黒夜行

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読んで欲しい記事・索引






乃木坂46関係の記事をまとめました
TOEICの勉強を一切せずに、7ヶ月で485点から710点に上げた勉強法
一年間の勉強で、宅建・簿記2級を含む8つの資格に合格する勉強法
国語の授業が嫌いで仕方なかった僕が考える、「本の読み方・本屋の使い方」
2014の短歌まとめ
この本は、こんな人に読んで欲しい!!part1
この本は、こんな人に読んで欲しい!!part2
管理人自身が選ぶ良記事リスト
アクセス数ランキングトップ50
索引 まとめました
【今日考えたこと】索引


災害エバノ(災害時に役立ちそうな情報をまとめたサイト)(外部リンク)
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乃木坂46関係の記事をまとめました








乃木坂46・欅坂46のエンタメニュースサイトである「Nogizaka Journal」様に記事を掲載させていただいています。





「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」を観に行ってきました

「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」を観に行ってきました(二度目)

乃木坂46物語(篠本634)

【本讀乙女 乃木坂46 齋藤飛鳥 | [ booklista ]】の記事について

乃木坂46の齋藤飛鳥が好きな理由

齋藤飛鳥が好きな理由2

あー、困った。これ以上齋藤飛鳥を好きになりたくない

「乃木坂の46のMV集を観て感じた、生駒がセンターだった理由」

乃木坂46の”ファン”になったことで考えた、”ファン”であることへの違和感

齋藤飛鳥の次に気になる橋本奈々未について

齋藤飛鳥に読んで欲しい本

乃木坂工事中「14thシングル選抜メンバー大発表」を見て思ったこと

「乃木坂46の「の」 20160313 伊藤万理華・齋藤飛鳥」を聞いて

齋藤飛鳥のことば 公式ブログのタイトルから

別冊カドカワ 総力特集 乃木坂46 Vol.1

「乃木坂工事中160410 齋藤飛鳥独り立ち計画 初めての◯◯」を見て

「乃木坂46の「の」 #158 160410(堀未央奈MC、齋藤飛鳥、渡辺みり愛)」を聞いて

「EX大衆2016年5月号 齋藤飛鳥ロングインタビュー」を読んで

「乃木坂工事中 #54 160501「恋愛ゲームアプリ『乃木恋』リリース記念!理想の彼氏に求める条件ベスト5をメンバーが大発表!」」を見て

「MdN 2015年4月号 乃木坂46 乃木坂46 歌と魂を視覚化する物語」を読んで

別冊カドカワ 総力特集 乃木坂46 Vol.2

乃木坂46 MVの中の西野七瀬

「15thシングルキャンペーン・新センター齋藤飛鳥の1人でヒット祈願inミャンマー」を見て

「BRODY 2016年10月号」を読んで

別冊カドカワ 総力特集 乃木坂46 Vol.3

「BUBUKA 2016年11月号」を読んで

「blt graph. Vol.14 齋藤飛鳥のインタビュー」を読んで

「OVERTURE No.009 齋藤飛鳥のインタビュー」を読んで

「BRODY 2 松井玲奈のインタビュー」を読んで

「BRODY 2 齋藤飛鳥のインタビュー」を読んで

ダメ人間・橋本奈々未

「弱さと強さの奇跡的なバランスが生み出す“西野七瀬”というアイドル」

齋藤飛鳥写真集『潮騒』 勝手にキャプションを考える

隙間を埋める“パテアイドル”としての秋元真夏の真骨頂

BRODY 2017年4月号 寺田蘭世のインタビューを読んで

アイドルとは、臆病な人間を変革させる装置である

その笑顔は、仲間を輝かせる光・高山一実

生駒里奈、それは乃木坂46の背骨、そして原動力



(乃木坂46とはあんまり関係ないけど…)

「心が叫びたがってるんだ。」を観に行ってきました

「心が叫びたがってるんだ。」を観に行ってきました(二回目)


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管理人自身が選ぶ良記事リスト





自分なりに、良い記事を書けたな、と思えるものを松竹梅で分類してみました。この分類は、自分の記事に対する自己評価なので、作品などに対する評価ではありません。
随時更新していくつもりでいます。
ちなみに、「アクセス数ランキングトップ50」という記事もありますので、こちらも良ければ御覧ください。


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アクセス数ランキングトップ50





このブログの記事を、アクセス数が多い順に並べてみました。トップ50です(2016年2月2日時点)。
アクセス数の多い記事が良い記事なのかどうか、それはよくわからないけど。
恐らくこの記事は、更新することはないと思います(めんどくさいので)。
ちなみに、「管理人自身が選ぶ良記事リスト」という記事もありますので、こちらも良ければ御覧ください。


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この本は、こんな人に読んで欲しい!!part1
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アクセス数ランキングトップ50

本の感想以外の文章の索引(映画評もここにあります)




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2008年に書いたショートショート集の索引

2008年に書いたショートショート集 No.1~No.26

2008年に書いたショートショート集 No.27~No.50

2008年に書いたショートショート集 No.51~No.73

2008年に書いたショートショート集 No.74~No.98

2008年に書いたショートショート集 No.99~No.123

2008年に書いたショートショート集 No.124~No.165

2008年に書いたショートショート集 No.166~No.214

2008年に書いたショートショート集 No.215~No.261

【今日考えたこと】索引

【今日考えたこと】~本売る関連①~ (2014年4月~2015年3月)

【今日考えたこと】~本売る関連②~(2015年4月~)

【今日考えたこと】~その他①~(2014年4月~2014年5月)

【今日考えたこと】~その他②~(2014年6月~2014年12月)

【今日考えたこと】~その他③~(2015年1月~2015年3月)

【今日考えたこと】~その他④~(2015年4月~)

本の感想以外の文章の索引(映画評もここにあります)

乃木坂46関係の記事をまとめました

資格の勉強をしたい方へ
TOEICの勉強を一切せずに、7ヶ月で485点から710点に上げた勉強法

国語の授業が嫌いで仕方なかった僕が考える、「本の読み方・本屋の使い方

2014の短歌まとめ

この本は、こんな人に読んで欲しい!!

【今日考えたこと】索引

災害エバノ(災害時に有益かもしれない情報をまとめた)














「スプリット」を観に行ってきました

「ジムノペディに乱れる」を観に行ってきました

「お嬢さん」を観に行ってきました

「パトリオット・デイ」を観に行ってきました

「哭声/コクソン」を観に行ってきました

「人生フルーツ」を観に行ってきました

「美しい星」を観に行ってきました

「たかが世界の終わり」を観に行ってきました

「追憶」を観に行ってきました

「メッセージ」を観に行ってきました

「バーニング・オーシャン」を観に行ってきました

「ムーンライト」を観に行ってきました

「パッセンジャー」を観に行ってきました 

「3月のライオン 後編」を観に行ってきました

「夜は短し歩けよ乙女」を観に行ってきました

「LION/ライオン~25年目のただいま~」を観に行ってきました

「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」を観に行ってきました

「3月のライオン 前編」を観に行ってきました

「ラ・ラ・ランド」を観に行ってきました

「スノーデン」を観に行ってきました

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」を観に行ってきました

「The NET 網に囚われた男」を観に行ってきました

「ヒッチコック/トリュフォー」を観に行ってきました

「サバイバルファミリー」を観に行ってきました

「虐殺器官」を観に行ってきました

「赤目四十八滝心中未遂」を観ました

「ドントプリーズ」を観に行ってきました

「沈黙」を観に行ってきました

「ヒトラーの忘れもの」を観に行ってきました

「湯を沸かすほどの熱い愛」を観に行ってきました

「海賊とよばれた男」を観に行ってきました

「この世界の片隅で」を観に行ってきました

「永い言い訳」を観に行ってきました

「コンカッション」を観に行ってきました

「聖の青春」を観に行ってきました

「淵に立つ」を観に行ってきました

「THE BLUE HEARTS ショートフィルムセレクション」を観に行ってきました

「何者」を観に行ってきました

「ニュースの真実」を観に行ってきました

「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を観に行ってきました

「オーバーフェンス」を観に行ってきました

「セトウツミ」を観に行ってきました

「七人の侍」を観に行ってきました

「怒り」を観に行ってきました

「ハドソン川の奇跡」を観に行ってきました

「君の名を。」を観に行ってきました(二度目)

「SCOOP!」を観に行ってきました

「レッドタートル ある島の物語」を観に行ってきました

「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」を観に行ってきました

「シチズンフォー スノーデンの暴露」を観に行ってきました

「エクスマキナ」を観に行ってきました

「シン・ゴジラ」を観に行ってきました

「二重生活」を観に行ってきました

「野火」を観に行ってきました

「君の名は。」を観に行ってきました

「ロストバケーション」を観に行ってきました

「葛城事件」を観に行ってきました

「帰ってきたヒトラー」を観に行ってきました

「ディストラクション・ベイビーズ」を観に行ってきました

「Fake(監督:森達也)」を観に行ってきました

「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」を観に行ってきました

「蜜のあわれ」を観に行ってきました

「クリーピー 偽りの隣人」を観に行ってきました

「マネーモンスター」を観に行ってきました

「ボーダーライン」を観に行ってきました

「言の葉の庭」を観ました

「海よりもまだ深く」を観に行ってきました

「ルーム」を観に行ってきました

「リリーのすべて」を観に行ってきました

「レヴェナント 蘇りし者」を観に行ってきました

「スポットライト 世紀のスクープ」を観に行ってきました

「マネーショート 華麗なる大逆転」を観に行ってきました

「エヴェレスト 神々の山嶺」を観に行ってきました

「ヤクザと憲法」を観に行ってきました

「イミテーションゲーム」を観ました

「ザ・ブリザード」を観に行ってきました

「スティーブ・ジョブズ」を観に行ってきました

「サウルの息子」を観に行ってきました

「独裁者と小さな孫」を観に行ってきました

「完全なるチェックメイト」を観に行ってきました

「セッション」を観ました

「ブラックスキャンダル」を観に行ってきました

「オデッセイ」を観に行ってきました

「The WALK」を観に行ってきました

「ヒトラー暗殺、13分の誤算」を観に行ってきました

「残穢―住んではいけない部屋―」を観に行ってきました

「白鯨との闘い」を観に行ってきました

「シーズンズ 2万年の地球紀行」を観に行ってきました。

「杉原千畝」を観に行ってきました

「エベレスト3D」を観に行ってきました

「ピエロがお前を嘲笑う」を観に行ってきました

「ハーモニー」を観に行ってきました

「心が叫びたがってるんだ。」を観に行ってきました(二回目)

「私たちのハァハァ」を観に行ってきました

「ボクは坊さん。」を観に行ってきました

「みんな!エスパーだよ!」を観に行ってきました

映画「バクマン。」を観に行ってきました

「屍者の帝国」を観に行ってきました

「心が叫びたがってるんだ。」を観に行ってきました

「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」を観に行ってきました(二度目)

「天空の蜂」を観に行きました

「ヴィンセントが教えてくれたこと」を観に行きました

「日本のいちばん長い日」を観に行きました

「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」を観に行ってきました

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観てきました

「バケモノの子」を観に行ってきました

「リアル鬼ごっこ」(園子温)を観てきました

「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」を観に行ってきました

「駆込み女と駆出し男」を観てきました

「百日紅~Miss HOKUSAI~」を観に行ってきました

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を観に行ってきました

「アメリカンスナイパー」を観に行ってきました

「毛皮のヴィーナス」を観に行ってきました 

「ガガーリン 世界を変えた108分」を観に行ってきました 

「インターステラ―」を観に行って来ました 

「紙の月」を観に行ってきた 

「谷川さん、詩をひとつ作ってください。」を観てきました 

「楽園追放 -Expelled from Paradise」を観に行ってきた 

映画「地獄でなぜ悪い」(監督:園子温)を観に行きました 

そして父になる(監督:是枝裕和 原案:「ねじれた絆」)を観に行ってきました 

映画「凶悪」(新潮文庫「凶悪 ある死刑囚の告発」原作)を観に行ってきました 

映画「風立ちぬ」(宮崎駿)の感想 

映画『TED』 備忘録 

映画『砂漠でサーモンフィッシング』 備忘録 

映画『ヱヴァンゲリヲンQ』感想 備忘録 

映画「ふがいない僕は空を見た」の感想 備忘録 

映画 『ソハの地下水道』の感想 備忘録 

映画『希望の国』(園子温)の感想 備忘録




作家紹介 森博嗣 

作家紹介 伊坂幸太郎 

作家紹介 福井晴敏 




「重力波」の発見にテンションが上がったので文章を書いてみた

もし小学生に「どうしてマイナス×マイナスはプラスになるの?」と聞かれたら、僕ならこう答える 





2008年に書いたショートショート集の索引




「十人の憂鬱な容疑者」(SCRAPのゲームブック)をクリアした!(ネタバレなしの感想) 



【福島の今を知り、私たちの未来を考える旅 第三弾:秋の稲刈り】に行ってきました 

【福島の今を知り、私たちの未来を考える2日間】(HISスタディツアー)の感想 

【解放食堂・ふくしま弾丸ツアー 2013/09/29】に行ってきました 

福島映像祭2013に行ってきました 





「AMAカフェ vol.22×めぐりカレッジ」に行ってきました 



青春18きっぷ旅 移動ルートと電車の時刻表

讃岐うどん旅行記 

讃岐うどん旅行記 パート2 

古池や古時計さえ見当たらぬそれでも歌はここにあります

Ⅰ 「題詠blog2014」(http://blog.goo.ne.jp/daieiblog2014)の100のお題から
  (結局エントリーはせず)


(お題:故意)雨音に溶かしたような声は故意後ろ姿に届かぬように



Ⅱ 「うたの日」(http://utanohi.exout.net/index.html)に投稿した作品


古池や古時計さえ見当たらぬそれでも歌はここにあります
(6/26 古 http://nono.php.xdomain.jp/page.php?id=87



Ⅲ その他の自作短歌


「ニューヨークへ行きたいか!」(無言) 副機長「(それは明日のフライト便です)」



Ⅳ 「連歌の花道」(http://renga57577.bbs.fc2.com/)に投稿した作品


会おうとは絶対きみは言わないねいいの 返事はわかってるから
http://renga57577.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=6195306
(上の句:みなま、下の句:黒夜行)



Ⅴ 自作の都々逸


一週間で5kg痩せたら一緒に歩いてくれますか?

検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む(倉山満)

内容に入ろうと思います。
本書は、内容紹介をし始めると実に長くなると思うので、先に読後の感想を書いておきましょう。
メチャクチャ面白かった!
たぶん面白いだろうなぁ、って感じで読み始めたんですけど、読み始める前に思った以上に面白い作品で、これは素晴らしいと思いました。
本書をひと言で説明しようとすればこうなります。

『財務省(旧大蔵省)から見た、明治維新以来の日本の歴史』

これはつまり、こういうことです。

『お金から読む日本の歴史』

本書は、予算権限を持つ大蔵省の動向・大蔵省を操る政治家の動き・実際のお金の流れと言った観点から日本の近現代史を見た場合、「常識的な歴史観」がどんな感じで覆るか、ということを様々な場面で示す作品です。
そして、本書の最終的な目的地はこうです。

『何故財務省は、増税をしようとしているのか』

本書には、元々大蔵省の伝統には、増税というものはなかった、と書かれています。大蔵省は、増税という「悪手」を使うことなく、エリート揃いの智慧と、政治家ともやりあえるほどの度胸などによって、日本の経済を守ってきた存在でした。本書の「おわりに」でも、こんな風に書かれています。

『明治以来、大蔵省ほど、絶大な力を持ちながらも注目されてこなかった組織はないでしょう。しかし現在、財務省は日本の歴史上、最も注目されていると言っても過言ではありません。その注目のされ方は、長期デフレ不況。大震災の最中に増税を強行しようとしている「悪の権化」としてです。
しかし、繰り返しますが、これは財務省だけでなく、国民にとって不幸なことだと思います。大蔵省は明治以来、日本の近代化を支え、間違った時流に抗し、敗戦から高度成長の繁栄へと導いてきた組織です。大蔵官僚こそ、常に黒子として日本に尽くしてきたのです。その様子の一端は、本書で述べた通りです。この歴史を抜きにして、いま行われつつある目の前の現象だけを取り上げても、本質は決して見えてこないでしょう。また、そうであっては未来への解決策も見つからないでしょう。』

本書を読むと、何故今財務省が「増税」を「したくないのにしなければならいのか」が分かります。その二つの理由を端的に書くと、

『政治の再現のない財政拡大圧力を抑制する自信がないこと』
『日銀の独立により金融政策の自由を奪われたこと』

です。
前者については、主に田中角栄や竹下登らによる暗黒時代の記憶があります。大蔵省は、様々な歴史の変転を経て、ある時から最強の官庁として、時には政治家さえも抑えこむほどの権限を持つことになります。しかし、様々なことがあり、田中角栄や竹下登と言った政治家に翻弄される中で、大蔵省や財務省は、政治家の暴走を止めるだけの力を持てなくなってしまいました。本書では、その流れが示されます。
そして後者については、元々大蔵省の一機関でしかなかった日銀が、新しく制定された日銀法によってほぼ独立常態となり、財務省が管理し切れなくなってしまった、という現実があります。この日銀の話は後半のほんの少ししか出てきませんが、現在の長期デフレ不況の大きな原因の一つが、日銀の暴走、そしてその暴走を結果的に保証することになっている日銀の独立にあると書かれています。
これだけでも充分に興味のある内容ではないかと思います。今、デフレがどうだのと言った様々な本が出版されているけれども、大蔵省や財務省の歴史や背景などを読み解くことで現在のデフレを説明するような本というのはなかなかないのではないかと思います。著者自身も、本書を執筆する過程であれこれ調べている中で、自分自身でも知らなかったことが山ほど出てきて、そうであれば一般の国民はまず知るはずがないと思ったと書いています。確かにそうだろうなぁと思います。
でも、本書の面白さは、現在の「増税」という悪手を説明してくれるというだけではありません。
というかそれは、あくまでも本書の目標の一つであって、本書の大きな目標というのは、『大蔵省の歴史から日本の歴史を読み解く』というものです。
これがまあ面白い。僕は、ホントにホントに歴史に関する知識がなくて、歴史ってものを基本的に嫌悪しているんだけど、本書は、大蔵省がその発足時から記録し続けている『正史』である「財政史」や「大蔵省史」などの公にされている公式の記録を丹念に読み解き(「おわりに」の中で、現存する当事者に取材をして執筆するべきだとは分かっているけど、それは私の手に余る、とか枯れていて、つまり本書は基本的に、先に挙げたような大蔵省が残し続けている記録を元にして描かれています)、そこの記述をなるべくそのまま受け入れることで、「常識とされている歴史観」を結果的に覆すことになっている、という点が実に面白いです。もちろん、歴史に関する知識のない僕には、本書で否定されている「常識とされている歴史観」が本当に「常識」なのか判断は出来ないのですけども。とはいえ、お金の流れを元に歴史を読み解くという視点は相当に面白く、なるほど「予算権限」を握るということはこういうことなのか、と実感させられました。
というわけで、以上が長々とした前置きで(笑)、これから内容をざっくりと紹介したいのですけど、まず全体の流れをざっくり説明したその後で、本書の中で僕が凄く面白いと思った部分について触れようと思います。

明治維新というのは要するに、藩毎にお金を集めて使うんじゃ効率が悪いから、国でまとめて集めてそれを諸外国と対抗するのに使おう、というものでした。つまり、お金を集めて、そしてそれを使う部署がいる。というわけで大蔵省が設立されます。内務省というものも設立され、地方自治に関する雑務はその内務省が引き受けることになったので、大蔵省は超優秀な人材だけを集められるようになります。当初大蔵省の官僚は、自分たちは非政治的な存在であると思っていたようです。
当初は、お金を集める「主税局」が主流だったのが、予算を承認する衆議院を押さえた大蔵省は、そこから、税金を使う「主計局」が主流となり、ここで強権を振るったのが、城山三郎の「男子の本懐」の主人公であった井上準之助です。後で書きますが、本書は「男子の本懐」を『世紀の悪書』とします(物語の面白さは認めていますが)。
予算権限を握った大蔵省は最強です。軍部でさえも、陸海軍が共に、相手に予算を取られたくないという思惑から、大蔵省には頭が上がりません。二・二六事件で高橋是清を失った大蔵省は痛手を負いますが、しかしその最強は揺るぎません。
しかしこの時代、世間一般には無名だが、大蔵省としては最も許しがたい人物が蔵相につきます。それが、馬場鍈一です。この馬場が、初めて大蔵省に「増税の遺伝子」を植え付けます。それまで、どれほど苦境に立たされようが、井上準之助も高橋是清も増税だけは口にしなかったものを、馬場を止めることが出来なかった大蔵省は敗北を喫します。結果的にこの馬場の暴走が、歴史学では「軍部の独走」と評される様々な出来事の布石となり、現在に至るまで禍根を残すことになります。
敗戦後の大蔵省は、日本を弱体化させようとする占領軍と闘いますが、その内次第に、内側から日本を弱体化させようという勢力の存在に気づきます。アカ、いわゆるソ連のスパイたちです。大蔵省は彼らとも闘い続けます。
池田勇人がグランドデザインを成功させますが、その後田中角栄が台頭し始め、衆議院を掌握し族議員たちに予算をバラマキまくる田中角栄を大蔵省は抑えることができなくなっていきます。
その後、大蔵省と当時の蔵相だった竹下登が組んで、10年の準備期間を経て田中角栄を打倒しますが、しかし今度は竹下登が田中角栄以上に暗躍し、大蔵省は連戦敗北というような様相を呈していくことになります。
そうした中で、大蔵省は若干の権限を奪われ、名前を財務省に解明させられ、かつては下部機関であった日銀が独立し、と様々な敗北を喫する中で、政治家の介入も抑え切れないし、独立した日銀にも介入できないのだから、もう「増税」以外打つ手がない、というところまで追い込まれてしまうことになりました。経済原則から判断して当然である「お札を刷る」という施策を日銀が一向にしないが故に続いてしまっている長期デフレ不況。財務省は、あらゆる権限を奪われ、連戦敗北という状況の中、国を維持するために仕方なく「増税」を主張している。
というような内容です。
僕の理解が間違っている部分も多々あるかもしれませんが、大雑把に言うとこんな感じの内容です。
僕は歴史の授業が本当に嫌いだったので、授業をほとんど聞かずに内職をしてました。だから、歴史をどんな風に教わったのか覚えていないんですけど、本書のように、『お金の流れやそれに伴う権限』なんかを中心に歴史を語るなんて授業はまずなかっただろうと思います。本書では、『お金』という観点から見た場合、満州事変も盧溝橋事件も小泉首相の大勝利も財務省による「増税」の主張も、全部ちょっと違った風に見えませんか?という視点を提示してくれる作品で、実に面白い。特に、昭和史では「軍部は最強だった」と語られることが多いらしいんですけど、本書を読む限り、陸軍も海軍も結局予算権限を持つ大蔵省には頭が上がらないし、上がらないどころか軍部が大蔵省の官僚に露骨に接待をしたりなんていう描写もあって、これは面白いなと思いました。田中角栄が闇将軍などと言われていたけど、実は竹下登の方がもっと暗躍していたなんて話とか、敗戦後大蔵省は、外務省並に英語が出来るエリート揃いだから、占領軍に対してないことないこと吹きかけて大蔵省という組織維持に走ったなど、面白い話が満載です。後半の方になってくると、人間関係やら利害関係やらが複雑になって、なかなか追うのが難しくなっていっちゃうんですけど、前半は構図や人間関係もシンプルで、凄く面白いなと思いました。
本書で最大に面白いなと思ったのが、先にチラッと挙げた、城山三郎の「男子の本懐」について。
僕は「男子の本懐」を読んでないので、本書に書かれていた内容からざっくり説明すると、高橋是清と意見を異にしていた井上準之助という立場の弱い政治家が、「金解禁」という秘策をどうにか実行するため、強大な抵抗勢力に立向いついにこれを成し遂げるまでを描いた作品、だそうです。
著者は、「男子の本懐」の物語は素晴らしく面白いと書きながらも(「書かれている話が嘘だとわかっていても感動してしまう」と書いています)、大きな三つの誤りがあるために、この作品は「世紀の悪書」だと断言します。
それは確かに、本書で描かれていることを読むと納得できる話で、逆に、どうしてこんな井上準之助の話が、「男子の本懐」のような感動話になったのだろうか、という方が不思議だなという感じがします。三つの誤りについてはここでは書かないので、是非読んでみてください。
他にも触れたい話は山ほどあるんだけど、一つ一つ書いてるとなんか全部紹介する感じになっちゃいそうで、止めておきます。後は、いくつか気になったものを引用しながらあれこれ書いて終わろうと思います。

まず、高橋是清について。本書を読んで僕は、高橋是清という人物にメチャクチャ興味が湧きました。高橋是清という人は、経済的な危難を乗り切る天才だったようです。ある時、大蔵大臣の失言から始まった恐慌を、高橋是清はお札をすることで収束させようとします。この時、「間に合いません」と言い訳する大蔵省や日銀に対して、高橋是清はこう言い切ったそうです。

『だったら裏面は白紙でよい!』

凄いですよね。なかなかこんなこと言えないんじゃないかと思います。裏面が白紙のお札とかって、まだどこかに残ってたりするのかなぁ。凄いレアそうな気がします。

次は、池田勇人。池田勇人についても結構関心があるんだけど、池田勇人についてはこの文章が素晴らしい。

『池田のグランドデザインは、こうして見事に実現しました。有能な人材の英知を結集し、責任者が勇気を持って決断すれば、理想は実現できるという実例です。
平成のエコノミストは「もはや経済成長はできない」などと、あきらめ気分の物言いをしますが、成長は天から降って湧いてくるものではないのです。人間の努力で生み出すものなのです。』

次は、国債についての話。日本の借金がとんでもない金額で、みたいな話がありますが、こんな一文があります。

『大蔵官僚は経済学研修という講座を必ず受講するのですが、もし「日本は国債発行という借金で破産する」などと言う大蔵官僚がいたとしたら、その人はこれまで一体何を学んできたのかという話になります。』

これは、最終的に国債を強制的に日銀に引き受けさせればいい、という話のようで、どうして日銀が引き受ければ全部オッケーになるのか、僕にはよくわかんないんですけど、とにかく赤字国債で国が破産することはない、らしいですよ。

最後に日銀とデフレ不況について。

『デフレ不況の最も単純にして最大の処方箋は「お札を刷ること」です。それは、経済理論では基礎中の基礎dえあり、歴史的事実としても有効性は証明されています。しかし、歴代日銀総裁は頑としてお札を刷ることだけは拒否します。』

詳しいことはわかりませんけど、お札を刷ればデフレは解消されるらしいですよ。お札、刷って欲しいものですねぇ。

というわけで、メチャクチャ面白い新書でした。予想以上の面白さだったなぁ。僕は、経済と歴史と政治についてはホントに無知と言っていいレベルで、基本的な知識さえまったく持ちあわせていません。だから、特に後半、なかなかついていくのが大変だったんだけど、でも全体としては非常に読みやすく、知識のまるでない僕にも楽しめる作品でした。世の中には、デフレがどうの日本の借金がどうのという本が山ほどありますが、本書で描かれていることの真偽はともかく(僕には判断できませんよ、という意味ですが)、大蔵省の歴史から日本の歴史を読み解くことで、何故現在のような状況に陥ってしまったのか、という流れが分かる本書は、実に素晴らしいテキストではないかなという感じがします。是非是非読んでみてください。

倉山満「検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む」



株式会社という病(平川克美)

内容に入ろうと思います。
経済やビジネスに関する本、というのは山ほど出版されている。それは、『こんな風にすればお金がたくさん手に入る』というものから、『昔の経済学者が考えた理論』まで、とにかく様々だ。
しかし本書は、なかなか変わった経済書である。それは、『株式会社』という存在そのものについて考える、というものだ。
会社をどう運営するかや、会社の中でどんな風に働くのか、という本は様々出ていることだろう。しかしそうではなくて本書では、『株式会社』というのはそもそもどんな存在であるのかということを突き詰めようとする。これは、本書でも書かれているけれども、ビジネスの現場では決して役に立たない知識である。しかし、多くの人は、毎日会社に行き、そこで働き、時には会社が命令する理不尽な要求にも応える。あるいは、昨今頻発しているように思える企業不祥事や、グローバリゼーションの台頭による会社の変化。
それらは、何故どうしてどのようにして起こるのか。
著者は、それを追い求めようとする。そしてその根底には、『株式会社』というものが、発生したそもそもから宿命的に抱えていたある『病』が存在する、と指摘する。
本書は、その『病根』についての作品である。
読みながら僕は、本書のPOPのフレーズを考えたのだけど、それが本書をかなり的確に表しているのではないかと思うので書いてみようと思います。

『全サラリーマン必読!

会社はなくてはならない。
でも会社は、生まれた時から病んでいる。
あなたはそんな『会社』の中で、どう振る舞うべきか。』

先に、本書の中で貫かれている一つの考え方について書こう。
それは、善悪で物事を判断しない、という点だ。
著者は本書で繰り返し、それが良いことなのか悪いことなのかは問題ではない、と書く。例えば著者は本書の中で、『株式会社はそもそも病を抱えている』と書く。しかし、だからと言って『株式会社はなくなるべきだ』と主張しているわけではない。著者は、『株式会社が病を抱えていることを認めた上で、ではどうするべきか』と問う。
これは、本書で扱われるどんな話でも同じだ。著者が個人的に違和感を覚える、という話は出てくる。ただそれについても、それを『悪い』と判断するわけではない。また、著者が認めることがあったとしても、それを『良い』と判断するでもない。僕は、著者のこのスタンスが凄く好きである。善悪の二元論、それは昨今のグローバリゼーションによって日本でさらに加速していっているような気がするのだけど、そういう単純な議論を著者はしない。著者は、物事の本質を明らかにしようとしているだけで、その善悪を判断しようとしているのではない。そういう考え方によって本書が貫かれているという点が、まず僕がいいなと思う点である。
そしてもう一点。本書では、僕が社会の中で働きながらずっと抱いてきた違和感を説明してくれている、という点で、僕にとって凄くいい本である。僕は、未だにアルバイトで働いているのだけど、大学時代、絶対に自分はサラリーマンにはなれないと思って、それだけが原因ではないけど、大学を辞めた。実を言えば僕は、中学生の頃から、自分はサラリーマンには絶対になれない、と感じていた。中学生の頃の理由と大学時代の頃の理由は違うのだけど、その違う点も本書は説明してくれているのだ。未だに僕は、社会の中で働く中で、どうしても拭うことができない違和感に日々囚われてしまう。もちろん他の多くの人も、それを感じているかもしれないし、感じていてでも無理矢理無視しているという人もいるのだろう。でもなんとなく、それを感じていない人もたくさんいるような気がして、そのことにも僕はモヤモヤさせられてしまう。
本書のテーマをまず引用しよう。本書の中には、これがテーマである、という文章がいくつか出てくるのだけど、まあこれがいいかなと思って選んだのがこれだ。

『本書のテーマは、ビジネス(つまりはお金儲け)という人間の活動の中に潜む思考停止であり、株式会社というものがそもそも思考停止を前提としたシステムであることを再認識しようというものだ。』

さらにこんな風にも書かれている。

『問題は、株式会社とはどうあるべきかというところにあるのではなく、株式会社というものが本来的に持っている限界についての認識を共有することである。』

そして、先程も少し触れた、著者の考え方が、こんな文章として出てくる。

『株式会社というものが、お金儲けのシステムとして考案されたとき、すでにそれは思考停止を前提としたシステムだった。
しかし、誤解していただきたくないのは、そのこと自体を糾弾したくて本書を書いたわけではないし、株式会社悪者論を展開したいわけではない。
株式会社がお金儲けだけに腐心する病的なシステムだからといって、それは別に悪いことでもないし、もちろんいいことでもない。
株式会社に道徳を求めたり、株式会社が社会貢献を標榜したりするのは勝手だが、本来的にそのような観念を受け入れるようなシステムではないのである。』

さて、ここから本書についての概略を書きたいものなのだけど、それはなかなか難しい。それは、本書は全体で一つのテーマについて論じているのだけれども、あくまで各章のテーマ的な繋がりは緩くて、章毎に結構別々の内容が扱われているから、という理由もある。のだけれども、それ以上に、やはり僕の理解度が、本書を人に説明できるほどではない、というのが大きいだろうか。
というわけで、僕がわりかし理解できた部分だけざっと書こうと思います。
まず著者は、『株式会社』というものの病根は、『所有と経営の分離』にあると言う。まさに『所有と経営の分離』こそが『株式会社』という仕組みを生み出したわけで、著者はつまり、『株式会社』というのは、それが発生したまさにその瞬間から病んでいるのだ、ということなわけです。
何故それが病根なのか。

『経営と資本の分離は、企業の社会性、秩序、職業倫理よりも、できるだけ早く、できるだけ大きな利潤を求めることを優先させるようになった。』

まさにそうなのだろうな、と思う。そしてこれこそが、僕が会社というものについて、そして会社で働くということについてどうしても拭えない違和感を覚えてしまう部分である。
そして本書では、この『病根』こそが、昨今の企業不祥事の根底にあると主張する。多くの論調では、ライブドアや不二家の不祥事は、経営者の倫理や社会の管理体制の問題に帰着されている。しかし著者は、それは違うだろう、と言う。もちろん、原因を追求することは大事である。しかし、そもそもの『株式会社』が抱える『病根』について自覚的でないままにそういう議論をしても意味がないのではないか、と。
本書では、ライブドアや不二家などの具体例を引き合いに出して、その不祥事が何故起こり、その不祥事に人々がどう反応し、そしてどのように処理されようとしているのかについて触れ、その中で著者は、『株式会社』というものが持つ『病根』こそがすべての根底だ、という持論を展開する。

『昨今の雪印乳業、不二家、三菱自動車といった会社が、信用を失った理由は、ブランドイメージが落ちたからではないだろう。それ以前に、経営者たちが会社を育てて行くという「親の情熱」を失って、短期の利益確保といったような等価交換のスキームに陥り、それを肌で感じた「現場」のモチベーションが落ち込み、現場の人間もまたその会社で働くことの誇りを失い、会社の方針と争うよりは、波風を立てずに時間を稼ぐといった諦めに近い精神になっていたのではないだろうか。そして、これもまたもうひとつの共同体の姿であるともいえるだろう。共同体はそれがもつ呪縛力によって拡大し、同時にその呪縛によって腐敗してゆくものだからである。』

また著者は、昨今流行りのCSRやコンプライアンスなどについても、『株式会社』というものが持つ『病根』と絡めて、こんな主張をする。

『しかし、CSRといい、コンプライアンスといい、それが会社の課題となるには、会社が利益を出しているということが前提である。損失を出してまで、社会的責任を全うしようなどという会社は、そもそも会社設立の目的に反した自己矛盾なのである。CSRといいコンプライアンスといい、それがないよりはあったほうがいいに決まっているが、企業が持つ本質的な病を解決することにはならない。』

『株式会社』の持つ『病根』は、そこで働く個人の価値観にも大きな影響を与える。まず著者はこう主張する。

『どこまでいっても会社の目的とは、利益を最大化するということになる。本質的には会社にはそれ以外の目的は存在していない。そして、その目的は私たち自身の目的でもある。ただし重要なことは、会社にとっては、それは唯一の目的であるが、人間にとってはいくつかある目的のうちのただひとつでしかないということである。』

しかし、『株式会社』が生来的に持つ『病根』は、人間を変質させる。

『この会社の価値観が瀰漫するとき、ひとはその価値観の中でしか考えられなくなる。個人にとっても唯一の課題は利益の最大化であるというように。本当はそれは、会社というものが作った便宜的な価値観であって、個々の人生にわたる価値観のうちの、部分的なものであるはずである』

それなのに僕たちは、

『私たちはそのことに大いなる違和感を感じることがあったとしても、まあ、しかし会社とはそういったものだと、同意を与えている』

のである。それは何故なのか。それを、僕の理解度ではひと言で表現できないけれども、本書はそれも明らかにしようとしている。
本書ではそれ以外にも、アダム・スミスの経済論の話や、かつての日本の企業文化の話、あるいは技術革新がもたらした変化など、様々な事柄が扱われている。後半は、僕にとって結構難しい話になってついていくのが難しかったのだけど、『株式会社』が内在する『病根』の起源や、『株式会社』というものがどんな風に変化していったのか、また企業不祥事が起こってしまう素地がそもそも『株式会社』というものの中にあるという話など、普段まったく考えることのないような話がたくさん出てきて、もの凄く面白かったです。
僕は、本を売る仕事をしているのだけど、常に拭えない違和感を持ち続けている。それは、ひと言で言えば、『売れればなんでもいいのか』ということである。
僕は、同業の人にそういう話を聞く機会が時々あるのだけど、やはり皆『とにかく売れるなら何でもいい。まずは売らないと何も始まらない』というようなことを言う。確かに、それは理解できる。売らなければ、どうにもならない。
でも僕には、ずっとこれが違和感としてつきまとうことになる。それは、結局のところ、『売るためには何をしてもいい』ということであって、それは違うだろ、とどうしても思ってしまうのだ。
じゃあどういう状況がいいのか、と聞かれると困る。僕はただ自分の中の違和感を捨てられないだけであって、どうしたいのか、どうあるべきなのか、という意見は、まだまとまっていない。
でも、『とにかく売れればいい』という感覚は、僕はちょっと違うと思いたいという気持ちが強くある。
しかし本書は、それは『株式会社』である以上もう仕方がないんだ、と説く。良い悪いではない。『株式会社』というものの性質がもうそうなっているんだから、仕方ないではないか、と。これは僕にとっては目からウロコという感じがしました。
僕は、やっぱりなんだかんだいっても、会社というのは人が動かしている、と思っていたんです。ロボットを人が操縦している、というイメージですね。だからこそ、会社の中で働く人の意識が少しずつでも変われば、会社というものも変わるのだ、と思っていました。
でも、本書はそうではない、と主張している。会社というのは、そういう人が操縦できるようなロボットではない、と。じゃあどういうイメージなのかと聞かれると困るけど、だからこそ、人が変わったところで、『株式会社』というものの性質がそうさせているのだから、それは仕方のないことなのだ、という。
色々書きたいことがあるのだけど、ちょっと僕の方に時間がなさすぎる。あまりにもまとまりのなさすぎる感想だと思うけど、最後に、本書の文章で、これは凄くいいなぁ、と思ったものがあるので、それを抜き出して終わろうとおもいます。

『思想が思想たりうる条件とは何か。それは、どのような問題にも明確に応えうるような処方を持っていることにあるのではなく、この世の中に生起する様々な問題を、特殊な人間によって、特殊な状況のもとで引き起こされたものだといった対蹠的、診断的な処理をしないということであると私は思っている。対蹠的、診断的な処方は、個別遂行的な課題には何らかの効用があるだろうが、習慣を超え、言葉を超え、思考の枠組みそのものを超えて、人性に爪跡を残すことはできない。それは問題を発見したり、解決したりしたのではなく、ただ整理したに過ぎないからだ。思想が思想たりうるためには、いかに特殊な事象に見絵用が、そこから人間全体の問題につながる普遍性を取り出せるかどうかということであり、そこにこそ思考というものの全重量がかかっている。』

『株式会社』そのものという、なかなか普段考えないし、本のテーマとしても扱われることがないものについて、善悪を判断するのではなく、本質を見つめなおして認識を共有しようという著者の姿勢が凄く好きだし、語られている内容もとても示唆に富むスリリングなもので、凄く面白かったです。是非読んでみて下さい。

平川克美「株式会社という病」



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2013年ベスト

2013年の個人的ベストです。

小説

1位 宮部みゆき「ソロモンの偽証
2位 雛倉さりえ「ジェリー・フィッシュ
3位 山下卓「ノーサイドじゃ終わらない
4位 野崎まど「know
5位 笹本稜平「遺産
6位 島田荘司「写楽 閉じた国の幻
7位 須賀しのぶ「北の舞姫 永遠の曠野 <芙蓉千里>シリーズ」
8位 舞城王太郎「ディスコ探偵水曜日
9位 松家仁之「火山のふもとで
10位 辻村深月「島はぼくらと
11位 彩瀬まる「あのひとは蜘蛛を潰せない
12位 浅田次郎「一路
13位 森博嗣「喜嶋先生の静かな世界
14位 朝井リョウ「世界地図の下書き
15位 花村萬月「ウエストサイドソウル 西方之魂
16位 藤谷治「世界でいちばん美しい
17位 神林長平「言壺
18位 中脇初枝「わたしを見つけて
19位 奥泉光「黄色い水着の謎
20位 福澤徹三「東京難民


新書

1位 森博嗣「「やりがいのある仕事」という幻想
2位 青木薫「宇宙はなぜこのような宇宙なのか 人間原理と宇宙論」 3位 梅原大吾「勝ち続ける意志力
4位 平田オリザ「わかりあえないことから
5位 山田真哉+花輪陽子「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話4つください
6位 小阪裕司「「心の時代」にモノを売る方法
7位 渡邉十絲子「今を生きるための現代詩
8位 更科功「化石の分子生物学
9位 坂口恭平「モバイルハウス 三万円で家をつくる
10位 山崎亮「コミュニティデザインの時代


小説・新書以外

1位 門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
2位 沢木耕太郎「キャパの十字架
3位 高野秀行「謎の独立国家ソマリランド
4位 綾瀬まる「暗い夜、星を数えて 3.11被災鉄道からの脱出
5位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠 3巻 4巻 5巻
6位 二村ヒトシ「恋とセックスで幸せになる秘密
7位 芦田宏直「努力する人間になってはいけない 学校と仕事と社会の新人論
8位 チャールズ・C・マン「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見
9位 マーカス・ラトレル「アフガン、たった一人の生還
10位 エイドリアン・べジャン+J・ペタ―・ゼイン「流れとかたち 万物のデザインを決める新たな物理法則
11位 内田樹「下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち
12位 NHKクローズアップ現代取材班「助けてと言えない 孤立する三十代
13位 梅田望夫「羽生善治と現代 だれにも見えない未来をつくる
14位 湯谷昇羊「「いらっしゃいませ」と言えない国 中国で最も成功した外資・イトーヨーカ堂
15位 国分拓「ヤノマミ
16位 百田尚樹「「黄金のバンタム」を破った男
17位 山田ズーニー「半年で職場の星になる!働くためのコミュニケーション力
18位 大崎善生「赦す人」 19位 橋爪大三郎+大澤真幸「ふしぎなキリスト教
20位 奥野修司「ねじれた絆 赤ちゃん取り違え事件の十七年


コミック

1位 古谷実「ヒミズ
2位 浅野いにお「世界の終わりと夜明け前
3位 浅野いにお「うみべの女の子
4位 久保ミツロウ「モテキ
5位 ニコ・ニコルソン「ナガサレール イエタテール

番外

感想は書いてないのですけど、実はこれがコミックのダントツ1位

水城せとな「チーズは窮鼠の夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」

2012年ベスト

2012年の個人的ベストです
小説

1位 横山秀夫「64
2位 百田尚樹「海賊とよばれた男
3位 朝井リョウ「少女は卒業しない
4位 千早茜「森の家
5位 窪美澄「晴天の迷いクジラ
6位 朝井リョウ「もういちど生まれる
7位 小田雅久仁「本にだって雄と雌があります
8位 池井戸潤「下町ロケット
9位 山本弘「詩羽のいる街
10位 須賀しのぶ「芙蓉千里
11位 中脇初枝「きみはいい子
12位 久坂部羊「神の手
13位 金原ひとみ「マザーズ
14位 森博嗣「実験的経験 EXPERIMENTAL EXPERIENCE
15位 宮下奈都「終わらない歌
16位 朝井リョウ「何者
17位 有川浩「空飛ぶ広報室
18位 池井戸潤「ルーズベルト・ゲーム
19位 原田マハ「楽園のカンヴァス
20位 相沢沙呼「ココロ・ファインダ

新書

1位 倉本圭造「21世紀の薩長同盟を結べ
2位 木暮太一「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?
3位 瀧本哲史「武器としての交渉思考
4位 坂口恭平「独立国家のつくりかた
5位 古賀史健「20歳の自分に受けさせたい文章講義
6位 新雅史「商店街はなぜ滅びるのか
7位 瀬名秀明「科学の栞 世界とつながる本棚
8位 イケダハヤト「年収150万円で僕らは自由に生きていく
9位 速水健朗「ラーメンと愛国
10位 倉山満「検証 財務省の近現代史

小説以外

1位 朝日新聞特別報道部「プロメテウスの罠」「プロメテウスの罠2
2位 森達也「A」「A3
3位 デヴィッド・フィッシャー「スエズ運河を消せ
4位 國分功一郎「暇と退屈の倫理学
5位 クリストファー・チャブリス+ダニエル・シモンズ「錯覚の科学
6位 卯月妙子「人間仮免中
7位 ジュディ・ダットン「理系の子
8位 笹原瑠似子「おもかげ復元師
9位 古市憲寿「絶望の国の幸福な若者たち
10位 ヨリス・ライエンダイク「こうして世界は誤解する
11位 石井光太「遺体
12位 佐野眞一「あんぽん 孫正義伝
13位 結城浩「数学ガール ガロア理論
14位 雨宮まみ「女子をこじらせて
15位 ミチオ・カク「2100年の科学ライフ
16位 鹿島圭介「警察庁長官を撃った男
17位 白戸圭一「ルポ 資源大陸アフリカ
18位 高瀬毅「ナガサキ―消えたもう一つの「原爆ドーム」
19位 二村ヒトシ「すべてはモテるためである
20位 平川克美「株式会社という病

2011年ベスト

2011年の個人的ベストです
小説
1位 千早茜「からまる
2位 朝井リョウ「星やどりの声
3位 高野和明「ジェノサイド
4位 三浦しをん「舟を編む
5位 百田尚樹「錨を上げよ
6位 今村夏子「こちらあみ子
7位 辻村深月「オーダーメイド殺人クラブ
8位 笹本稜平「天空への回廊
9位 地下沢中也「預言者ピッピ1巻預言者ピッピ2巻」(コミック)
10位 原田マハ「キネマの神様
11位 有川浩「県庁おもてなし課
12位 西加奈子「円卓
13位 宮下奈都「太陽のパスタ 豆のスープ
14位 辻村深月「水底フェスタ
15位 山田深夜「ロンツーは終わらない
16位 小川洋子「人質の朗読会
17位 長澤樹「消失グラデーション
18位 飛鳥井千砂「アシンメトリー
19位 松崎有理「あがり
20位 大沼紀子「てのひらの父

新書
1位 「「科学的思考」のレッスン
2位 「武器としての決断思考
3位 「街場のメディア論
4位 「デフレの正体
5位 「明日のコミュニケーション
6位 「もうダマされないための「科学」講義
7位 「自分探しと楽しさについて
8位 「ゲーテの警告
9位 「メディア・バイアス
10位 「量子力学の哲学

小説以外
1位 「死のテレビ実験
2位 「ピンポンさん
3位 「数学ガール 乱択アルゴリズム
4位 「消された一家
5位 「マネーボール
6位 「バタス 刑務所の掟
7位 「ぐろぐろ
8位 「自閉症裁判
9位 「孤独と不安のレッスン
10位 「月3万円ビジネス
番外 「困ってるひと」(諸事情あって実は感想を書いてないのでランキングからは外したけど、素晴らしい作品)