黒夜行

左脇のプロフィールにある「サイト全体の索引」から読みたい記事を探して下さい。

ジウⅢ 新世界秩序[NWO](誉田哲也)

さて今日はとりあえず眠いんで本屋の話はさらっと。小さな話を二つ書いて終わろうと思います。
まず一つ目。これは不思議な話です。同じ雑誌が二日続けて入ってきた、という話。
『中央公論』という雑誌があります。今日雑誌開けをしている時、その雑誌を売場に並べようとしたところ、既に売場に10冊平積みになっていました。雑誌の担当者に確認すると、前日(8日)に10冊入荷している、とのこと。そして今日(9日)に9冊また入ってきたわけです。
しかし8日に入ってきた10冊分は、データが入ってきていません。つまり、店内には今19冊あるんだけど、データ上は9冊しかない、ということです。
まあ恐らく、他の店に渡るはずだった分が何故か間違ってウチに入荷してしまった、みたいな話だと思うんだけど、まあどうなんでしょうね。
もう一つはムカつく話。よく分からない万引きの話です。
昨日(8日)に売場を見ていたところ、平積みしていた文庫の一番上だけ濡れていました。よく見ると、ただ濡れているというのではなく、濡れてしばらく放置していたような状態のものでした。スリップ(本に挟まっている紙)もありませんでした。
つまり僕はこう判断しました。誰かが、自分が持っていた濡れてしまった文庫を店の商品とすり替えたんじゃないか、と。まあそれが事実だとしたら激しくムカつく話です。
しかしちょっと考えてみれば、そのやり方は頭のいい方法ではないことがわかると思います。ただ盗むだけなら、目撃されなければ盗んだという事実さえ伝わらないかもしれないのに、濡れた本を残して行ってしまったがために、盗んだということが発覚してしまったわけです。
そう考えると、これは何かのメッセージなのかも。この本を盗んだ、ということを伝える以上のメッセージが何かそこに込められていたとしたら…、とコナンのようなことを考えてしまいますが、まあ実際はそいつがアホだったというだけの話でしょう。
万引きはホントやめてほしいものです。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本書は、ジウシリーズの3巻目にして最終巻です。これまでの流れを超大雑把に書くと、女刑事である門倉美咲と伊崎基子が、誘拐事件や立てこもり事件に端を発する巨大な事件に立ち向かっていく、という話です。大雑把すぎますか?
門倉美咲は、相変わらず東主任と組んで一連の事件の捜査を続けている。大きな犠牲を出した事件を経て、捜査を続ければ続けるほど混乱の極みにはまり込んでいくが、二人は粘り強い地道な捜査を続けていく。
また門倉は、伊崎の様子が気にかかっている。あの日以来、どうも彼女はおかしい。門倉は伊崎に嫌われているという自覚があり、うまく助けになることが出来ないが、何とかしてあげたいと思っている。
一方の伊崎は、すったもんだの挙句、またSATへと戻ってきた。価値観がグラグラと揺さぶられる中、自分自身が正しいと思える道へと突き進んでいく伊崎。その先に待っているものが何であるか分からないが、そう悪くもないだろうと信じて…。
そうこうしている内に、最悪の事件が発生する。街頭演説の応援にやってきた総理大臣を標的としたテロが発生し、総理大臣が囚われてしまった。新世界秩序と名乗る集団から狂気の沙汰とも思える要求が飛び出し、歌舞伎町の街は地獄絵図と化す…。
というような話です。1巻2巻のネタばれをするわけにはいかないのでかなりぼやけた感じの内容紹介になってしまいました。
いやはやしかし、これは滅茶苦茶面白かったです!1巻を読んだ時は、まさかこんな面白いシリーズだとは思いもしませんでした。2巻3巻と進むにつれてどんどんと面白くなっていきます。3巻を読み終えた今は、もっと続きが読みたいなぁという気分です。門倉と伊崎のコンビでシリーズにならないですかね。まあその場合、門倉はともかくとして、伊崎はかなりアクロバティックな展開がないとちょっと難しいでしょうけどね。
2巻を読んだ時点で3巻目に期待した内容は、正直ほとんど触れられませんでした。2巻で竹内という元自衛隊員が、新世界秩序の理念というか考え方みたいなものについて触れていた部分があって、それが今後どんどん明らかになっていくんじゃないかなと期待したんだけど、そんなことはありませんでした。しかし、そんなことどうでもよくなるくらい面白いストーリーで、どんどん先を読みたくなって行く感じです。
3巻目では、1巻2巻で随所に仕掛けられた伏線がバンバン回収されて行きます。実にお見事。二転三転する展開には驚かされるし、様々なことが少しずつ徐々に明らかになっていくというストーリーテリングも見事だなと思いました。3巻目になると、具体的な内容にはほとんど触れることが出来ないんで相当曖昧な言い方しか出来ませんが、まさかそんな事態に!まさかあの人が!まさかこんな時に!というようなハラハラさせる展開がバンバン出てきて飽きさせないです。
1巻そのキャラクターが好きになった伊崎基子ですけど、2巻3巻と読んでいくにつれてそのぶっ飛んだ性格にも慣れていったのか、正直キャラクターとしての新鮮さはちょっと薄れて行きました。しかし一方で、優しいという以外そこまで取り柄のなさそうな門倉美咲のキャラクターがどんどん厚くなって行って、2巻3巻になるにつれてその存在感がどんどん増していった感があります。1巻では伊崎基子の強烈さの陰に隠れているようなところはありましたけど、芯の強さでは門倉美咲も負けていないし、感情の揺れが素直なんで読んでて結構楽しかったです。たぐい稀な優しさが時に仇になる時もあるけど、どんな時でも優しさを見失わない姿は良かったなと思います。伊崎基子もいいキャラクターですけど、門倉美咲もかなりいいですね。
他にもいいキャラクターは結構いて、他の作品は「ストロベリーナイト」しか読んでないけど、誉田哲也の作品はキャラクター造形が本当に秀逸だなと思っています。まさにキャラが立っているという感じで、特に本作なんか主要な登場人物がそこそこ多い作品なのに、それを描き分けられているというのは素晴らしいと思います。
本書のメインのストーリーにはほとんど触れられないんで感想が全体的に具体性を欠きますが、メインのストーリーとは関係ない部分で僕が大好きな箇所があります。
最後のエピローグみたいな部分にある、
「あのさ、…僕、美咲さんと、なんか、約束したい」
っていうセリフが相当好きです。最後の最後までいい感じで終わってくれるなコノヤロー、って感じでした。このセリフが何でグッと来るのか、っていうのは自分で読んでみてください。
久々にのめり込むようにして読みました。このシリーズは滅茶苦茶面白いです。まだ読んでいない人は本当に損しています。是非是非読んでみてください。面白かったなぁ。

誉田哲也「ジウⅢ 新世界秩序[NWO]」




関連記事

Comment

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

Trackback

http://blacknightgo.blog.fc2.com/tb.php/1454-af3a064d

 | ホーム | 

プロフィール

通りすがり

Author:通りすがり
災害エバノ(災害時に役立ちそうな情報をまとめたサイト)

サイト全体の索引
--------------------------
著者名で記事を分けています

あ行
か行
さ行
た行
な行
は行
ま行
や行~わ行

乃木坂46関係の記事をまとめました
(「Nogizaka Journal」様に記事を掲載させていただいています)

本の感想以外の文章の索引(映画の感想もここにあります)

この本は、こんな人に読んで欲しい!!part1
この本は、こんな人に読んで欲しい!!part2

BL作品の感想をまとめました

管理人自身が選ぶ良記事リスト

アクセス数ランキングトップ50

TOEICの勉強を一切せずに、7ヶ月で485点から710点に上げた勉強法

一年間の勉強で、宅建・簿記2級を含む8つの資格に合格する勉強法

国語の授業が嫌いで仕方なかった僕が考える、「本の読み方・本屋の使い方」

2014の短歌まとめ



------------------------

本をたくさん読みます。
映画もたまに見ます。
短歌をやってた時期もあります。
資格を取りまくったこともあります。
英語を勉強してます。













下のバナーをクリックしていただけると、ブログのランキングが上がるっぽいです。気が向いた方、ご協力お願いします。
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

アフィリエイトです

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
本・雑誌
7位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
和書
6位
アクセスランキングを見る>>

アフィリエイトです

サイト内検索 作家名・作品名等を入れてみてくださいな

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

カウンター

2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)