々ありますけど、初版で25万部っていうのはなかなかないんじゃないかなと思います。「アフターダーク」は確かにちょっと…、という感じでしたね。僕の中では「海辺のカフカ」みたいな作品がいいんですけど。「世界の終り~」とか「ダンス・ダンス・ダンス」みたいな感じでもいいですけどね。とにかく、何にしても楽しみです。
熊谷達也の6月に出る集英社文庫の新刊は差別を扱ったものらしいです。「橋のない川」って完結してないんですよね?確か完結する前に著者が死んじゃったとか…。7巻ぐらいあるのに、まだ完結してないのか、と思った記憶があります。とりあえず、講談社文庫の「被差別部落の青春」という文庫を発注してみました。
大崎善生は女性向けでしょうね、恐らく。「パイロットフィッシュ」なんかを読んで、まあ悪くはなかったと思いますけど、そんなにでもなかった気もします。この著者は元々将棋雑誌か何かの編集者をやっていて、デビュー作は「聖の青春」という、若くして死んだ天才棋士の生涯を描いたノンフィクションです。持ってるんですけど、まだ読んでません。
そうなんですよね。インフルエンザに罹った人がマスクをするならいいんですけど、罹らないようにする方にどれだけ効果があるのか、ってことですよね。噂では一応、今月いっぱいでマスクは終了ではないか、という話ですが、本当にもうマスクは止めにしたいです。
本の洪水がすさまじい勢いで襲いかかってきますが、なんとか泳ぎ切ります!今日も、三浦しをんの「光」を買ってしまいました。買いすぎですね。ドラさんも、洪水を恐れずバンバン読んじゃってください!

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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)