黒夜行

>>2014年07月

「未紗緒」って出生届に書いたはず けど「末紗緒」になってて真っ青

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:栗)朝陽背に横断歩道の前で甘栗剥く少女 春遠からじ



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


「未紗緒」って出生届に書いたはず けど「末紗緒」になってて真っ青
(4/30 末 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=30



Ⅲ その他の自作短歌


「ごめん」って言葉にするのと「ごめん」って気持ちはいつだって反比例



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品

夕日ここにありますそこにありますか太鼓鳴らせば南向きます
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196021
(上の句:泥ロボさん、下の句:黒夜行)


Ⅴ 自作の都々逸


一月ぐらいに注文してた電気毛布が夏に来る

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君を憶えてる(牧村一人)

【車に乗ることが大好きだった男が、ある日悪魔に「世界一速い車に乗りたい」と願い、悪魔はその願いを聞き入れた。しかし、男が乗る車はまったく速くならなかったという。悪魔は嘘をついていないとすると、どういうことになるだろうか?】

かつてこんなクイズを見かけたことがある。どうだろう、答えが分かるだろうか?

正解は、
「世界中のすべての車が、その男の車より遅くなった」
です。

僕は、魔法のランプを拾っても、打ち出の小槌を手に入れても、ちょっと困ってしまうかもしれない。基本的に、こうしたいああしたいという欲望がないのだ。些細な程度のものならある。と書いてもパッと思いつかないのだけど、でもともかく、「金持ちになりたい」とか「世界征服したい」とか「ヒーローになりたい」とか、まあなんでもいいんだけど、そういうのって全然ない。「美味しいものを食べたい」とか「絵が上手くなりたい」とか、そういうのもない。全然ない。唯一あるのが、これは初詣の時に毎年お願いすることなんだけど、「死ぬ時は一瞬で死にたい」というものぐらいだ。僕の理想の死に方は、「あぁ俺死ぬんだなと思ってから実際に死ぬまでの時間が極限に短い」というもので、これが実現してくれると僕はとても幸せである。
願いたいことが何もない、ということは不幸なことなんだろうなぁと思うことがあるんだけど、でも、願わなければならないことがある、ということの不幸とは比べ物にならないのだ、と感じた。

『あなたたちだって、毎日お肉を食べるでしょう。お魚食べるでしょう。それと一緒よ。人間は誰だって他の命を食らって生きてるの。そうしなければ生きていくことができない。あなたたちはそれを忘れてるのよ。わたしたちと違って、忘れて生きていけるの。だけどわたしたちは、嫌でも思い知らされる。突きつけられて、選択を迫られる。違いはそれだけなのよ。気付いているか、気付いてないか。ただそれだけ』

多くの人達は、普段、願わなくとも普通に生きていける。「願うこと」はあくまでも、ボーナスのようなものだ。ちょっとラッキーなことでも起こらないかな、というような。しかし、「願う」ことが、否応なしに人生に組み込まれることが時として起こる。願わなければ前に進むことが出来ないことが、時に襲いかかる。
それを、普通の人間は、忘れていることが出来る。色んな人が、努力して、それが見えにくい社会を作ってきたからだ。そして時々、ごく普通の人間の世界に、「願わなければならない人たちに起きた奇跡」の物語が届く。願わなければならない山ほどの人たちの、ほんの僅かの人たちに訪れた奇跡を知って、なんとなく安心する。やっぱりちゃんと願えば叶うのだと。そしてその上でさらに、願わなくても生きていける自分の幸福に。
だから僕達は安心して、願わなくてはいけない人たちのことを知らないで生きていける。
力を手にした少女の行動を非難することは難しい。僕には、出来ないかもしれない。絶望、という単語では再現不可能な堆積の中で、少女は生きる。生きようとする。あらゆる手を尽くして。たぶん、それを「美しい」と呼ぶことも、不可能ではない。
5年前、ダム湖に掛かる大橋で肝試しをしたこと。物語はそこから始まる。小学校の同級生が、その日、ダム湖で謎の光を見る。誰もが、その光に魅入られてしまう。
5年後。高校生になったヒロは、実家から離れた叔母の家で夏休みを過ごす。母親の妹である千鶴さんは、叔母と呼ぶには若い美しい女性だ。だらしない格好で外国の小説を翻訳する翻訳家でもある。
ヒロは、少しずつ異常を感じ始めている。ヒロ自身にも、その異常が何であるのか、はっきりとは捉えきれていない。しかし、何かおかしなことが起こっていることは分かる。5年前のあの時の記憶。あの日、誰かもう一人いなかったか?仲が良かったはずの、でも今はまったく思い出せないアイツが、あの日、あの場所にいたんじゃなかったか?
付き合っているハム子や、引きこもりになったミチオにも、何かおかしなことが起こっているようだ。その震源地は、やはり、5年前のあの日にあるように思う。でも、一体何が起こっているんだろう?
というような話です。
読んでいてまず感じたのは、ほぉこんな方向に展開する物語なのか、ということです。読み始めの雰囲気や装丁の感じから想像していた物語とは、かなり違った方向に進んでいきました。今こうして書いている僕の感想では、出来るだけ本書の肝となる雰囲気は出さないようにしようと思います。どういう類の作品なのかという先入観を持たないまま読む方がいいのではないかと思う。
本書の前半から中盤に掛けての転回を支えるのが、千鶴という女性の存在にあるだろう。千鶴さんはなかなかの変人で、変人好きな僕としてはかなりお気に入りのキャラクターなのだけど、この千鶴さんの存在なしに、この物語はまず成立し得ないだろう。マイクロSDをSDカード挿入口に差し込むためのコンバータみたいな存在だ。千鶴さんが、ヒロの語る世界観を事も無げに受け入れるからこそ、本書が成立する。そういう意味で、千鶴さんの存在感は非常に大きい。
扱われているアイデアが、その方面でどう評価されるのか、僕には分からない。その方面の知識にそれほど明るいわけではないからだ。ただ、ありがちなアイデアを、全体的にうまく組み込んでいるな、という風には感じました。そこには、サラという少女の存在感が有効に機能しているな、という印象を受けました。
ただ、個人的な意見では、この作家は、本書で扱われているようなアイデアを使わなくても、良い作品が描けるのではないか、と感じました。本書は、ストーリー的になかなか練られた作品になっていると思うんだけど、個人的には、人間の描き方がとても巧いと思う。読みながら、少しだけ、辻村深月的な雰囲気を感じました。少年少女たちと、そこに関わる少数の大人が繰り広げる、子供であるが故の葛藤や心理なんかを、大げさではない道具立ての中で丁寧に描き出すのが巧い作家なのではないか、と感じたので、僕はむしろ、本書で扱われているメインのアイデアがちょっと邪魔に感じてしまいました。そのメインのアイデアは、物語の中に組み込もうとすればどうしても複雑にならざるを得ないし、物語的にどうしても、特異点みたいな、消化しきれない部分を残すことになる。それは決して、この作品の欠点になっているとは思わないが、せっかくこれだけ人間を稠密に描ける技量があるのだから、そのアイデアに頼らないで作品を描く方が、すっきりとしつつも重みを感じさせる物語に仕上がるのではないか。読みながらそんなことを考えていました。
主人公の存在感がなかなかどっしりしてて、千鶴さんという変人とのやり取りでも食われていないし、主人公とハム子の関係性も青春らしいウダウダ感が良い。また、主人公が一瞬実家に帰る場面があるんだけど、そこでの弟との関わり方もとても良いと思った。主人公家族の話をもっと広げても物語になるだろうし、そういう物語を読んでみたいと思わされた。ただ、千鶴さんの変人度を考えると、ありきたりの出来事では関心を示さないだろうから、千鶴さんの魅力を遺憾なく発揮させるためには、本書のような設定も必要だったのかもしれないなぁ。その辺りは難しいところ。
本書は、メインのアイデアの部分がやはりとても目立つので、そこをフューチャーする感想や評価がきっと多くなると思うのだけど、個人的には、人間の描き方の方にこそ関心を抱いた。人間を描くという意味で、かなり力のある作家なのではないかと思う。たぶん、本書のようなインパクトのある設定がなくても、抑えた筆致の中に強弱を生みだすような物語も書けるんじゃないかなと感じる。個人的には、そういう部分に注目して読んで欲しい作品だなと感じました。

牧村一人「君を憶えてる」 


あの人が使ってるペンで描いたって上手くなるはずなんかないのに

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:噴)噴水に群がる裸 evianは彼らの想像を超えた飲み物



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


このパンがイエスの肉!?マジ羨ましい!メッチャ軽いやん!空飛べたんちゃう?
(4/29 肉 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=29



Ⅲ その他の自作短歌


(お題:文房具)あの人が使ってるペンで描いたって上手くなるはずなんかないのに



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


家計簿の数字の並びに「スキです」と
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195962
(上の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


声なき砂漠耳をすませばあなたの寝息も聞こえそう

ニッポンって何大陸にありますか?メジャーなスープは何色ですか?

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:スープ)ニッポンって何大陸にありますか?メジャーなスープは何色ですか?



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


投稿の度に現る猫は100万回ぐらい生まれいづるね
(4/27 猫 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=28



Ⅲ その他の自作短歌


痛みさえかすり傷さえ負わないと知ってる私の言葉なんかじゃ



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


要らないと思って緩くした折り目キリンの顔が15度違う
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196020
(上の句:なかやまななさん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


一心不乱に弱肉を追うあなたの前では狩人です

頃合いを見てタクラマカン砂漠入り1000年前の誓い果たしに

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:塗)血塗れと言われて気づく もげた腕 吹き飛んだ脚 落ち葉の如く



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


幾億の日本語を乗せた方舟で外語を流す洪水を待つ
(4/27 船 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=27



Ⅲ その他の自作短歌


頃合いを見てタクラマカン砂漠入り1000年前の誓い果たしに



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


途中覚醒するたびに冷える血が糧になるなら吸血鬼様
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196019
(上の句:なかやまななさん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


さっきまでならあなたの勝ちよ今となってはもう君よ

どなられてもなぐられても泣いちゃダメわたしはママの「ぷろ」なんだから

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:炎)ロウソクの炎一度に吹き消すと意気込む祖父の援護する孫



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


どなられてもなぐられても泣いちゃダメわたしはママの「ぷろ」なんだから
(4/26 プロ http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=26



Ⅲ その他の自作短歌


すべらかな背中のくぼみに腰かけて人間だった頃を懐かしむ



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品



すべらかな背中のくぼみに腰かけて
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195963
(上の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


やっぱりだとかいやいやだとかそんな言い訳ばっかりね

願わくば網の下から吹き出たい白きスカートマリリン・モンロー

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:応)応答セヨ 仮面ニ慣レタ我ガ国ノ空気ヲ解毒セントスル者



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


薄い本に挟みっぱなしだ! 笑顔でも声は聞こえぬお見合い写真
(4/25 笑顔 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=25



Ⅲ その他の自作短歌


(お題:風)願わくば網の下から吹き出たい白きスカートマリリン・モンロー



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品



猫になりたくて何度も喉撫でる喉仏のかたさに涙す
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196018
(上の句:なかやまななさん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


やっぱり春は来ないのですね明日は明日の雪が降る

一度でも神を信じた者ならば翔べ!あの鳥の羽を奪って

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:がっかり)がっかりも旅路の一部 マーライオン 小便小僧 人魚姫の像



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


あんな日もこんな日も来る ゆっくりと解かれていく ルミナリエ照る
(4/24 関西 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=24



Ⅲ その他の自作短歌


一度でも神を信じた者ならば翔べ!あの鳥の羽を奪って



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


左手と右手の温度ちがいすぎリンゴの皮は左手で剥く
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196017
(上の句:さくらもち、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


答えはそんな場所にはないわきっとスーツのポケットに

イカロスレポート(竹田真太郎)

私は大学を途中で辞めているので、各教授陣からレポートの指導を受けることもなかったのだけれど、一応理系の端くれでもあるし、本書に倣って、この感想も結論を頭に述べさせていただきたいと思う。
結論から言おう。
この作品、メチャクチャ面白い。
新宿区の大学に通う、化学科の学生・坂崎基樹は、大学に入ってから「サイクリング同好会」に入り、そこでロードバイクに魅せられた。ありとあらゆることに優先してロードバイクにのめり込む日々を送っていた坂崎は、自転車乗りの宿命としてあることを諦めざるを得なかった。
恋愛である。
坂崎は、自転車乗りと恋愛はベクトルが逆で、恐ろしいぐらい相性が悪いと悟る。恋愛をしたければ自転車を諦めるしかないが、しかしそれは出来ない。そんなモヤモヤした感情を抱えたまま、とにかくひたすら自転車に乗る日々を過ごしていた。
そんなある日のこと。
高校時代の悪友から久々に連絡があった。萩山は、電話では具体的な要件は言わず、坂崎の心をくすぐるかのように「モテたくないか?」とだけ囁き、坂崎を交渉のテーブルへとつかせた。そこで坂崎は、予想もしなかった言葉を聞かされることになる。
「人力飛行機を漕がないか?」
「航空機研究会」に所属する萩山は、いわゆる「鳥人間コンテスト」への出場のためのパイロットを探していたのだ。様々な事情から予定していたパイロットがダメになり、ロードバイクで鍛えた実績を見込まれてのスカウトだった。
正直そこまで乗り気なわけではなかった坂崎だったが、航空機研究会に顔見せに行った時にすべてが変わった。
そこには、天使がいたのだ。
天使は、児島さんという名前を持っていた。坂崎にとって児島さんは、もうありとあらゆる点がドストライクという、超絶好みの女性だったのだ。
パイロットになる。
高校時代、ひょんなことから「イカロス坂崎」と呼ばれていた坂崎基樹にとっての、鳥人間コンテストに至るまでの、これは記録である。
というような話です。
繰り返す。もう、メチャクチャいい作品でした!250ページぐらいの、長編小説としてはちょっと短いかなと思わせる分量ではあるんだけど、ポイントポイントで涙腺が緩む。別にあからさまに泣かせようとしてくるような描写ではないんだけど、なんだか、じんわり広がってくるものがある。ストーリーは単純。鳥人間コンテストを目指す、っていうだけのことなんだけど、そこに坂崎だけではない様々な人間のドラマを盛り込んでいる。そして、そのひとつひとつがとてもいい。正直、新人の作品だしなと、読む前にそれほど期待していなかったという部分も、読後の僕の高評価に繋がっている、という部分ももしかしたらあるかもしれない。僕のこの絶賛の文章を読んでから、ハードルがちょっと上がった状態で読む場合には、またちょっと受け取り方が変わるのかもしれない。それでも僕は、本書の素晴らしさを全力で書きますぜ。
理系の人間らしく、またロードマップらしいきものを先に提示しておこう。僕はこれから本書について、「理系的な視点」と「僕自身の大学時代」について大いに語ろうと思っている。
しかし、誤解を招く恐れがあると判断して、先に書いておく。
本書は、「理系的な視点」が僕に合っていて、さらに描かれている状況が「僕自身の大学時代」と被る「から」面白い、のではない。そうではない。本書はともかく、まず青春小説として素晴らしい出来になっていると思う。理系的な理屈っぽさは時々顔を出すけど、理系の人間じゃないと楽しめない作品なんてことはまったくないし、本書で描かれる大学時代と自分の大学時代が僕ほどに重ならなくても、本書のように何かに打ち込んだり失敗したり恥をかいたりという経験は誰しもがしているだろう。そういう誰もが共感できるような青春らしさに溢れているし、何よりも、登場人物がみんなカッコイイ全員が全員、初めからカッコイイわけじゃないし、最初カッコ良かったはずの人が途中一旦かっこ悪くなったりもするんだけど、でも、最終的にはみんなカッコイイ。しかも、漫画的な、ちょっとそれ超絶的すぎね?みたいな、自分では追いつけないようなかっこよさではなくて、自分でもちょっと意識を変えたらこんなカッコイイ人になれるかも、と思わせるような、手の届くかっこよさだと思うのだ。それがまたいい。超絶的なカッコよさは、思い切り飛躍させてやれば描けるかもしれない。でも本書のような、日常の連続の中で生み出されるようなさりげないカッコよさは、なかなかスマートに描けるものじゃないと思う。
そんなわけで、ちょっと何を言っているのかを見失わない内にもう一回言っておくと、そんなわけで本書は、決して「理系だから」「僕の大学時代と重なるから」面白い、というわけではない。純粋に青春小説として面白くて、さらにそこに積みあげるようにして「理系」「僕自身の大学時代」という要素が加わってさらに僕にとってはグッと来る物語になっている、ということだ。
もう少し先に、「理系」「僕の大学時代」以外のことを書こう。
先ほどの続きになるが、本書の登場人物は本当に皆カッコイイ。坂崎を航空機研究会に引き込んだ萩山、航空機研究会のOBであるハジメさん、ハジメさんの奥さん、坂崎が一目惚れした児島さん、とある理由から共闘することになる篠崎。みんなそれぞれに個性が違って、それぞれの個性の中でカッコよさを体現していく。特に女性の描かれ方が印象的な気がする。篠崎の手際の良さや時には自分をかなぐり捨てることが出来るところ、児島さんがラスト坂崎に叩きこむ、坂崎をしゃんとさせるために放った言葉(これは痺れた)、そしてハジメさんの奥さんのダメな夫への包容力と操縦力。ハジメさんの奥さんの「よく分かってる感じ」は、惚れるわぁって感じしますね。ハジメさんはホントに、この奥さんと結婚して良かった。
しかし、本書の中で誰よりもカッコイイのは、緒方教授だと思う。
正直、オイシイ場面は全部緒方教授がごっそり持っていってる。ちょっとズルすぎるだろ、これは(笑)。
僕自身はまだ、そもそも「大人」にさえなれていない、という自覚があるんだけど、もしちゃんと「大人」になれるのであれば、緒方教授のような大人になりたい。すべてを見透かしているかのような理解力、羽の折れた鳥を庇うような包容力、豊富な知識、自らの恥をさらすことが出来る勇気、先を見越すことが出来る想像力。どれをとっても完璧過ぎる。
緒方教授は、坂崎を車に同乗させながら、「ロードバイクと人力飛行機は全く違うぞ」という。当然、坂崎にも読者にも、その意味はわからない。
しかし、まさにこの問いこそが、本書の重大なテーマであり、「僕自身の大学時代」とも重ね合わせた部分だ。緒方教授と坂崎の関係は、この「ロードバイクと人力飛行機は全く違うぞ」という部分に大半が割かれている。坂崎は己の身を持って、どんな違いをそこに見出すのか。この問いが、現実のものとなって坂崎に突きつけられた時から、物語は急転する。ただ空を飛ぶコンテストに出場する、というだけの物語が、こんなに波瀾万丈になるとは。これは、「主人公がロードバイク乗り」「物語全体が鳥人間コンテスト」という、モチーフのセレクトも見事だったと思います。
さて、本書は、坂崎基樹が実際に書いたレポート、という体裁を取っているのだけど、僕がそうしたように(というか、本書の真似をしただけなんだけど)、本書(というレポート)にも、冒頭に結論が書かれている。それをここに書こう。

『男は皆、イカロスである』

意味が分からないだろう。「イカロス坂崎」という渾名の由来をここで説明してないんだからわかるはずがない。でも、読めば、なるほど確かに、本書はその一点について全力で書き記したレポートだな、と実感することでしょう。
で、ここからが本題である(前置きが長い 笑)
本書は僕にとって、「理系っぽい」「僕自身の大学時代を彷彿とさせる」という二点が加わって、さらに印象深い作品になっている。というわけでまず、理系的な部分から書いてみよう。
「理系っぽい」と言っても、理系的な難しい学問の話が出てくるわけではない。ごくたまーに、エンジンがなんちゃら動力機構がうんちゃら、という話が出てくるけど、わからなかったとしても物語を理解する上では支障はない。ではどんな部分が理系的なのか。
とにかく、理屈っぽいのだ。
そして僕は、そういう思考や会話が好きだ。
どこがどう、ということを説明するのはどうも難しいのだけど、理系ってこういう発想するうよなぁ、とか、理系ってこういう喋り方するよなぁ、という部分が、なんか凄く分かるのだ。自分の内側に何かモヤモヤしたものがあった時、どうにかそれに理屈をつけて納得しないと気持ち悪いとか、目の前の情況を理詰めで捉えて結論を出すとか(ただし、考えたからと言ってそこから行動に直結させないので、外側から見ているだけだと普通に見えるだろう)、合理的に判断を下すとか(そして、時々合理的な判断を下せない自分を見出して不思議に思ったりとか)、というような部分が、なんか凄く分かる。
また、緒方教授の博識に触れた坂崎が、「なぜ理系の人間は、無駄な知識を無駄に多く持っているのだろうか」と述懐する場面がある。実は僕もそうで、どうでもいい、人生には役に立たない知識はそこそこ持っていると思う。自分のそういう部分を「理系」と結びつけて考えたことは今までなかったんだけど、そうか、これも理系だからなのか、と感じた。本書を読んでいると、なんとなく、理系の人間ってそもそもオタクなんだろうな、という気がしてくる。「高校時代も、映写機に使われるジェネバ機構とやらの素晴らしさについて延々と語り倒していた気がする。私は理系ではあるがもっぱら興味の対象は化学だったので、話をされても今一つピンと来なかった。私がフラーレンの分子構造の美しさに言葉を尽くした時に、萩山が全く理解できていなかったように」なんていう文章がある。好きなことにのめりこむついでに、その周辺の情報も片っ端から頭に入れてしまうのだろう。坂崎が初めて空を飛んだ時の感覚には、笑ってしまったし、なるほど理系の人間らしい感想だなとも感じた。
「理系男子」という言葉には、どうも一定のイメージがつきまとうと思う。主に、マイナスの方向のイメージが。確かに坂崎にも、そういう面はないではないが、「理系男子」という世間のイメージをそっくり体現させるようなキャラクターではないと僕は感じる。しかし、外側から見て分かるわけではない部分で、坂崎はとても理系っぽいと感じる。なんだかそういう部分に、共感してしまうんだろうなぁ、と思う。
さてもう一つ。「僕自身の大学時代」の話を書こう。
僕は大学時代、演劇をやっていたことがある。
演劇サークルだったわけではない。演劇サークルだったら、入らなかっただろう。入ったサークルが、演劇「も」やっていたのだ。しかも、相当な規模で。
これは、本書の状況にちょっと似ている。児島さんが、何故「航空機研究会」に入ったのかという動機を語る中で、「誰だってみんな、パイロットに憧れて入ってくる」というようなことを言っていた。つまり、翼や風防を作りたくて「航空機研究会」に入る人間などほとんどいない、ということだ。
僕自身も、やり始めるまで、演劇のことなんか何も知らなかった。僕は小道具を作るところにいたんだけど、やっていく内にモノを作るのがすげぇ面白くなっていって、色々大変だったけどなかなかいい経験をしたなと思う。
そう、とても大変だったことがあったのだ。
僕が大学三年の時(というか、この時はもう大学に行ってなかったから、なんと呼んだらいいのか分からない時期だけど)、僕らの代は今年で最後、運営の中心は三年生、という時だった。三年の中でも、さらにメインで運営を進めていくメンバーが、残りのメンバーから吊るしあげられたことがある。もの凄い勢いで。
この出来事は僕の中で、この状況を僕がどうにか収めた、という記憶として残っている。そういう物々しい場で発言できるタイプの人間は、ことごとくメインの人間を追及する側に回っていて、どう考えても僕ぐらいしかその場を収められる人間がいなかった。僕も別にそういう場で発現するタイプではないんだけど、僕自身は特に賛成も反対もないようなフラフラしてる人間だし、まあ役割を果たそうかなという感じで色々言ってみたらなんかうまく言った、という程度の話なんだけど。
あの時、僕は大した意見も覚悟もなく、まあみんながそっちなら僕はこっち、ぐらいの軽い気持ちで自分の立ち位置を決めただけなんだけど、本書を読み終わった今こんな風に思う。
プロジェクトを運営するって大変なんだな、と。
いや、すげー当たり前だっていうことは分かるんだけど、僕は正直、実感としてそういう感覚を持てていたわけではない。三年間、なかなかの規模の演劇に関わっていたけど、それを動かしている人間のことは想像しなかった。「大変だろうなぁ」ぐらいの、他人事程度の距離感でしか考えたことがなかったな、と。
萩山の描かれ方を見て、そうか、そうだよな、と感じる部分がたくさんあった。この「そうか、そうだよな」の中身はあんまり書かないけど、「大変だろうなぁ」という漠然とした想像が、十数年経ってようやく像を結んだみたいな感覚を覚えました。
そしてもう一つ。
演者のことをキャストと呼んでいたのだけど、坂崎がパイロットになるために乗り越えなければならなかったものを、キャスト達も乗り越えなくてはならなかったんだな、と感じて、キャスト達の大変さも、十数年経ってようやく実感できた気がします。
僕らがやっていたのは英語の演劇だったので、僕は単純に、「英語のセリフを覚えるのって大変そうやねぇ」ぐらいのことしか、正直考えたことがなかったです。ここでも、「大変だよなぁ」という、あまり自分に引き寄せて考えてみない、無責任な立ち位置にいたと思います。
でも、本書を読んで、坂崎が置かれている状況を理解して、ようやく僕は、キャストの大変さを理解することが出来たような気がします。
実は、さっき書いたメインの運営が吊るしあげられた件の底流には、坂崎が直面したものと同じような問題が横たわっていたのだと思う。坂崎は、ある瞬間、全力で逃げ出す。その行為は、周囲の人間を困惑させる。理由が分からないからだ。しかし、緒方教授は、坂崎のことをきちんと理解している。緒方教授が、坂崎が逃げ出した理由を説明してくれる。
そして、その描写を読んで僕は、そりゃそうだ、と思ったのだ。そりゃあ逃げるわな、と。っていうか、今までよく逃げないで頑張ってこれたな、と。凄い、と思った。逃げた人間が「ダメ」なんじゃない、とようやく理解できた。そうではなくて、「逃げなかった人間が凄い」のだ。正直、そんな風に考えたことはなかった。僕もどこかできっと、「逃げるなんて」と思っていたと思う。でも、本書を読んで、その印象は一変した。そうか。そうだよな。いや、あの当時、このことに気づいていたって、別に何が出来たわけでもないだろう。まあだからこそ、今更だけれども、理解できて良かった。「逃げなかったこと」が凄まじく凄いことだ、と。
坂崎に緒方教授がいたように、あの当時、緒方教授のような誰かはいただろうか?僕には、全然分からない。寄り添ってくれる人はいたかもしれないけど、緒方教授のような人はいなかったんじゃないか、と思う。坂崎は、緒方教授がいたからこそ、パイロットとして飛ぶことが出来た。それは、坂崎にとっても、とても大きな経験だっただろう。
そんな風に、僕は僕自身の大学時代のことを思い返していた。なんというか、やっていることは演劇と鳥人間コンテストと全然違うんだけど、そこで描かれていることが自分の経験ととても重なるような感じがして、色々揺さぶられるものがあった。そういう意味でも本書は、とても印象深い作品だと感じました。
本当は、作中の文章を色々抜き出して、こんなにカッコイイんだ!みたいなことを見せたかったけど、うまく組み込めなかったなぁ。緒方教授のセリフは大体どれもズルいぐらいカッコイイとして、他にも色んな場面でグッと来るセリフがたくさんある。学生らしい熱さと、大人の優しさに溢れ、空を飛ぶという、考えようによってはただそれだけでしかないような目標に向かって全力を尽くす彼らの、心が洗われるような清々しさとドギマギとした恋模様が描かれる作品です。僕自身の思い入れ差っ引いても、素晴らしい作品だと思います。是非読んでみてください。

竹田真太郎「イカロスレポート」



雨乞いに似せた儀式で神々の機嫌うかがう朝のお風呂場

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:維)繊維業栄えた故郷いま「聖地」アニメ雑誌で特集される



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


雨乞いに似せた儀式で神々の機嫌うかがう朝のお風呂場
(4/23 髪 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=23



Ⅲ その他の自作短歌


春の山陽射しに隠して頬染めるまだ名前なき「赤」探すように



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


行かないでなんて言えたら壊れちゃう
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195964
(上の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


あなたの声をしっかり聴くわ二度と世界は震えない

手のひらでつかむ潮騒手こずって風にもしっぽがあればいいのに

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:保)炎天下喉を潤す黒ビール冷やす保冷剤の時給は?



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


20-[1+{(40-4)÷2}÷2]=10になります
(4/22 割 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=22



Ⅲ その他の自作短歌


(お題:風)手のひらでつかむ潮騒手こずって風にもしっぽがあればいいのに



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


どうしたの?って訊かれないよう生きる丸めた息は給湯室へ
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196016
(上の句:悠さん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


絢爛豪華ハイテクノロジー私は一人舟を漕ぐ

関東にうっすら積もる火山灰 空見上げればラピュタに似た島

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:関東)関東にうっすら積もる火山灰 空見上げればラピュタに似た島



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


わたくしが王と崇めしおとこしぞ前向かん背を追いかけますゆえ
(4/21 2位 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=21



Ⅲ その他の自作短歌


(お題:文房具)「飾り気のなさがとってもキミらしい」「ごめん…このペン借り物なんよ」



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


幸せの鳥がオリーブ運びくる羽の色見た?ブラと同じだ
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196015
(上の句:悠さん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


結局何が言いたいのかなあなたの声は聞こえない

ぱりぱり(瀧羽麻子)

今年の頭から、短歌をやり始めた。五七五七七に収める、アレだ。
雑誌に送ってみたり、ネット上でやり取りされる歌会に参加してみたりと、とりあえず目につく範囲で色んな風に短歌とか関わってみているんだけど、やはり、凄い人は凄い、と思う。
羨ましい。
僕は、文学チックな雰囲気を醸し出す短歌のことは、正直言ってよくわからない。与謝野晶子とか北原白秋の短歌をチラ見することはあるけど、うーんよくわかんない、となる。いわゆる、現代短歌、口語短歌と呼ばれるような、今っぽい感じの短歌のことしかよくわからないんだけど、そういう現代短歌は、「世界のスキマを見つける」ことが、一つの方向性としてあるような気がする。
日常のそんな些細な部分に目を向けたか、誰も気づかないようなそんな瞬間を言葉に変換したか、なるほどそんなところに狭間が生まれるものなんだなと思わせたか。そういう「スキマ」というしかないものを巧みに言葉に変換したものが、優れた短歌の一つとされているように感じる。
僕が凄いなと感じる短歌も、そういうものが多い。幻想的だったり非論理的だったりするような、パッと見では現実とうまく接続されていないように思える短歌も好きなんだけど、やっぱり、世界のスキマを言葉によって押し広げていくような、言葉によって空間をちょっと余分に生み出しているような、そういう短歌は凄いなと思う。
どうやったらそんな風に世界を見ることが出来るのか。どうやったらそんな言葉を繋げることが出来るのか。そう思えるような短歌に出会うと、努力してもこんなところには到達出来そうにないよなぁ、と感じる。圧倒的な差を感じる。
本書の主人公である菫も、まさにそういう存在だ。
菫は、高校の国語の補習で書いた散文が教師の目に留まり、詩人として鮮烈なデビューを果たすことになる。本書は、そんな菫を真ん中に据えた、菫の周囲の人物を描き出す作品だ。
菫のようなあり方を、羨ましいと感じる自分がいる。僕は、国語が大嫌いで、短歌を始めたのはごく最近なので、国語方面の才能についてはそれほど昔から羨んでいたことはないんだけど、理系だったので、数学の天才には憧れていた。
生まれ変わったら、天才的な数学者になりたい、と思っていた。
天才的な数学者について書かれたノンフィクションを幾度か読んだことがある。そこで描かれる数学者の生き様と、菫の生き様は、僕の中で折り重なる。一つのことに没頭し続けることが出来る驚異的な集中力。人間世界との関わりへの関心の希薄。
いいな、と思う。
僕は、自覚はあるのだけど、とにかく頭で考えすぎる。普通の人が、心や身体で判斷することさえも、僕はすべて一旦頭の中に突っ込む。そうやってひとしきり頭の中でこねくり回してからじゃないと、心や身体が反応しない、なんて部分がある。頭で考える、ということは、決して悪いことだけではないし、普通に日常を生きていく上ではむしろプラスになることの方が多いのかもしれないけど、でも、いわゆる「感性」と呼ばれるような部分はお粗末なままだろうな、と思う。意識=頭、無意識=心・身体とするならば、圧倒的に領域が広いはずの無意識領域をうまく使いこなせない人間に、感性的なものが育つとは、ちょっと思えない。
菫の生き様は、周囲の人間に様々な影響を及ぼす。菫のような、人間世界に極端に関心を持たない人間は、どうしたって周りの人間がうまくサポートしてやらなければ日常生活を送ることが出来ない。本書の第一話は、菫の妹視点の物語だが、いかに妹が姉である菫のサポートをしてきたのかが伝わる物語だ。菫のような人間は、内的世界を圧倒的に優先するために、外的世界をするっと切り捨ててしまう。それは、とても未熟な生き方かもしれないが、やはり僕はそういう生き様に憧れてしまう。真似しようとしたって、出来るものではない。
自分が菫のようになりたい、というのと同時に、菫のような感じの女性に惹かれる自分もいる。
変わっている人に惹かれる僕は、菫のような人が周りにいたら、たぶんとても惹かれるだろう。コミュニケーションが取れないもどかしさにヤキモキしながら、菫の不思議な生態をずっと眺めていたいような気分になるだろう。正直、きちんと関わろうとしたらたぶん色々面倒なことがたくさんあるだろうし、きっと僕はそれを受け入れられないだろうけど、まあ、空想の中では、僕は菫のような女性とうまくやれている、ということにする。
菫と現実に関わる人達は、様々な苦労を背負うだろう。その苦労は、物理的な苦労に限らない。それは、苦労の非対称性からやってくる、と僕は思う。
どれだけ物理的に苦労を掛けられても、相手が「苦労を掛けてしまっている」という気持ちを持つならば(これを、苦労の対称性と呼ぼう)、その苦労はある程度報われている、と言えるかもしれない。「苦労を掛けてしまっている」なんて相手に思ってほしくないという、全力で尽くすタイプの人も世の中にはいるだろうけど、そういう人は稀ではないかな。やはり、これだけ自分が苦労してるんだから、相手も少しは迷惑を掛けている自覚を持って欲しい、と思ってしまう人が多いだろう。
しかし、菫の場合、他人に迷惑を掛けているという自覚はない。悪気があってのことではなく、ただそれに気づかないのだ。その非対称性こそが、周りをしんどくさせる要因になりうるだろう。最終的には、関わってしまった以上諦めるしかない、と達観する以外にはない。菫にそうと悟らせるのは、ほとんど不可能に近いからだ。
本書では、様々な形で菫と関わることになる人物たちが描かれていく。そして誰もが、結果的に、「関わってしまった以上仕方ない」というのに近い、ある種の達観に到達する。そんな風にして、捉えどころのない菫という特異な人物を優しく見守ざるを得なくなる人たちのことが描かれていく。

「ぱりぱり」
ある時唐突に一人暮らしを始めた姉。時々連絡を入れることもなく、唐突に近くの実家に返ってくる。今日渡しは、そこでクッキーを焼いていた。姉は、昔から大好きだった小魚のお菓子を、我が家の名物音だった「ぱりぱり」という音を立てて食べている。

「うたう迷子」
菫の担当編集者は、迷っていた。自分がどんな風に進んでいけばいいのかを。二作目の売上が芳しくなかった菫の第三詩集を、どんな風にまとめるのかを。それなのに、菫は、詩集を前向きに出そうと思っているとは思えない。つい、イライラしてしまう。

「雨が降ったら」
姉妹のようにして育てられた青年は、大学進学を期に引っ越しをする。干渉性の高い姉に囲まれて育ってきたために、欲望が薄いという自覚がある。キレイ目なクラスメイトに言い寄られてても、なんだか、気が乗らない。そんなある日青年は、引っ越したばかりのアパートの前に佇む女性を見かける。

「うぐいす」
女子校の国語の教師を続けて数十年。校長が替わったために、どうしてもという生徒に補習を受けさせなければならない、ということになった。そこにやってきた三人。とにかく、作文を書かせてどうにか卒業させよう。生きるために夢を諦め、教師になった男の、それまでとは変わらない日常のはずの一日。

「ふたりのルール」
相手のちょっとしたところが気になって、同棲を続けているのに結婚に踏み切れない女性。久々の喧嘩は、相手が買ってきた詩集が原因だった。聞き覚えのある著者名は、詩人として名前を知っていたわけではない。人生における一瞬の邂逅が蘇る。

「クローバー」
菫の手を引き、公園を転々とする母親。菫の、母親を含めた周囲のものが目に入らなく様子は、二人の居場所を少しずつ奪っていく。菫は他の子と何かが違う。でも、病気なわけではない。両親が、変わった感覚を持つ娘との生き方を定めるまでの物語。

派手さはなく、物語が淡々と進んでいくだけにも関わらず、しっとりとしながらも非常に重厚な物語に組み上がっていると感じます。
その理由は、当然菫の存在にある。
短歌を作る時、僕がちょっと前から気をつけ始めていることがある。
それは、「お題から考えない」ということだ。
短歌の場合、お題が提示されることが多い。お題のない「自由詠み」もあるけど、「基本お題で詠んでね、自由詠みも受け付けてるけどね」というスタイルのものが多いように思う。お題は、漢字一文字だったりモノの名前だったり、概念だったり、様々なものがある。
僕はある時から、いかにしてお題から短歌を作らないでいられるか、を考えるようになった。これは、お題を背景にやる、と書くことも出来る。与えられたお題から連想を広げていった場合、どうしても短歌全体がそのお題の色になってしまう。お題が前面に出ている状態だ。でも、そうやって発想した短歌は、少なくとも自分で作る場合においては、あまり良いものに仕上がらないな、という感覚がある。そこで、どうにかお題を背景の一部に出来ないか、と色々試行錯誤をして、ようやく「お題から考えない」という形に辿り着いた。
本書にも少し、似たようなところがある。
本書のお題は、間違いなく「菫」だ。しかし、この作品全体の中で、菫が中心でドーンと居座っているかというと、そんなことはない。どちらかと言うと背景にいる。でも、背景にいるからといって目立たないかということはなく、やはりお題であるから目立ちはする。菫はそんな立ち位置にいるように感じられる。
メインで描かれていくのは、菫の周りの人物たちだ。親族や編集者などは、菫とかなり親しい関わりがあると言えるが、本書では、隣に引っ越してきた人、高校時代の国語の教師など、菫との繋がりが薄い人物も出てくる。やはりそういう人物までもを、菫の存在感だけで描き出していくというのは難しいだろう。菫の物語ではあるが、菫は背景にいて、菫にしか出来ない形で存在感を放つ。そして、その謎めいた引力に引き寄せられた人たちが、菫と様々な距離にいて、日常を生きていく。
菫のような人間は、周囲を否応なしに巻き込んでいく存在なのだろう。しかし菫は、幸か不幸か、人との関わりが極端に少ない。そういう中で、菫の生き様が染み出させた数少ない接点が、物語になっているという印象がある。菫の周囲の人物たちの日常は、結果的に菫の圧倒的な存在感を示すことになる。
静かで、ささやかな波が立つのを眺めているような物語だ。しかし、それがどこか心地よい。小鳥のさえずりや、小川のせせらぎなど、ともすれば他の環境音に消えてしまいがちだけど、耳をすませば確かに聞こえてくる、そんな物語に思える。些細な日常を切り取るだけではあるが、菫という存在感の大きさが、本書をうまく自立させていると感じる。是非読んでみてください。

瀧羽麻子「ぱりぱり」

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フィンランド屈折率の低い夜 忘れ物するにはちょうどいい

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:折)フィンランド屈折率の低い夜 忘れ物するにはちょうどいい



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品



目・鼻・口とっちゃいたいの丸3つ繋げただけのネズミみたいに
(4/20 丸 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=20



Ⅲ その他の自作短歌


寝ろ小僧明日の夢は明日見ろ(砂上の楼閣だと知れいつかは)



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


春の山陽射しに隠して頬染めて
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195965
(上の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


キレイになった三年前に言ってほしかったその言葉

伊能さま あなたがつくった地図みたよ。うちも宇宙をめざしてみるね。

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:央)山手線中央線と乗り継いで私はどこへ行くのだらうか



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


伊能さま あなたがつくった地図みたよ。うちも宇宙をめざしてみるね。
(4/19 行 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=19



Ⅲ その他の自作短歌


今日からもう僕は永遠の昼休み眠れる美女を起こさぬために



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


冷えきったトウキョウカンジョウ二十四時食べごろアイスは三時まで待て
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196046
(上の句:さくらもち、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


こうなったのはあなたのせいよ窓辺に隠すサキソフォン

妹の未訳の未来は英語でも梵字でもない 誰にも訳せぬ

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:妹)妹の未訳の未来は英語でも梵字でもない 誰にも訳せぬ



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


もしもし…なんかアンタが消えちゃったような気がして 死なないでよね
(4/18 賭け http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=18



Ⅲ その他の自作短歌


いつまでも見えぬタクシー目を閉じて「桃源郷へ行きたいのです」



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


生きる意味探す時点で馬鹿じゃない?あ、今青い鳥がそこ飛ぶ
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196045
(上の句:悠さん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


永遠なんてあなたの脳が錯覚してる気持ちよさ

古代より世界の解を数式で紡ぐ巨人のペンになりたい

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:援)悔しくて悔しくてまだ泣けぬまま応援歌まだ口ずさみつつ



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


古代より世界の解を数式で紡ぐ巨人のペンになりたい
(4/17 憧れ http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=17



Ⅲ その他の自作短歌


寝癖乱杭歯あかぎれギャランドゥそうそのままでいてくれたらいい



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


コトバにも男と女があるなんて
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195968
(上の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


こうやってまだ止まない雨を一人盃にためている

サービスとタダの違いを述べなさい 笑顔するかどうかが違う

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:サービス)サービスとタダの違いを述べなさい 笑顔するかどうかが違う



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


吹く風の流れは絶えず空染める二度と生まれぬ今日の新色で
(4/16 色々 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=16



Ⅲ その他の自作短歌


(お題:一)言葉から滲み出て香る一筋の不安をよそにアナタと口づけ



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


かっこいい事する時に着るジャンパー後頭部下の洗濯タグ
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196044
(上の句:ナイス害さん、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


アカシヤの咲く綺麗な世界今もあなたに嘘を吐く

透き通る止めどなき水利己的で凝りず幹など娶る音 キス  (すきとおるとめどなきみずりこてきてこりずみきなどめとるおときす)

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:捜)(捜します捜しますからもう二度と掛けてこないで) 「赤の他人です」



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


はんぶんこ出来ないものが欲しくって。子どもじゃなくても、別によかったの。
(4/15 半分 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=15



Ⅲ その他の自作短歌


透き通る止めどなき水利己的で凝りず幹など娶る音 キス 
(すきとおるとめどなきみずりこてきてこりずみきなどめとるおときす)




Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


頃合いを見てタクラマカン砂漠入り
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195969
(上の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


非業ではない死なんてあるの?あなたの問いに首を振る

艶色の良いリンゴには映るのよ我らの祖先が犯した罪が

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:艶)艶色の良いリンゴには映るのよ我らの祖先が犯した罪が



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


いつか砂になるはずの石つかむ手はまだちいさい まだ祈るときじゃない
4/14 石 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=14



Ⅲ その他の自作短歌


フルスウィング蕗の薹の頭越え狂喜乱舞の大ホームラン



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


壊すなら銃に思い出詰め込んでパピコを狙う赤い十字架
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6196043
(上の句:鏡が映すもの、下の句:黒夜行)


Ⅴ 自作の都々逸


ここからだってあなたの癖は見えるんだよと嘘をつく

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この本は、こんな人に読んで欲しい!!part1
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TOEICの勉強を一切せずに、7ヶ月で485点から710点に上げた勉強法

一年間の勉強で、宅建・簿記2級を含む8つの資格に合格する勉強法

国語の授業が嫌いで仕方なかった僕が考える、「本の読み方・本屋の使い方」

2014の短歌まとめ



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本をたくさん読みます。
映画もたまに見ます。
短歌をやってた時期もあります。
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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)