鍵のかかった部屋(ポール・オースター)
たぶん今日が一週間目だと思う。カレンダーのない生活というものが、これほどまでに日にちの感覚を失わせるものなのか、と驚くほどだが、それでもまだ一週間だ。これから自分がどうしようというつもりなのか、僕には未だにはっきりとは分かっていない。
埃っぽい。
僕は自分の家の屋根裏部屋にいて、そしてそこに失踪している。僕は正しいことを正しい表現で言っているつもりだ。僕は自宅の屋根裏部屋にいて、そこに失踪している。屋根裏部屋と言ってもここはちゃんとした部屋ではなく、押入れの天上板を外して入り込んだ空間というだけなのだが。
「ねぇ、お父さんは?」
「お父さんは病気で入院しちゃったんだって、この前説明したでしょ」
下から子どもと妻の声が聞こえてくる。もう一週間も子どもとも妻とも会話をしていない。しかし考えてみれば、それは僕のかつての日常とさして変わらないはずだった。日々仕事に追われ、家族と話す機会などほとんどなかったといっていい。それなのに、今無性に彼らの声を遠く感じる。以前から遠かったはずのものが、その遠ささえ感じることが出来ないくらい遠くに行ってしまったように感じられるのだ。
一週間前、僕は家族を捨てた。家族だけではない。僕の生活に付属していたありとあらゆるものを捨てることにしたのだ。ちっぽけな会社の経理という立場、一人の息子の父親という立場、一人の妻の夫という立場、一つの国に住むとある国民という立場。僕はそういうもろもろをすべて捨て去ってしまいたい衝動に突然駆られたのだった。
僕はこの一週間というもの、何故自分がそんな衝動に襲われたのか真剣に考えることに時間を費やした。しかし、結局のところ何の答えも浮かばなかった。仕事に不満があったわけではない。家族を嫌悪していたわけでもない。世界に対し漠然とした不安を感じていたということもない。神経の病気だとも思えないし、何か被害妄想があるわけでもない。それでも僕は、今ここにいてはいけないと感じ、それが無二の正しさを持っていると信じ、そしてそれを実行に移すために失踪したのだった。
失踪する先に何故屋根裏部屋を選んだのか、それも僕には理解の出来ないことだった。しかし同時に、この世界にはここ以外には僕に居場所がないという直感も僕にはあったのだ。僕はどこにも誰にも受け入れられることはないに違いない。だからこそ僕は、外側へ深く失踪するのではなく、より内側へと失踪することにしたのではないかと思う。
恐らく妻は、僕が屋根裏部屋にいることには気づいていないはずだ。僕は用心して、音を立てるようなことも、何かの痕跡を残すようなこともしていないはずだった。食料や水は出来る限り大量に買って置いてある。携帯トイレの買い置きもたくさんある。まだしばらくはこの屋根裏部屋に居座ることは出来るぐらいの量はある。ずっとここでバレずに生活をしていくことは不可能であるとしても、今はま大丈夫なはずだ。そもそも妻がこのことに気づいているのなら、真っ先に屋根裏部屋を見に来るはずなのだ。
僕はまたしばらく考えに耽ることだろう。自分の正しさを支える言葉を生み出したり、自分の行動の意味を見出すための思索に忙しい。それにしても、屋根裏部屋での生活は快適で、どうして僕は今まであくせくと仕事なんかしなくてはいけなかったんだろう、とよく思う。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「ねぇ、お父さんは?」
「お父さんは病気で入院しちゃったんだって、この前説明したでしょ」
息子には何度この説明をしたか分からない。普段夫は帰ってくるのが遅いのだけど、でも夫を起こすのは息子の役割だったのだ。当然今は、毎朝起こすべき相手がいないということになる。その度にこう聞かれるのだが、嘘を突き通すしかない。
しかし、何故嘘を突き通すしかないのだろう。たぶんもっと単純で明快な解決方法があるはずなのだ。
そう、夫はたぶん屋根裏部屋にいる。
特になんの根拠もあるわけではない。音がするわけでも、何かがなくなっていたりというようなことがあるわけでもない。しかしそれでも、私には何となくわかるのだ。夫は、いなくなったその日から、きっと屋根裏部屋に失踪しているに違いない。
であれば、私が屋根裏部屋に行き夫をを見つけてくればいい。たぶんそれが最も手っ取り早い。どうして私はそれをしないのだろう。
わたしには、いくら考えても分からない。
この一週間というもの、私に出来たことはただ考えることだけだった。夫が何故失踪してしまったのか、ということももちろん時々意識には上った。その度ごとに、夫が失踪する理由を思いつけず悩んだものだが、しかしそれ以上に私を悩ませたのは、何故私は夫に会いに屋根裏部屋に行かないのか、という疑問だった。
このままでいいと思っているのだろうか。
夫に特に不満があったわけではない。毎日仕事で帰りが遅いけれども、それは仕方のないことだし、会話を交わす機会があまりなかったとしても、やはり彼は夫としてそして父親として間違ったことは何一つしていなかったと思う。
それなのに、その夫がすぐ近くに失踪してしまっているというのに、私はそれにどうして知らないフリをしているのだろう。
今だって、夫が屋根裏部屋にいると知っていながら、夫が失踪した直後警察に失踪届を出したし、夫の会社や知人に連絡をして行き先を聞いたりもした。私が働いている会社に事情を話してしばらく休ませてもらってもいる。そのすべてが徒労であることを私は知っているのだ。
屋根裏部屋にいる夫は日々何を考えているのだろう。それまでとは違った充実した生活を送ることが出来ているだろうか。しばらくは屋根裏部屋で生活できるとして、それからは一体どうするつもりなのだろうか。
失踪から七年が経過すると死亡とみなされる。もし夫がこの屋根裏部屋でその日を迎えるのだとしたら、その日に声を掛けてあげようかしら。
「あなた、死んじゃったみたいですよ」
さて、何か料理でも作って持っていってあげようかな。
一銃「夫はたぶん…」
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は、現代アメリカ文学の作家としてかなり高い名声を獲得しているポール・オースターの、<ニューヨーク三部作>と言われる作品の第三部です。三部作と言ってもそれぞれの作品は完全に独立していて関連がなく、どれから読んでも問題ありません(たぶん。解説で訳者がそう書いています)。
物語は、「僕」の元にかつての友人だった男の妻と名乗る女性から手紙が届くところから始まります。
ソフィー・ファンショーというその女性は、僕にとってはいささか困惑するような話を持ってきました。
ソフィーは、かつての僕の友人のファンショーの妻でした。過去形なのは、そのファンショーが失踪してしまったからです。ファンショーは、子どもを身篭ったソフィーを置き去りにして、どこかに姿を消してしまったのです。
ソフィーはファンショーの行方を尋ねたくて僕に連絡をしてきたわけではありません。失踪から半年経った今では、ソフィーは既にファンショーの生存を諦めている風でした。彼女は別の件で僕に話があったのでした。
それが、ファンショーの小説を読んではもらえないか、というものでした。
ファンショーはこれまで多くの作品を書き溜めてきたけど、出版したくないと頑なに拒んでいました。しかし失踪する直前、彼はようやく、原稿は近い内にどうにかする。もし何らかの事情でそれが出来なくなったら、「僕」に連絡をしてくれ。あいつが原稿をどうにかしてくれるはずだ。ファンショーはそうソフィーに語ったというのです。
僕は困惑したのだけれど、しかし結局はソフィーから原稿を預かりました。それはファンショーのためというよりもむしろソフィーと自分のためでした。
ファンショーの作品は陽の目を見ることになり、世の中に好意的に受け入れられることになりました。しかし、実際僕の物語が始まるのはそこからです。僕は、ある時から少しずつおかしくなっていってしまったのです…。
というような話です。
本作はよく、探偵小説の枠組みを借りた文学だというような表現がされるんですけど、僕にはその点はよくわかりませんでした。まあ確かに探偵小説的な展開にはなるし、タイトルもそれっぽいですけどね。
作品全体としては面白かったです。こういう作品を読むといつもこういう感想が浮かびますが、非常に村上春樹の作品に雰囲気の近い作品でした。抑制の利いた語り口と、緊張感のあるストーリー展開、そして何よりも言葉で何かを掴もうとするその表現みたいなものが近いものを感じるなと思いました。
ストーリーとしては本当に平凡なんですけど、でも読ませる作品だと思います。主人公である「僕」の苦悩みたいなものが、どんな立場の人であれかなり手に取るようにわかるだろうし、自分がもし同じ立場だったらと想像しやすいような気がします。また一方で、どうしても説明のつかない理解できない部分もあって、そういう分かりやすい部分と分からない部分とを巧く織り合わせているので、作品としての深みが増しているような気がします。
ファンショーというのが思っていた以上に謎めいた人物だったというのも面白い要因の一つかもしれないですね。ファンショーについては様々な形で言及されることになるわけですけど、非常に興味深い人間で、普通一般とはかなりかけ離れた価値観を持った男です。そんな男と関わらなくてはならなくなった人間の悲哀みたいなものがうまく漂っているような気がしました。
全体のストーリーよりも、個々の細部に惹き込まれていく感じでした。村上春樹が好きなら結構合うんじゃないかと思ったりします。外国人作家の作品が苦手な人の中には、登場人物の名前が覚えられないという人もいると思いますが、本作はちゃんと名前を覚えるべき人物は数人なので、結構楽に読めると思います。すごく雰囲気が好きな作品でした。なかなかいいです。読んでみてください。
ポール・オースター「鍵のかかった部屋」
埃っぽい。
僕は自分の家の屋根裏部屋にいて、そしてそこに失踪している。僕は正しいことを正しい表現で言っているつもりだ。僕は自宅の屋根裏部屋にいて、そこに失踪している。屋根裏部屋と言ってもここはちゃんとした部屋ではなく、押入れの天上板を外して入り込んだ空間というだけなのだが。
「ねぇ、お父さんは?」
「お父さんは病気で入院しちゃったんだって、この前説明したでしょ」
下から子どもと妻の声が聞こえてくる。もう一週間も子どもとも妻とも会話をしていない。しかし考えてみれば、それは僕のかつての日常とさして変わらないはずだった。日々仕事に追われ、家族と話す機会などほとんどなかったといっていい。それなのに、今無性に彼らの声を遠く感じる。以前から遠かったはずのものが、その遠ささえ感じることが出来ないくらい遠くに行ってしまったように感じられるのだ。
一週間前、僕は家族を捨てた。家族だけではない。僕の生活に付属していたありとあらゆるものを捨てることにしたのだ。ちっぽけな会社の経理という立場、一人の息子の父親という立場、一人の妻の夫という立場、一つの国に住むとある国民という立場。僕はそういうもろもろをすべて捨て去ってしまいたい衝動に突然駆られたのだった。
僕はこの一週間というもの、何故自分がそんな衝動に襲われたのか真剣に考えることに時間を費やした。しかし、結局のところ何の答えも浮かばなかった。仕事に不満があったわけではない。家族を嫌悪していたわけでもない。世界に対し漠然とした不安を感じていたということもない。神経の病気だとも思えないし、何か被害妄想があるわけでもない。それでも僕は、今ここにいてはいけないと感じ、それが無二の正しさを持っていると信じ、そしてそれを実行に移すために失踪したのだった。
失踪する先に何故屋根裏部屋を選んだのか、それも僕には理解の出来ないことだった。しかし同時に、この世界にはここ以外には僕に居場所がないという直感も僕にはあったのだ。僕はどこにも誰にも受け入れられることはないに違いない。だからこそ僕は、外側へ深く失踪するのではなく、より内側へと失踪することにしたのではないかと思う。
恐らく妻は、僕が屋根裏部屋にいることには気づいていないはずだ。僕は用心して、音を立てるようなことも、何かの痕跡を残すようなこともしていないはずだった。食料や水は出来る限り大量に買って置いてある。携帯トイレの買い置きもたくさんある。まだしばらくはこの屋根裏部屋に居座ることは出来るぐらいの量はある。ずっとここでバレずに生活をしていくことは不可能であるとしても、今はま大丈夫なはずだ。そもそも妻がこのことに気づいているのなら、真っ先に屋根裏部屋を見に来るはずなのだ。
僕はまたしばらく考えに耽ることだろう。自分の正しさを支える言葉を生み出したり、自分の行動の意味を見出すための思索に忙しい。それにしても、屋根裏部屋での生活は快適で、どうして僕は今まであくせくと仕事なんかしなくてはいけなかったんだろう、とよく思う。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「ねぇ、お父さんは?」
「お父さんは病気で入院しちゃったんだって、この前説明したでしょ」
息子には何度この説明をしたか分からない。普段夫は帰ってくるのが遅いのだけど、でも夫を起こすのは息子の役割だったのだ。当然今は、毎朝起こすべき相手がいないということになる。その度にこう聞かれるのだが、嘘を突き通すしかない。
しかし、何故嘘を突き通すしかないのだろう。たぶんもっと単純で明快な解決方法があるはずなのだ。
そう、夫はたぶん屋根裏部屋にいる。
特になんの根拠もあるわけではない。音がするわけでも、何かがなくなっていたりというようなことがあるわけでもない。しかしそれでも、私には何となくわかるのだ。夫は、いなくなったその日から、きっと屋根裏部屋に失踪しているに違いない。
であれば、私が屋根裏部屋に行き夫をを見つけてくればいい。たぶんそれが最も手っ取り早い。どうして私はそれをしないのだろう。
わたしには、いくら考えても分からない。
この一週間というもの、私に出来たことはただ考えることだけだった。夫が何故失踪してしまったのか、ということももちろん時々意識には上った。その度ごとに、夫が失踪する理由を思いつけず悩んだものだが、しかしそれ以上に私を悩ませたのは、何故私は夫に会いに屋根裏部屋に行かないのか、という疑問だった。
このままでいいと思っているのだろうか。
夫に特に不満があったわけではない。毎日仕事で帰りが遅いけれども、それは仕方のないことだし、会話を交わす機会があまりなかったとしても、やはり彼は夫としてそして父親として間違ったことは何一つしていなかったと思う。
それなのに、その夫がすぐ近くに失踪してしまっているというのに、私はそれにどうして知らないフリをしているのだろう。
今だって、夫が屋根裏部屋にいると知っていながら、夫が失踪した直後警察に失踪届を出したし、夫の会社や知人に連絡をして行き先を聞いたりもした。私が働いている会社に事情を話してしばらく休ませてもらってもいる。そのすべてが徒労であることを私は知っているのだ。
屋根裏部屋にいる夫は日々何を考えているのだろう。それまでとは違った充実した生活を送ることが出来ているだろうか。しばらくは屋根裏部屋で生活できるとして、それからは一体どうするつもりなのだろうか。
失踪から七年が経過すると死亡とみなされる。もし夫がこの屋根裏部屋でその日を迎えるのだとしたら、その日に声を掛けてあげようかしら。
「あなた、死んじゃったみたいですよ」
さて、何か料理でも作って持っていってあげようかな。
一銃「夫はたぶん…」
そろそろ内容に入ろうと思います。
本作は、現代アメリカ文学の作家としてかなり高い名声を獲得しているポール・オースターの、<ニューヨーク三部作>と言われる作品の第三部です。三部作と言ってもそれぞれの作品は完全に独立していて関連がなく、どれから読んでも問題ありません(たぶん。解説で訳者がそう書いています)。
物語は、「僕」の元にかつての友人だった男の妻と名乗る女性から手紙が届くところから始まります。
ソフィー・ファンショーというその女性は、僕にとってはいささか困惑するような話を持ってきました。
ソフィーは、かつての僕の友人のファンショーの妻でした。過去形なのは、そのファンショーが失踪してしまったからです。ファンショーは、子どもを身篭ったソフィーを置き去りにして、どこかに姿を消してしまったのです。
ソフィーはファンショーの行方を尋ねたくて僕に連絡をしてきたわけではありません。失踪から半年経った今では、ソフィーは既にファンショーの生存を諦めている風でした。彼女は別の件で僕に話があったのでした。
それが、ファンショーの小説を読んではもらえないか、というものでした。
ファンショーはこれまで多くの作品を書き溜めてきたけど、出版したくないと頑なに拒んでいました。しかし失踪する直前、彼はようやく、原稿は近い内にどうにかする。もし何らかの事情でそれが出来なくなったら、「僕」に連絡をしてくれ。あいつが原稿をどうにかしてくれるはずだ。ファンショーはそうソフィーに語ったというのです。
僕は困惑したのだけれど、しかし結局はソフィーから原稿を預かりました。それはファンショーのためというよりもむしろソフィーと自分のためでした。
ファンショーの作品は陽の目を見ることになり、世の中に好意的に受け入れられることになりました。しかし、実際僕の物語が始まるのはそこからです。僕は、ある時から少しずつおかしくなっていってしまったのです…。
というような話です。
本作はよく、探偵小説の枠組みを借りた文学だというような表現がされるんですけど、僕にはその点はよくわかりませんでした。まあ確かに探偵小説的な展開にはなるし、タイトルもそれっぽいですけどね。
作品全体としては面白かったです。こういう作品を読むといつもこういう感想が浮かびますが、非常に村上春樹の作品に雰囲気の近い作品でした。抑制の利いた語り口と、緊張感のあるストーリー展開、そして何よりも言葉で何かを掴もうとするその表現みたいなものが近いものを感じるなと思いました。
ストーリーとしては本当に平凡なんですけど、でも読ませる作品だと思います。主人公である「僕」の苦悩みたいなものが、どんな立場の人であれかなり手に取るようにわかるだろうし、自分がもし同じ立場だったらと想像しやすいような気がします。また一方で、どうしても説明のつかない理解できない部分もあって、そういう分かりやすい部分と分からない部分とを巧く織り合わせているので、作品としての深みが増しているような気がします。
ファンショーというのが思っていた以上に謎めいた人物だったというのも面白い要因の一つかもしれないですね。ファンショーについては様々な形で言及されることになるわけですけど、非常に興味深い人間で、普通一般とはかなりかけ離れた価値観を持った男です。そんな男と関わらなくてはならなくなった人間の悲哀みたいなものがうまく漂っているような気がしました。
全体のストーリーよりも、個々の細部に惹き込まれていく感じでした。村上春樹が好きなら結構合うんじゃないかと思ったりします。外国人作家の作品が苦手な人の中には、登場人物の名前が覚えられないという人もいると思いますが、本作はちゃんと名前を覚えるべき人物は数人なので、結構楽に読めると思います。すごく雰囲気が好きな作品でした。なかなかいいです。読んでみてください。
ポール・オースター「鍵のかかった部屋」
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