黒夜行

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Presents(角田光代)

そろそろ内容に入ろうと思います。
本書は今事情があって売らなくてはいけない本で、それでちょっと読んでみることにしました。読む前から予想はしていましたが、やはり僕には合わない作品でした。これは作品のせいというより、合う合わないの問題です。やはり本書は女性向けの作品だなということを確認しました。
12編の短編が収録された短編集です。タイトル通り、どれもプレゼントに関わる話になっています。それぞれの短編のタイトルが、もらったプレゼントになっています。

「名前」
自分の名前が嫌いだった女性の話。子供の頃からずっと嫌で、別の名前になりたかった。大人になって結婚して子供が生まれるという時、名前を考えることになったけど…。

「ランドセル」
他の子供が普通に出来ることが出来ない子供だった。幼稚園から小学校に上がる時も嫌だった。逃げたかった。またどうせきちんと出来ないのは分かっていた。そんな時にもらったランドセル。何でも入りそうなほど大きかった…。

「初キス」
それまで話したことなんてほとんどなかった男子から一緒に帰ろうと言われた。渡したいものがあるんだ、って。今日は私の誕生日。何かくれるつもりなんだろうけど…。

「鍋セット」
田舎から出てきて東京で一人暮らし。狭くて古い家に住まなくてはいけない不安から、上京して引っ越しを手伝ってくれた母に当たってしまう。母は突然、鍋セットを買わないとと言って店に向かうが…

「うに煎餅」
大学時代付き合っていた彼氏に冷たくされて、私は合コンに走った。そこで知り合った百点満点の男。高いレストラン、ホテルのバー、大人な振る舞い…。でもなんか違うような気がする…。

「合い鍵」
八年間付き合った彼に振られた。まさか振られるとは思っていなかった。この八年間、様々なことを乗り越えてきた。このままずっと続くと思っていたのが私だけだなんて恥ずかしい…。

「ヴェール」
結婚式当日。ヴェールだけがまだ届かない。高校時代の友人が作ってくれることになっていた。高校時代、席が近かったからというだけの理由で仲良くなって15年。これからも彼女たちと同じ時を過ごしていくのだろう…。

「記憶」
夫が浮気した。家事のストライキを始めて一週間。もうなんだかどうでもよくなってきた。そんな時、夫が温泉に行こうと言ってきた。付き合って初めて二人で行ったところだ…。

「絵」
結婚後の理想の生活とはほど遠い。私は毎日息子に怒っている。息子は泣くのをこらえたような眼で私を見る。夫に相談してもなしのつぶて。学校からも何度も呼び出しを受けているんだけど…。

「料理」
風邪を引いた。起きていられない。とにかく横になっていると、息子も娘も私の心配なんかまるでせずに夕飯の心配ばかりしている。夫よ、お前もか…。

「ぬいぐるみ」
一人娘の結婚式の朝。結局いつもと変わらない。バタバタしながら式場へと向かう。これでいいのかな、と夫は言う。娘のことではない。私たちのことについてだ…。

「涙」
目が覚めた時、自分がどこの誰で何をしていたのか、最近よく分からなくなる。過去の人生のあらゆる場面が時間続きのようにして目の前に現れることがある。そうか、もう夫は死んだし、幼馴染みもいないのか。形見分けはどうしたらいいだろう…。

というような感じです。
先ほども書きましたけど、ちょっと僕には合わない作品でした。角田光代の作品を読むのは三作目ですが、本書はちょっと合わないです。江國香織なんかは好きなんだけど、恋愛っぽい小説を書く他の女流作家はあんまり合わない。角田光代は別に恋愛に特化している作家というわけでもないんだけど、あんまり合わないです。「対岸の彼女」は結構よかったけど、評判の高い「八日目の蝉」はそこまで言うほどかなぁという感じだったし。だからこの作品も、僕にはダメだったけど、女性が読んだらわかるわかるというような作品なんではないかなと思います。
とにかく装丁が綺麗ですね。中の絵も素敵です。ジャケ買いしていく人も多いんだろうなと思います。
事情があって売らなくてはいけない本なんですが、ウチではなかなか順調に売れています。4/22から昨日(4/27)までで13冊売れています。まあ店の規模がどれくらいか分からないと判断できないでしょうが、ウチの店としてはかなりいいスタートという感じです。
本書を読んでいない時にPOPを作りましたが、しかしそのPOPが超適当なんです。僕が10分で作りました。読んでないから内容に触れられないので、POPの文章はこんな感じです。

『僕からのプレゼントです。
あ、でもお金は払ってください。すいません…』

まあこのPOPがついてるから売れてるなんてことはまずあり得ないでしょうけど、これからもバリバリ売れてくれればいいなと思います。
というわけで、僕はダメでしたが、女性受けする作品ではないかなと思います。装丁も可愛いので目を惹くんではないかと。気になったら読んでみてください。

角田光代「Presents」




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Comment

[3493]

こんばんは。今日は風が強かったですね。先日はありがとうございました。年齢と共に分別がつくものと思っていましたが、それなりに気を配らないと無理なようで、本当に失礼を致しました(泣)。
短編集はご感想を書くのが大変ですね。私もかなり前にこの本を読んだ記憶があります。メモを見ると3年前です。表紙に惹かれて買ったのか(or借りたのか)さえ忘れましたが、ちょっと心にグッと来る話も含まれていたような気がします。「名前」は実に温かい話では…と思いますが、いかがでしょうか? 平凡ですが、両親の思いが分かりますよね。しかも、こんなに後になって。
私は角田さんの作品を全部で10冊ほど読んでいますが、『対岸の彼女』『世界にこの本が存在することに』とこの『Presents』が★マークになっています。自分でつけておきながら無責任ですが、読んだ直後はそう思ったのでしょう(笑)。
そう言えば、先日『わくらば追慕抄』を読みました。『わくらば日記』の続編ですが、鈴音と和歌子の姉妹が相変わらず好い味を出していました。このレトロな雰囲気はお気に入りです(笑)。
それからもう一冊、石田衣良さんの『シューカツ』、へエッ~という感じで読みました。マスコミ(出版、放送関係)への就職を考えている大学生7人のお話です。私には所詮縁がない話と思いましたが、就職や結婚など「活動」ということをしないと無理という世の中が変ですよね。行き当たりばったりで人生の節目を選択してきた私などの世代の者には理解できません(泣)。シューカツはともかく、婚活なんて一体どんな経緯で生まれたのでしょう。本末転倒では?と首を傾げます。特に親が夢中って、子どもにとっては余計なお節介ですよね(笑)。
では、この辺で。日々気温の差が激しいので、ご自愛くださいますように。

[3494]

こんばんわです。風が強かったでしたっけ?大抵の場合建物の中にいるのでどうもよくわからないですねぇ。
先日のアレは、まあ僕は大したことではなかったと思いますけどね。そんなに気にしなくて大丈夫だと思いますよ。
そうなんですよね、短編集は感想を書くのが大変です。やっぱり女性向けの作品なんでしょうね。僕は正直うーむ…という感じでした。話自体はどれもいいんですけど、それが特段自分の中に染み込んでこないというか…。本の評価は難しいですが、本自体がダメなのか、あるいは僕に合わないだけなのか、という点は意識するようにしています。
「わくらば追慕抄」出てましたね。同時に「わくらば日記」が文庫になりました。残念ながら「わくらば日記」はあんまり売れなかったんですけど…。朱川湊人はすごくいい作家なのに売れないのが残念です。「わくらば追慕抄」、読んでみたいですね。
最近は婚活ってのが流行ってるみたいですからね。僕は基本的に結婚に興味がないので婚活はまあどうでもいいんですけど、就活については昨日面白い本を読みました。感想を書きましたが、「先着順採用、会議自由参加で「世界の小企業」を作った」という本で、タイトル通り採用はすべて先着順。面接や書類審査など一切なし、学歴や年齢や国籍も関係なし、という会社です。すごい会社ですよね。就活なんて絶対出来ないと思っている僕にはいい会社かもしれません(笑)
今日から僕は沖縄に行ってきます。しばらく更新が途絶えますがご心配なさらぬようお願いいたします。しかしホント、何とも言えない気候ですね。

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小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
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8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
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12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
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14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
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18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
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コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
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5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
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14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
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新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
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13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
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