黒夜行

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テンペスト(池上永一)

こんな辺境のブログ「黒夜行」を日々見てくださっているという奇特な皆様。お久しぶりでございます。実に二週間ぶりの感想となりますです。
実はパソコンがぶっ壊れまして(完全に電源が入らなくなった)、修理に出しに行ったところ新しく替えた方がいいよということだったので買い替えたわけなんです。前のパソコンからデータを移したりしてもらう関係で、しばらくパソコンのない生活を余儀なくされた、とこういうわけなんでございます。僕の感想を読まなくては死んでしまう!なんていう変人は世の中にはいないでしょうが、少しでも楽しみにしてくれていたという方がいましたら申し訳ありませんでした。今日一気に溜まっていた感想を書いて、それ以降はまた通常通りの運営をしていければなと思っています。
しかし幸いなことに、二週間も感想が書けなかったのに、その間に溜まった感想はたった4冊分。実は長い本ばっかり読むタイミングでパソコンが壊れまして、そこだけが不幸中の幸いかなという感じです。感想を書いていないものは、「テンペスト」「新世界より」「出星前夜」「できるかなV3」の4冊で、その内前3冊は本屋大賞ノミネート作です。ノミネート10作をすべて読んで投票するために読んでいた時期で、しかもこの3冊はすべて重量級。ある意味でいいタイミングでパソコンが壊れてくれたものです。
新しいパソコンはやっぱりまだキーボードが慣れないですね。前とそこまで変わらない速さで打てているとは思うんだけど、時々ちょっとつっかえるんですね。まあしばらくバリバリ感想でも書いて、このキーボードに慣れようと思います。
さて、というわけでブログ再開ですけど、再開記念みたいな目玉の話題があるわけでもありません。これまでと同じく、普通の本屋の話を書こうと思います。
今日は、書店の棚に本を挿す時、帯をどうするのかという話をしようと思います。今回も、主に文庫・新書の話になります。
皆さんが行かれる本屋の棚をよく観察して見てほしいんですけど、そこに入っている本には帯が掛っているでしょうか?それとも外されているでしょうか?
書店の棚に入っている本の場合、割と帯が外されているケースの方が多いと思います。その理由は、帯を取ってしまった方が、より多くの本を棚に挿すことができるからです。
たかが帯、と思うかもしれませんが、侮ってはいけません。例えば、僕のいる本屋の文庫の棚には、1段に大体60冊の文庫が入ります。そのすべての文庫に帯が掛っているとすると、帯の厚さ×4×60(何故2を掛けるかというと、表紙側と裏表紙側で帯の厚さが二度関わり、かつその両方の折り返しの分も考慮するため)分の厚さが余計に必要になってくるんですね。紙の厚さというのがどのくらいなのかわからないけど、帯を全部外すと薄い本なら1、2冊くらいは余計に入れられるのではないかなと思います。
また帯を取るもう一つの理由としては、破れたり引っかかったりして取り出しにくくなるからです。もしかしたらそんな状態になった本を棚から引き抜いたという経験がある方もいるかもしれません。
またもう一つ、作業効率上帯を外した方がいいというケースもあります。書店に行って文庫の棚を見てみてほしいんですけど、文庫の背の上部か下部のどちらかに、<あ 1-8>みたいな感じの表記があると思います。作家名の通し番号みたいなものですけど、これが文庫の背の下部にある場合、この通し番号が隠れて見えなくなってしまうというケースがあるんですね。通常帯の方にも通し番号が印刷されているんですけど、そうでないというケースもあるわけです。
この通し番号が隠れているとどんな不都合があるのかというと、棚チェックをする際にちょっとめんどくさくなるんですね。棚の一覧表というのがあるんですけど、そちらにもすべてこの通し番号が書かれていて、それを見ながら棚チェックをするのが一般的だと思います。その通し番号が隠れてると、棚チェックの際に支障をきたすことになります。
しかし、僕はそういうデメリットをすべて受け入れた上で、棚に入れる時も帯をそのまま残しています。
本って、買って読んでみないといいかどうかって分からないですよね。だから買う前には出来うる限り多くの情報を手に入れられるようにしてあげる方が親切だと僕は思っているんです。
帯には通常、煽り文句とか映画化情報とか誰かからの推薦コメントみたいなものが載っています。こういうようなものを邪魔だと感じる人も確かにいるだろうとは思います。実際作家の森博嗣は帯がかなり嫌いみたいで、自分が出す本にもなるべく帯をつけないで欲しいと要望したりするみたいです。しかし一方で、帯に書かれていることを参考に本を選ぶという人は絶対いると思うし、それが売り上げに繋がるというのであればあった方がいいと僕は思うわけなんです。
そもそも棚に入っている本というのはアピールするのが難しいんです。平積みにしている本だったら、手に取らなくても表紙や帯の文句が見えるし、POPがついているような場合もあるかもしれません。そうやってアピールする方法がたくさんあるのに、棚の場合はそれが極端に制限されるわけです。その上でさらに帯まで取ってしまったら、さらに情報が制限されてしまいます。そうなると棚から本が売れるチャンスがどんどん少なくなって行ってしまうのではないかと思うわけなんです。
お客さん的にはどっちの方がよりいいのか、というのはイマイチよくわからないわけなんですけど、それでも僕は自分のやり方を信じてこれからもやっていこうと思います。
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は本屋大賞のノミネート作に入った一冊です。長い作品ではありますが、これがとんでもない傑作でした!大げさではなく、僕がこれまで読んだ本(約1700冊ぐらい)の中でも、トップ20には間違いなく入るほど素晴らしい作品でした。正直池上英一は、「シャングリ・ラ」と「レキオス」を読んだ時点で、もういいかなと思っていたんです。どっちも割と面白い作品だったけど、なかなか読みにくい作品だったし、その世界に入り込みづらいという部分もありました。本屋大賞のノミネート作に入っていなかったらまず読むことはなかったでしょう。本当に読んでよかったと思える素晴らしい作品です。
舞台は幕末(たぶん。歴史に関する知識がないので適当ですけど、江戸時代末期で、物語の最後の方でペリーが来たりするような、そんな時代です)。当時まだ琉球王朝と呼ばれていた沖縄が舞台です。琉球は清国と薩摩藩の二重支配を巧みに利用して独立を保っている国で、その独特の政治形態を維持するために、評定所筆者という超一流の頭脳を持った人間しかなれない特別な役職がある。評定所筆者になるためには、科試という最難関の試験を突破しなくてはいけない。科試は、中国の科挙を模して作られるもので、答えのないところに答えを見出すという難問を常に相手にしていかなくてはいけない評定所筆者への適性を計る難関である。
一人の女児が、ある嵐の晩に生まれた。その父親は、息子に科試を突破させるのが夢であり(科試は男しか受けることができない)、男児を切望していたのだが、生まれてきたのは女児。そのあまりの落胆に、数年間その女児に名前さえつけなかった程だった。
この女児が真鶴である。真鶴の父は、親戚から養子にもらってきた兄に英才教育を施すも、まったく見込みがない。しかし真鶴は、女が勉学に励んではいけないという風潮の中、隠れてさまざまな知識をため込んでいた。その知識は、とても10代前半の少女とは思えないものだった。
ある日のこと。勉学に耐えられなくなった兄が失踪した。その夜、真鶴は決心を固め、父にこう嘆願する。
「私を宦官ということにして、科試を受けさせてください」
こうして真鶴は寧温という名の宦官を偽り試験を受け、紆余曲折ありながらも科試を突破、史上最年少で評定所筆者になる。
しかしここからの寧温の人生は波乱に満ちたものとなっていく。性別を偽って王宮に居続ける苦労は絶えず、また年若くして慣習を無視して無茶なことをする寧温に風当たりが強くなっていく。さまざまな儚い恋も咲いては散り、散ったと思えばまた咲くと言ったことを繰り返す。異端児の寧温は周囲に敵を作り続けることになり、ついに王宮を追われることになるのだが…。
というような話です。
なるべくネタばれをしないように書こうと思っているのであんまり踏み込んだ内容は書けませんが、とにかくですね、まさにジェットコースターのような展開の連続なんです。よくもまあここまで壮大なストーリーを紡ぎだしたものだ、という感じで素晴らしいんです。
まず設定がいいですよね。男しか受けられない科試を女が受けるために、宦官であると偽るっていうだけでも無茶苦茶なのに、評定所筆者になる過程も無茶苦茶だし、王宮での再会もすごいし、評定所筆者になってからの活躍も天衣無縫、それになんと言っても王宮を追われてからのストーリーは荒唐無稽を通り越してもはやありえません!誰もあんなストーリーを思いつけないだろうと思います。まさか王宮を追われてからあんなことになるなんて…!まさに予想外、最終回2アウトからの満塁ホームランよりもありえない大逆転を寧温は見せてくれます。
本作の読みどころの一つに、評定所筆者としていかに難問と立ち向かうかというものがあります。つまり、どうやって対処しても問題が残ってしまうような答えの出ない事態に対して、評定所筆者としていかに対処するのかという点が実に面白いんですね。清国との貿易トラブル、王ですら手をつけられなかった王宮内の財政改革、遭難者への対応など、どれも対応を少しでも間違えると琉球王国が破たんしてしまうのではないかという難問に、寧温は次々と対処していくことになります。寧温は琉球のためになることなら、自らの身を顧みずに猪突猛進出来る人間で、そんな寧温だからこそありとあらゆる最難関の事態に対処出来るわけなんです。寧温はこうした過程でどんどん敵を作り、王宮内で孤立していくことになるんだけど、それでもまったくめげることはありません。評定所内で唯一と言っていい友人であり、寧温と同時に評定所筆者になった朝薫だけが常に味方をしてくれるのだけど、その朝薫さえ寧温を見放してしまうような瞬間があります。そんな絶望的な状況の中でも、寧温はつねに琉球王国のために難問に対処していくわけです。この、難しい問題にいかに対処していくのかという部分は、読んでいてかなり面白いなと思いました。
また別の読みどころとしては、恋愛がありますね。本作の恋愛は非常に倒錯的で普通ではなくて、そこが実に面白いし、いわゆる腐女子と呼ばれる方々にはキュンキュンしてしまうのではないかと思われるような場面がたくさんあるわけなんです。
すべては、寧温が男と偽っているということが問題なんです。寧温(真鶴)はとにかく絶世の美女であり、男装をしてもその魅力は隠しきれるものではありません。その魅力に、評定所内唯一の味方である朝薫(これはもちろん男です)が惹かれていくわけです。
しかし朝薫はもちろん寧温のことを男だと思っているわけなんです。これまで自分は普通だと思ってきたけど、もしかしてホモだったのだろうか。いやでも、寧温への気持ちは本物だ。もちろん叶うことのない恋だろう。自分の内側に秘めておくしかない。それでも、間違いなく僕は寧温のことが好きだ。というような葛藤に朝薫は常に悩まされ続けるわけなんです。
さて一方で、寧温も恋をすることになります。残念ながら寧温の気持ちは朝薫に向うことはなく、薩摩藩から琉球にやってきている浅倉という武士に恋をしてしまいます。そもそも薩摩藩の役人と琉球王国の役人が職務を超えて親密になるなど不可能であり、さらに寧温は男であると偽っているわけで、到底叶うはずのない恋なわけです。寧温は真鶴を捨てる時、女のすべてを捨てたつもりでした。しかし、寧温の中の真鶴が浅倉を目にするとうずき始めるわけなんです。寧温は、宦官と偽って女を捨てたこの人生は本当に正しかったの?と自問することになります。
しかしある時、チャンスがやってきます。ちょっとネタばれになってしまうので申し訳ないんだけど、諸事情あって真鶴の姿でいる時浅倉に会い、そこで求婚されるんです。しかしやはり寧温は女の幸せを追求する生き方は許されないらしく、運命が二人を引き裂いていくことになります。
他にもいろんな方向に恋愛の話が広がっていって、しかもそれは、寧温が男であると偽っているがために非常に複雑になっていくんですね。この恋愛に関わる部分も実に面白いと僕は思います。
また本作では、評定所筆者を始め男が属する役所である王宮の他に、男が入ることを一切禁じられている御内原と呼ばれる部分も描かれます。ここは、要は大奥であり、また聞得大君と呼ばれる祭事を司る王族神や王妃なども所属する、まさに女の園です。ここで描かれる女同士の争いはなかなか壮絶で凄まじいものがあります。寧温は宦官であり男でも女でもあるという理屈から、この御内原にもガンガン入って行って、さらに敵を増やすことになるわけです。また寧温と関係ない部分でもこの御内原はことあるごとに出てきて、騒がしい女たちが騒がしいやり取りを繰り広げています。読んでいると、誰が誰なのかよくわからなくなってしまうくらいいろんな人が出てくるので大変なんですけど、女がこれだけ集まると、そりゃあ問題が起きない方がおかしいわな、と思うようなドタバタが繰り広げられていきます。
とここまでいろいろ書きましたが、この感想で触れたのはほぼ上巻についての内容のみです。下巻の内容についてはほぼ触れていません。下巻まで踏み込んでしまうとちょっとネタばれが過ぎるかなという配慮のつもりなんですけど、盛りだくさんなストーリーだと思いませんか?下巻はもっととんでもない展開になっていきます。まさに、波乱万丈の二乗のようなストーリー展開で、読んでて飽きることがないし、早く先を読みたくて仕方ないんですね。ここまで読書にのめりこんだのは、ここ最近では本当に久しぶりの体験でした。ここまで面白い本はなかなか出てこないだろうなと思います。
とにかく、是非是非読んでみてください。確かにかなり長い作品なので躊躇してしまうかもしれないけど、読むだけの価値はあります。もう、とんでもない傑作です。ヤバいです!鬼スゴイです(死語)!この本を読まないなんて人生を損していると思います。
まあそんなわけでですね、面白いことこの上ない傑作中の傑作、是非読んでみてください。

追記)amazonの評価では、かなり辛口な評価の方もいます。内容紹介をざっと見て、重厚な歴史小説だと勘違いしたためにそういう評価になったというものが多いみたいですね。本作は、完全なるエンターテイメントです。エンターテイメントを純粋に楽しめるというう方が読むと面白いと思えると思います。

池上永一「テンペスト」









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Comment

[3409]

> 帯の厚さ×2×60(何故2を掛けるかというと、表紙側と裏表紙側で帯の厚さが二度関わるため)分の厚さが余計に必要になってくるんですね。
ん?表表紙と裏表紙で二倍、さらに内側への折込も含めて二倍で、計4倍じゃないでしょうか?ということで、帯の厚さ×4×60のような気もします。帯の厚さを1ページ相当とすると、240ページぐらいの本一冊の厚みですね。
去年は分厚い本にやたら傑作級評価の作品が多かった印象を受けました。どれも読みたいのですが、分厚い本は、買うのに勇気がいって、読むのに気合と時間が必要ですね。舞城の「ディスコ探偵」と古川の「聖家族」は読んだし傑作級に面白かったんですが、私は、そこらで疲れてしまいました。「テンペスト」も「新世界より」も(ついでにシャングリラも)どれもいつか読みたいと思いながら、なかなか食指が伸びずに困ってますねぇ。

[3410]

なるほど。内側の折り込みまでは考えてませんでした。確かに、内側の折り込みまで入れると4倍ですね。ありがとうございます。
やっぱりどうしても、長い作品は傑作級の評価になりますね。というか、長い作品というのは完全な駄作か(そんなに長い必要があるのか)、あるいは素晴らしい傑作か(それだけ書き込んでいればそれは傑作になるよ)というものに二分されるので仕方ないでしょうね。
「ディスコ探偵」と「聖家族」は結構興味あるんですけどね。やっぱり長いですよねぇ。僕も、長い本でも読みますけど、やっぱりちょっと躊躇してしまうのは否めないですよね。
「新世界より」と「テンペスト」だったら、断然「テンペスト」をお勧めします。もしかしたら合わないかもしれませんが、僕の中では久々の超ド級の傑作でした。

[3411]

> 断然「テンペスト」をお勧めします。
情報ありがとうございます。機会があれば、こちらから挑戦してみます。

[3412]

amazonのコメントを読む限り、ダメという人も結構いるみたいですけど、機会があったらぜひ読んでみてください。僕はこれを本屋大賞の1位に投票するつもりです。

[3413]

こんばんは。
やっとこの本を読み終えました。連日持ち帰りの仕事に忙殺され、その後の読書でしたが、いやぁ面白かったですねぇ。お陰で、睡眠不足の日々でした(泣)。
感想を書き出すと、ネタバレ必至ですので、どうしましょうか? 悩みますねぇ(笑)。幕末の琉球王国の歴史という読み方からすると、余りにも真摯さに欠けるという感じがしますが、寧温(真鶴)の生き方という視点で読むと、色々共感する部分は多かったです。早速、誰かに勧めようと思いました。
この作品の描き方は読者に親切な作りになっていますよね。私は(上)を読み終えてから気づきましたが、登場人物のかなり丁寧な解説と語句の説明が書かれた紙(はがき大の)が入っていましたね。また漢字のふりがなの多用、これも凄いなぁと思いました。こんなに何度も真美那のルビ(まみな)が登場するのは、読者の頭脳をどう考えているのか…? 理解に苦しみますが(笑)。
琉球王国の最後に当たって、それぞれの対応の仕方がありましたが、国は無くなっても人は残るという(寧温ではなく)真鶴の言葉は、心に残りました。国家があって人民がいるという考えは、お役人の慢心ですよね。本末転倒(日本もこれに近い?)もいいとこです。
私が初めて読んだ森博嗣の作品は『墜ちていく僕たち』ですが、ラーメンを食べると性が逆転するという奇想天外なストーリーにただただビックリ仰天で、その後しばらくは森作品から遠いたという体験があります(笑)。この作品も設定はこれに近いものがありますが、男性上位の社会で有能な女性は、さぞかし生きにくかったことだろうと同情しました。また何度も彼女の美貌に触れていますが、ここまで才色兼備だとしたら、ちょっとズルイいのでは…と僻んでしまいますよ(笑)。
ネタバレにならないように気をつけましたが、少々内容に踏み込んだ点もあり、ご容赦下さいね。異色の登場人物が物語を充分引き立ててくれて、本当に読み応え充分な作品でした。(ただおもしろ可笑しければよい)というエンタメ系だけではない点がこの作品の好さでしょうね。お薦め、ありがとうございました!
日々天気がはっきりしませんので、お身体に気をつけてくださいね。

[3414]

こんばんわです。よかったです、面白かったみたいで。長い本をオススメする時は不安も大きいですよね。そんな長い本を読ませておいてつまらなかったらどうしよう、みたいな。
そうなんですよ。本作をあまり評価していない人は、本作を歴史小説という括りで読んでるみたいなんですよね。それだと、ちょっとやっぱり底が浅いというか不真面目というか、そんな風に受け取られても仕方ないですよね。
でも、寧温の生き方っていう観点で読むと滅法面白いと思うんですよねぇ。ストーリーに無茶苦茶な部分は多々あるけど(笑)、それでも面白ければいいじゃんとか僕は思ったりします。
はがき大の紙は、僕も途中で気づきました。そこまで参照はしなかったけど、あれは必要ですよね。分からない用語がやっぱりかなり出てきますからね。
そうかぁ、「真美那」でしたか。僕はずっと、「マナミ」だと思ってました。振り仮名が振ってあってもちゃんと読んでないような僕はそもそもダメダメですね(笑)
国はなくなっても人は残るというのは、確かにそうだよなぁとか思いますよね。現代も政治家は皆、国を存続させることが大事だって思ってるんだろうけど、寧温みたいな柔軟な発想をして欲しいものだなと思います。
「堕ちていく僕たち」は確かにとんでもない作品でしたね(笑)。あれが初めての森博嗣体験だと、ちょっと敬遠してしまうのも分かるかもしれません。やっぱり「すべてがFになる」が傑作だと思うんですけどね。
寧温(真鶴)の設定はありえなさすぎましたけど、そこさえ受け入れれば、確かにこんな生き方は辛いだろうなぁみたいな同情なんかも出来ますよね。あれだけ綺麗なのに女を捨てなくてはいけないっていうのは辛いでしょうね。
ここ最近どうもあんまりヒットに恵まれない読書ですけど、まあ相変わらず地道に本を読んでいこうと思います。ドラさんもお仕事が忙しいでしょうけどバリバリ本を読んでくださいね。3月なのにこんなに寒いのが憎らしいですね。ドラさんも体調には気をつけてください。

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●読書記録● 「テンペスト」(上)(下) 池上永一

美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。少女真鶴は憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった――。見せ場満載、桁外れの面白さ!Web KADOKAWA 「テンペスト(上)」黄昏の美しい王国にペリー来航。近代化の波に立ち向かう宦官兼側室の真鶴。しかし破天荒な一人二役劇は突然幕を閉じる―。時代の変わり目を嵐(テンペスト)となって生き抜いた王宮人の苛烈な愛と涙の物語。 Web KADOKAWA 「テンペスト(下...

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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)